暁星十字軍 第二章

388209:ネヴァモア 2004/01/25 03:12:01


「……では汝等にアースのご加護のあらんことを」

短めの訓戒と祈りが一通り終わると、
暁星十字軍・第一軍は目的地に向けて行軍を開始した。

それは一種独特の軍隊であった。
片やアース教の旗を掲げ、白を基調とした
装束を纏う者が大半を占めるアースグリム率いる部隊。
片やこれといった旗は見当たらず、
参加者が各々好きな格好をしたバケイ率いる部隊。
あたかも聖と俗の奇怪な混合物かのようであった。

(一見すると無秩序。しかし)

ネヴァモアは思う。

(そこにこそ可能性は存在するのかもしれない)

 388210: 現在の展開、及びRP指針・アドバイス ネヴァモア 2004/01/25 03:13:16

【第一軍】

・アースグリム隊……聖職者中心。宗教騎士団的
・バケイ隊……一般参加者中心。義勇軍的

以上二隊がゼロスパイアの待つ地へ向けて出発しました。
スレ参加者は好きな方を選んで所属して頂きますが、
どちらにも属さず行動しても可です。

これから新しく参加される方は途中で合流の形をとるか、
あたかも最初からいたかのように振舞うと
展開上合流しやすいかと思います。

あるいは後々第二軍、第三軍と派遣されていきますので、
そちらを待っても可です。

 388212: 諸注意(再録。一部改訂) ネヴァモア 2004/01/25 03:18:35

・対ゼロスパイア、ゼロアース戦を目的としたRPスレッドです。
 国家を超えた組織としての活動ができる場を設けてみました。

・参加資格は一切問いません。
 それが当スレに関連したRPの形を取る限り、
 いかなるレスも否定しません。

・自由に行動して下さって結構です。
 設定上、教会からの指示等がある事もあるでしょうが、
 それに拘束される義務はありません。

・システムとしての報酬は一切ありません。
 RPを楽しむ事に興味の持てない方は
 さしたる利益を得ないでしょう。

・単調になりがちなシステム的な突破作業を
 想像力で膨らませたいという方の参加は特に歓迎します。

 388224: 黒影と茜色の記憶(1) 呪々 2004/01/25 05:01:21

いつから、そこに居たのだろうか。
アース教の装束に身を包んだ人々の中で、
その漆黒の影は明らかに目立つのだが…
その時まで誰一人気に止めるものは居なかった。

あたかも忽然と沸いて出た闇の如く
黒衣の占い師はアース教皇の面前に姿を現すと、
恭しく一礼して見せた。

「旅の占い師、呪々と申しまス。
猊下…本日は、過去の欠片を御目にかけるべく
参上いたしましタ」

慇懃無礼の文字通り。
占い師がアース教に一遍の敬意も持ち合わせていない事が、
相対した者には感じ取れた。

 388225: 黒影と茜色の記憶(2) 呪々 2004/01/25 05:01:39

「ゼロアースなる存在が現れ、
そしてアースノヴァの復活さえも囁かれる今日…」

何かを知っている者の瞳でクスリと笑う

「この世界の過去。アース教徒の過去。
『世界の意思』の記憶の底に降り積もった物語ヲ
再び奏でるのもよろしかろうと思いましテ
…その役に相応しい者を連れて参りましタ


呪々と名乗った占い師の後ろに、
同じく黒衣を纏い、
フードを目深に被った小柄な人影があった。

 388226: 黒影と茜色の記憶(3) 呪々 2004/01/25 05:03:20

「と申しましても。
汚らわしきムゲンの法による物ではなク…
『世界の意思』の記憶の中に残る、
在りし日の残像を切り取っただけの存在ではございますガ」

呪々はそこまで言うと後ろに控える影を促し、
前に出させた。

ゆっくりと進み出た人影は
やがて面を上げると…フードを払う。

そこには――――――

 388227: 黒影と茜色の記憶(4) 茜色のローブの猫 2004/01/25 05:09:04

「…ある意味…はじめまして、になりますね。
ネヴァモア様。」

『わたし』を知る者が
まだどれくらい居るのかは判らないけれど。
今のこのわたしは『わたし』であって『わたし』ではない。
記憶に眠る過去の光景が本物ではないように。
光浴びた梢が作り出す樹の影が本物ではないように。
今はただ…世界の意思・星の声の持つ糸に吊られて動くのみ…

「フェリアスのあの場所を…とりあえず開いておきました。
表は閉じたままですが、『裏口』からお入り頂けます。
過去をご覧になりたければ…
何時でもお越しください。皆様も。」

それだけ言うと、
二つの影は来たときと同じように
忽然とその場から姿を消した。

 388228: 黒影と茜色の記憶(追記) 茜色のローブの猫 2004/01/25 05:19:17

って忘れてましたっ

■映画館裏口
http://www.venus.dti.ne.jp/~blackcat/blueeye/fft/hidden.html

アースノヴァの戦いの様子はここでチェーックヽ(´▽`)ノ
さぁさぁ寄ってらっしゃい見てらっしゃい

※などとせっかくシリアスに書いたのを台無しにしつつ退却っ

 388229: ――暁星十字軍 アズライト=D 2004/01/25 06:08:14

男は教皇庁の入り口で次々と出立する十字軍の精鋭を眺めていた。

「彼らにアースの加護と祝福がありますように…」
祈りの言葉をそっと呟く。

ふと猊下の様子を伺えば…組織編成やアースノヴァ再興を掲げる者達との接触等で思いのほか多忙のようにも見える。

どうやら先程までは、見るからに怪しい占い師と面会をしていたようだった。
『世界の意思』の記憶の復活…それ自体は歓迎すべき事であろう。
しかし…呪々と名乗ったあの占い師…教会の調査力をして既に行方が掴めない存在とは…彼の真意は一体…?

 388230: 、 アズライト=D 2004/01/25 06:08:48

そしてゼロスパイア――
今だその実力が未知数の存在…。
奴に対して大規模な反抗作戦を指示する教皇庁を、奴が放っておくのだろうか?

教会の主だった司祭が参加する今回の作戦は、その指揮を行う教皇庁の防備がどうしても手薄にならざるをえない。
そして現在教皇庁に残ってる者は一部を除いては、司教達に比べればまだ非力な者達ばかりである。
つまりこの作戦がそれだけ大規模なものだと云う事でもあるのだが…。

「ここは猊下の身辺を命を賭けてお守りする者が必要となるかもしれませんね。」
万が一という事もありますし…私はもう少しここに残る事としましょうか。

 388231: 。 アズライト=D 2004/01/25 06:09:01

それにしても…。アースノヴァのアルカリス…ですか…。

「どうやら…あまり悠長に構えてはいられないようですねぇ。」
これからの事を想定するに、気を抜いてはいられなさそうだと口元を綻ばせる。

そして男はここに残る事を告げる為、教皇の部屋の扉へと赴きその扉を軽く叩く。
「猊下、司祭アズライトでございます――。」

誰も予期せぬ大いなる災厄がこの地に襲わんとしていた――。

 388233: 戦士の思い リューディ 2004/01/25 06:55:47

鉛色が支配する空の下、道を行く青年がいた。かつて子供の頃から、強い戦士になりたいと願っていた青年だ。今は戦士としての道を歩み始め、力をつけて来ている…。

今、その足、力はゼロアースに向け、進んでいた。次第に進む足が遅くなっていき、そしてこれまで思いもしなかった言葉を口にする。

「オレはこの時代の勇者の一人として成り得る事ができるのだろうか…。」

 388234: ・ リューディ 2004/01/25 06:56:25

高慢ではない。しかし、今までの努力が負けて無に帰す事を考え始めると不安になる。何も考えず剣の道を進んできた青年には、ゼロアースの出現は剣を向けるのに格好の目標だった。
しかし、何人もの戦士がゼロスパイアに挑み、返り討ちに遭ったと聞く。

「…しかし進まなければ。」

再びしっかりとした足どりで歩き始めた。

 388235: ・ ヨシフジュガシヴィリ 2004/01/25 06:56:55

バケイ君が隊長・・・か。

それにしても玉石混交とはこの事だね。
ある意味この隊の隊長には彼が適任かもな。

さて、ジュ─ゴロー君。
気にするな、と言ってくれてありがとう。
剣豪は剣豪の在り方で、と言う事だな。

俺は俺の在り方を捜すとするか。

ん?黒衣?

何故だ?何故、アース教徒中心の
アースグリム隊に黒衣が・・・・?
それにあの茜色のローブ・・・・。

何処か懐かしい匂いがするが───


 388236: ・ ヨシフジュガシヴィリ 2004/01/25 06:57:32

『アースノヴァの戦いの様子はここでチェーック!』

あれはフェリアスの・・・とすると・・・。
黒衣のあれは───占い師か。
茜色のあの猫は───

まぁ、良い。
過去から学べる物が何某かあれば。

アースノヴァ・・・・
世界の変わり目に居合わせる事が
そこの前線に立てる事が
今の俺の在り方のような気がする。

名も無き一兵士として。

 388241: 信仰とは何か:ミリオラーネ ミリオラーネ 2004/01/25 10:23:12

私は、にわか信者に過ぎないと言う自覚がある。
改めて教義を読んでみたが、教団に入る必要性をあまり感じはしなかった。
教義による信仰ではなく、ただ信じ、自らの行動指針に活かすことの方が重要に思えたのだ。
アース神は、教義などと言う物で、表現できないのではなかろうかとさえ思う。
このような考えでは、教団という組織に入っても異端視されるだけであろうしな。
今は、そのようなことで軋轢を作り、傷つけあうような余裕もあるわけもない。

 388242: バケイ隊への参加:ミリオラーネ ミリオラーネ 2004/01/25 10:24:35

それゆえ、私はバケイ殿の部隊への配属を希望した。
当然ながら、この部隊にはアース神を信仰しない者もいる。
しかし、目的は同じゼロスパイアとの対決ゆえ、誠心誠意協力しあっていきたいと思う。

努力の先に道が切り開けるように努めたい。

 388243: アルカリス殿への呼びかけの追憶:ミリオラーネ ミリオラーネ 2004/01/25 10:25:40

アースノヴァか。私はアルカリスに言った。
悩み傷ついた折に救ってくれたアース神を信仰はするが、
アースノヴァを復興させるのは問題ではないかと。
アース神は支配の道具ではないはずだと。

私はアースノヴァは直接には知らぬ。
それゆえ、誤ったイメージを持っている可能性はある。
だが、私の持つ知識による判断は、間違っていないと思う。
アース神は人々の救いになるが、縛るものではあってはならない。

ただ、心を一つにできる象徴ではある。
それゆえ、こうして、アースの旗のもとに集う。

 388244: フェリアスの一角にて。 アヤセ・シーナ 2004/01/25 10:39:58

「…ぇ?」
大きなお腹に四苦八苦していた様子のエルフの少女は、聞こえた話し声、その内容に思わず瞳を見開いた。

――開いているらしい。あの、映画館が……――
――裏口が……――

いっそ衝撃であった。
聖人の名を冠する『敵』に相対していると言う『暁星十字軍』の噂に混じって彼女の耳に入った、小さな事実。

「あぁ…。」
感嘆符とともに、彼女は留めていた歩みを、緩慢に再開した。
世界は動いている。
未来を示し、知るべく動き。
過去を示し、知るべく動き…。
少女は、危なげにも見える歩調に確実なリズムを見出していく。
家に帰るのだ。愛しい者の在る場所へと。

――世界は動いている。

 388250: あるいは一つの呪い。 シュアリー 2004/01/25 11:16:41

入軍の儀式は案外あっさりと終わった。
信者以外の参加者を考慮して、多少は略されているのかもしれない。
形式にとらわれず、今は神敵殲滅の為に一致団結を、といったところなのだろう。そういう考え方は嫌いではない。

とはいえ、だんだんと集まり始めた参軍希望者の儀式全てが終わるにはまだしばらくはかかりそうだった。
辞令書に記されてあった同じ部隊の面々の名前だけはとりあえず覚えて、通りすがったこれも神父らしき男に書庫の場所を尋ねた。訝しげであったが、「アース教の教義に興味を覚えた」、と伝えると、喜んで案内してくれた。

 388251: ・ シュアリー 2004/01/25 11:17:42

アース教の教義には『向上』というのがあった。
それが指しているのは、力ではなく精神の発達だったが。

(精神の修練、それはつまり)

書庫は少々薄暗かったが、小奇麗にされていて、分厚い本の束が埃をかぶっているようなことも無い。此処の教徒たちの信心深さが伺えるようだった。
が、やはり如何せん数が多い。読むには少々の時間では足りないだろう。4、5冊に軽く目を通してから、出直すことにして―――


新たに書庫に訪れた者の姿に、思わず目を奪われてしまっていた。
胸と腰を覆うだけの服。
既視感と―――ほんの少しの眩暈に襲われながら、それでも数秒、視線が外せなかった。

 388252: ・ シュアリー 2004/01/25 11:18:52

自分よりも少し高い視線が目の前で訝しげにしているのに気づいて、慌てて目を伏せた。
「い、いえ・・・、すいません・・・。」
まさか彼女の姿態に見とれていたなどという風に勘違いされはしないだろうか、と一人で焦りながら、フードで顔が見えなかったことを願いつつ、逃げ出すように書庫を出た。

 388253: ・ シュアリー 2004/01/25 11:21:11

***

暁星十字軍・第一軍バケイ隊は現在、アースグリム隊と共に神敵ゼロスパイアの元へ。
自分は、相変わらず全身を被う古ぼけたローブのままで、隊の比較的後方の位置でそれに加わっていた。


フードの合間から、前方に先ほどの女性の後姿を見つけて、あの時逃げ出すように出て行ったのは逆効果だったろうかと思う。
そして、戦いへ赴いている最中にそんなことを考えている自分にふと気が付いて、なんだかえらく疲れた。

 388258: 行進 シンクレア 2004/01/25 12:09:34

バケイ隊、と呼ばれている義勇軍側の隊に混じり、ゼロアースへと歩を進める。

こちらの隊が若干隊列が乱れたり、談笑があったりする中
アースグリム隊…アース教団の信者中心の隊の方は流石に統制がなされ、
黙々と歩いている者が多いようだ。

寄せ集めの集団を管理するんだ。きっとバケイとかいうここの長も
苦労していることだろう。
まだちらっと見た程度の男が四苦八苦している姿を勝手に想像し、苦笑いする。

それにしても、わざわざ隊を2つに分けたのは人数調整や
戦術的な意味合いよりも…

改めて、自分達の隊と向こうを見比べてしまう。

 388259: 2 シンクレア 2004/01/25 12:09:56

やはりアース教が一部に快く思われていないのを見て、
分けざるをえなかったんだろう。
単純に戦力としてみた場合、癒し手の多いアース教の戦士を
こちらにも組み込んだ方が、戦い自体は楽になるんだが…。

何よりも教皇自身が、団結する事を望んでいた。

見知った顔も大していない寄せ集めである以上、
余計な不信感は少しでも減らした方が得策なんだろうな。


そんな事を考えながらアースグリム隊を見ていると、
人の波の合間に赤いものが見えた気がした。

いや、ものじゃない。
あれは…

 388262: 3 シンクレア 2004/01/25 12:16:02

「おい、兄ちゃん、邪魔だよ」

後ろから来た戦士が背中にぶつかり、文句を言って先に進んでいった。
俺は、自分の見たものにしばし瞬きもせずに茜色のローブが消えたところを
見つめていたが、結局マントを深く引き上げて行軍を再開した。

そう…
あの茜のローブの猫は…死んだんだ。
亡骸を確かに見、埋葬する所までついていった。

居るはずが無い。きっと行軍で疲れたんだろう。

今日は早めに睡眠を取ろうと思いながらも、じくじくと胸の奥の
忘れていた思い出が染み出し、心を潰していった…

あの時の戦いはまだあの地の民の心に、刻まれているんだろうか。
すっかり縁遠くなってきた地を思い、空を見上げた。


 388275: 遡ること数刻。 アースグリム 2004/01/25 14:11:27

出発前。
私は与えられている部屋に配属された面々のうち、特に気になっている数人を集めた。

「とりあえず出陣、というのでは自滅するだけです。幾つか、決め事をしていきましょう」
 部隊に配属されている面々の中には、教会内の位階が私よりも上位の者も居たり、時に敵対すらした人間も居たり――中々、面白いメンバー構成となっていた。

「まず確認をしましょう。
 私達は、あくまでひとつの目的を共にしているに過ぎない同志であって、主従ではない、ということ――」
その他、幾つかの決め事をする。戦いの場に赴く前に、ブリーフィングも無しとは、集団自殺に行くようなものだ。

 388276: 、 アースグリム 2004/01/25 14:11:54

一通り、決め事が終わると、私は、自身の中に暖めていた案を出した。

「それと。これから資金や物資が必要になることが何かと考えられます。そうしたものの援助をして下さる篤志家がもし知り合いにいらっしゃるのであれば、ご紹介下さいませんか?」

この十字軍の名は、それなりに知れてきている。
そのスポンサーという名があれば、イメージアップになる、と声をかけてみれば寄って来る商人達も居るかもしれない。

今は装備、滞在費等、全て各自の持ち出しである。教会からも予算が出ては居るが、教会とて、そうそう多くの蓄えがある訳ではない。

 388277: 。 アースグリム 2004/01/25 14:13:26

私はいい。あとこのままでも10年は戦えるだけの財産がある。
だが、そうでない者も居る筈。特に雑兵達。なんとかせねばならなかった。

「では、出発します。我等が真にネバーランドの暁星となれるかは、我々次第です。
 今、皆さんと決めたこの隊規にのっとり、不断の努力で事にあたりましょう。
 我等にアースの加護と祝福のあらんことを」

その時、私が皆に示していた紙にはこう書いてあった。

「我が隊にて罪となる事象。
 『怠惰』
 『怯懦』
 『背任』
 『残虐』
 『不覚悟』
 以上、五箇条に適する者、斬首申し付けるべく候也。

 暁星十字軍 ヴィグリード=アースグリム」

 388284: 『眼』 ブロウ 2004/01/25 14:46:46

山を、谷を、川を。
それらは夜もなく、昼もなく進み続ける。
それでもなお、士気は衰えることなく。


彼等を監視する『眼』
それは音も無く、意も無く。
ただ、見つめ続ける。

その時の為に。

 388298: はげ山の一夜:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/25 17:31:52

峠はうっすらと雪が染みついていた。
行軍第一夜。
夜半にもかかわらず天幕の外は喧声と歌声で騒がしい。
バケイは軍隊にも書類仕事がある事を改めて実感しながら、
懸命に記入と署名と捺印を正確にくり返している。

『ジャピトスに珍しく雪がおりた日、
 教皇庁外苑ではネヴァモア猊下を迎えて編成完結報告と閲兵を兼ね、
 出発式が行われた。
 猊下の栄誉ある閲兵を受け、バケイ隊は直ちに同地を出立。
 まずはマリアンルージュ近郊、
 ゼロウォンなる悪神の一人が出現しているという地点を目指し、
 行軍を開始した』

 388299: ・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/25 17:32:42

と隊長日誌に記入するバケイは、ここで代用珈琲を煽る。
実際の行軍は軍隊のそれとは大きく異なっていた。
だいたい整列させるまで
団員と追いかけっこをしなければならなかったし、
私語を発する者、あくびする者、必勝祈願の踊りをする者!
必死に駆け回りやっと出発すると
迷子になるわ、勝手に休憩するわ・・・・
一抹の不安にして、それを飲み干さなければ。
空になった真鍮のグラスを眺めながら、バケイは思った。

 388301: ・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/25 17:33:19

「隊長、よろしいですか?」
黒髪に行軍装をまとった女性がバケイに声を掛ける。
「ミリオラーネ様ですか。どうぞ」
「隊長の副官なのですから呼び捨てにして下さい。示しがつきません」
「し・・・・何でもありません」
不思議そうな顔をするミリオラーネを横目に、バケイは口をつぐんだ。
(しめしも、しめじも無いもんだ。
 いまさら軍隊らしさを出そうとしたって・・・・)
「では、ミリオラーネ副官。何か要件ですか?」
髪を軽くかき上げ、彼女はバケイの元に書類を差し出す。
「隊員現況簿です。間違いがなければ署名と捺印をお願いします」
「そうですか。ありがとう。処理したら届けますね」
「では失礼します」

 388302: ・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/25 17:33:52

リストにバケイは目を通す。
実にバラエティにとんだ隊員達だ。

ミリオラーネ。
我が隊の副官だ。知力に優れ、経験も豊富。
隊長が彼女でも全くおかしくない。
数少ない軍隊経験者であり、我が隊の要となる人物だ。
しかし、名うての堅物でもある。
隊員達にとけ込めるのか・・・・

ヘジャーブ・ハセラン。
異教である事を公言しつつ、義に殉ずる事を選んだ少女。
志はボルホコ山より高く、意志の強さはどんな鉱物より堅い。
が。
踊り子である彼女は、
当然のように喜怒哀楽を卓抜した技術で表現する。
つまり、どこでも素晴らしい舞踏を踊る。
それが厳粛な場でも。

 388303: ・・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/25 17:34:20

ヨシフジュガシヴィリ。
その年格好からは考えられないほど立派な恰幅だ。
やや粗野。だが決断と行動に優れ、一旦決めたら迷いがない。
頼りになる、まさしく鉄の男だ。
しかし、自らのペースに忠実だ。忠実すぎるほど。

シュアリー。
我が隊のマスコット的な存在だ。
風のように軽やかで、楽しい会話は皆の癒しとなるだろう。
だが、そうみえて何事も探求せずにはいられない真面目な一面もある。
我が隊でもっとも軍隊らしくない人物だ。

 388304: ・・・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/25 17:34:47

シンクレア。
その名は私も耳にした事がある。
どんな困難も跳ね返し、目的を達成するトレジャーハンター。
彼ならどんな試練でも、どんな逆境でも耐えるだろうし、
覆す事が出来るだろう。
しかし、彼はトレジャーハンター。
何より束縛を嫌い、自由を好む。
私に彼を指揮する事が出来るだろうか・・・・

 388305: ・・・・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/25 17:36:09

署名と捺印を終え、バケイは再びポットから褐色の飲料をカップに注ぎ、
組み立てテーブルの上の便せんの脇に置く。
そしてインク壺に羽ペンを付け、紙の上を滑らしはじめた。

「謹啓 リーバ様

 要件のみを本日は申し上げます。
 あなたの力が世界に必要だ。
 お待ちしております・・・・・」

ミリオラーネに渡す書類を小脇に抱え、バケイは天幕を出た。
天幕のすこし先では隊員達がたき火を囲み、
音楽を奏でたり、歌ったり、踊ったりしている。
(行ってみるか。ミリオラーネ様も誘って・・・・)

まだ夜空に星は輝いてる。
行軍の一夜はこうしてふけていった。

 388319: 返信:リーバ リ―バ 2004/01/25 18:03:18

手紙が届いた。
差出人の名はバケイ。俺にとっては数少ない友人でもある。
一体何の用件だろうか、外に繋がれたヤギのように内容を読まないわけにも行かないだろう。

内容は簡潔だった。
「あなたの力が世界に必要だ。」

修飾など不必要なものを。
世界などと大層な名分を付けずとも友人が待っているだけで自分は赴く。
全く以って彼の悪い癖だ。


 388320: 返信2:リーバ リ―バ 2004/01/25 18:05:42

上手くは無い字で返信を書き記し、彼の元へ手紙を送る。

「数日待ってもらえば多くの仲間を率いて、そちらへと向かおう。
 楽しめる保証はあるだろうな?
 無ければ用意しておくように」

この手紙を見て彼がどう言う反応をするかを想像しながら、旅支度を始めた。
そして、くつろいでいる仲間達に一声かける。

「さあ、お前ら運動不足解消しに行くぞ。
 敵は神様だとよw」

 388325: 遅ればせ:くらら クラディア 2004/01/25 18:19:19

久しぶりに踏む砂地
懐かしさは感じない
だが、ぴりりと痛みを感じた
小さな溜め息をつく
今は感傷に浸る時ではないのだから

ひときわ荘厳な建物の前で、一人の男に微笑む
彼は私を知らないだろう
私も見知っている訳ではない

だが、感じる
同じものを
だから笑む

不思議そうな視線が返ってきたが、一礼で交すとそのまま建物の中へと入った


 388326: 接見:くらら クラディア 2004/01/25 18:30:04

聖堂には人が溢れている
正装である白の法衣を着てこなかったのは失敗だったか
今纏っているのは黒の着衣
理由はある
そう、それも含め──

目的の部屋へ辿り着く
二度のノック
穏やかな返事を聞き、入室を許可された

「失礼致します。教皇様、司教クラディアお目通り願いたく参りました」

 388334: 副官拝命:ミリオラーネ ミリオラーネ 2004/01/25 18:56:31

副官に任命されたか。
では、バケイ殿を誠心誠意補佐するといたそう。

ただ、この感じでは少し誤解されているようだ。
義勇軍ゆえ、軍隊的な秩序は必要であるとは思うが、厳しく締め付けたところで、うまく行くわけではないことは、王として国を治めたおりに痛感したことだ。
もちろん、命令を下す者に威厳があった方が、命令に重みが出はする。
ある程度は、示しが付くようにしては欲しいのだがな。

いらぬ行き違いで、軍の運営に支障を来たすわけにも行かぬし、折を見て、誤解をといておいた方がよさそうであるな。

そろそろ書類もでき上がっているであろうゆえ、受け取りに行くといたそうか。

 388335: 懺悔:くらら クラディア 2004/01/25 18:58:53

「お忙しいことは存じておりますが、何より先に懺悔させてくださいませ」

その場に伏し、短く祈りを捧げる
そして、言葉を繋いだ

「私は、使徒《慈愛》を授かりながら、その根底たる他者を、時に相対するものすら尊じ敬う心を見失っておりました」

静かな視線を感じながら、なお言葉を続けた

「私は無力で、そして弱き人間です。けれど、だからこそ……多くの志同じくするものと立ち、力を尽したいのです。持つものは小さくても、心強くあれば大きな力を生み出せると信じたいのです」

そして立ち上がり、きっぱりと告げた

「無力な私ではありますが、どうぞ、真なる神の仔の一端として迎え入れて下さいませ」

 388348: ゴルデンダンリート ルーイン・クライム 2004/01/25 19:55:06

多くの自然に囲まれたとても静かな場所─────────。 
 
澄んだ湖の畔、ヤツはいた。 
何をするでもなく、ただ湖に映る自分の姿を凝視している。 
 
 
「………………。」 
その姿はまさしく変態。 
 
心地良い小鳥のさえずりに混じって、気味の悪い声が響く。 
 
 
「…………が来る…。」 
 
「……神の裁きが……。」 
 
 
 
蒼く澄んだ空の下、変態は管理人に連れて行かれた─────────。

 388352: それはある意味いつも通りとも言える行動:ロウ アルバイン・Z・ロウ 2004/01/25 20:13:23

『今回は自分の意志で動きます』

そう書き残したメモを二人のドアに張り付けて城を飛び出した。

(…一体何日が過ぎただろう?)

曖昧な数を思い浮かべる中で確実なこと。


──今年の有給休暇は残っていない──


いつもながら後先考えずに動いた自分の行動に…溜息が出る。

正直、ゼロスパイアだけならこんなに時間がかかることもなかったはずだ。
なにしろ自宅からは目と鼻の先に現れてくれたのだから。
しかし、世の中の流れは止まらない。
ゼロウォン、ゼロミー、ゼロソード…彼らの出現によって面倒なことが増えてしまった。

 388353: 遭遇、だが交わらないものもある:ロウ アルバイン・Z・ロウ 2004/01/25 20:15:43

「あぁっ…ったく……ん?」

前方…といっても微かに目視できる程度の距離に陣取っている集団が見えた。

軍隊…というにはちょっと変わっている気がした。
事前に知らなければどこかの傭兵団だろうと思い流しただろう。
少し思い出してみる。

「噂の暁星十字軍か…で、向かっていたのは」

メイマイ…ゼロソードか?
ゼロスパイアならあるいは私も…だが、違うのならばそれは仕方がない、縁がなかったんだろう。

「おっと、そういえば」

辺りを適当に見回すと十字軍からは見えない位置に一端移動すると懐から長めの布を取り出しそれで顔を覆う。
ま、この場しのぎの覆面ってところ。

 388356: 覆面は逆方向へと:ロウ アルバイン・Z・ロウ 2004/01/25 20:19:55

ガレーナの、ナノカ・コールシードの、セーラーの…

私に何か言うときにこれをつける人は結構多い。
実際そうなのだから仕方がないし、構わないのだが…この肩書きは個人行動をするにはあまりに邪魔。
変な詮索はお互いにとってよくない。

特に私の精神衛生上よくない。

だから今のこの格好。
特に個人や所属を特定できる物はもってない、
そんなに知り合い多くない…大丈夫。

そして、すれ違った人には頑張って下さいと声をかけ、私は彼らが歩いてきた道とは逆方向へと歩いていった。


教皇庁ならば、自分の手元よりも多くの情報が得られるであろうと期待を抱いて。

 388365: ネェェェェェコォォォォォ・・・ インフェルノ 2004/01/25 21:43:30

はっ!!私は何をいきなり・・・周りが見ているし。
急に懐かしい感じを感じて絶叫してしまった。
今は無きあの人の感じ・・・ネェェェェ・・・ゴホン

状況が一段落付いたら久々に墓参りにでも行きますかね、
その頃には梅見にちょうどいい時期でしょう。

さて、今は過去に浸る時ではありませんね。
変に目立ってしまったようですし、早く教皇庁を離れるとしましょう。

目指すはヘルハンプール、烙印を背負いし国。

 388367: ・・・・・・! ルティウ 2004/01/25 22:12:04

突然現れて、そして突然消えた、黒色と茜色。
少し離れた場所からそれを見つけて、息を呑む。

あの場所に……行ったことがあったな。
忘れたくない記憶を刻み付けようと、
義理の妹達を引っ張って何度も足を運んだっけ。

最期の時、ぼくは結局遠くから見ていることしか出来なかったから……

「……また、あの時を見ることが出来るのですね」

既に消えたその姿のあった場所をぼぅっと見つめ、
ぼくは、笑った。

今も見続け、想うだけ。

 388369: 。 ルティウ 2004/01/25 22:18:14

「アース神のご加護がありますよう…」

第一軍の出発を祈りの言葉で見送って。
「聖義」と「希望」を先頭に進む姿は、
ぼくにはとても心強く見えた。
力を合わせる…これほど強いものは無い。

戦闘能力が低いぼくは、とりあえず教皇庁でお留守番。

まだこちらに残られている方も多くいらっしゃるし、
これからこちらに来られる方のお迎えや案内が出来るといいな。

と、建物の中に戻ろうとした時だ。

中へと進む一人の女性…
ふっと微笑んで、一礼して下さったその方を、
ぼくは黙って見送ってしまった。
一瞬思考が停止してしまったが…

「慈愛…」

ぼくはその後姿に一礼し、同じく建物の中へと戻ることにした。

 388381: 伝言:G ギルヴィッド 2004/01/25 22:59:40

十字軍の上空を一羽の鴉が飛んでいる。不吉だからと疎ましく見る者が数名いたが、殆どは固い決意が目を前に向けさせているためか気にも留めない様子である。

それは暫くすると緩やかに降下し、シンクレアの肩へと止まる。足には黒い筒があり、小さく金字で「G」と銘打たれていた。

『〜敬愛なるシンクレア殿〜
雇い主はまだ動かぬようですが…時が来れば恐らく共闘となるでしょう。まあどうであれ、私はかねてより求める物を得るために動く故…戦場にて再会を…』

書簡にはそう綴られており、最後には血文字で「G」とサインされている。

雲が一つ行くほどの時間が経った後、鴉は飛び立ち、書もサインから腐食して塵と化した

 388393: 悪い人。 セバード・C・シェール 2004/01/25 23:47:31

大型の空中戦艦、その主甲板。ボルテクス連装主砲の2基、アントン、ブルーノに挟まれた空間に主だった乗組員と幹部が整列していた。その眺めは、長年彼らと共に戦ってきた私から見ても格別の光景だった。
(…皆、新兵だった頃が懐かしいですね。こんな整列が出来るようになるとは思ってもいなかった)
…そんなことを思いながら、私は彼らに話し出す。この部隊の現状と、これから赴こうとする戦いについて。
「…この行動は、私による諸卿の私兵化です。これを否定する者は止めません、即刻親衛隊に私を通報してください」

 388394: …ゴフッゴフッ(絞 セバード・C・シェール 2004/01/25 23:50:01

旗下将兵、ゼア帝国本国艦隊の残余兵。かつてアースノヴァに攻め込んだ空中艦隊とは比較にならないほど小規模な兵力。
…ただ、その志気統率は世界のいかなる軍にも劣ることは無い。長い流浪をじっと耐えてきた精鋭だ。

「今から向かう先には元来私たちの敵であり、これからも矛を交える相手もいます。この作戦に従事する場合、それらの兵力への攻撃も不可です。背後から切りつけるような真似、誇りある諸卿は言わずとも理解していると確信していますが」


…反発は無い。どうやら認めてくれたようだ。
(…まぁ、どのみち。既に不正規兵同然ですしね)

 388396: ・ セバード・C・シェール 2004/01/25 23:54:31

今更常識論を述べても始まらないか。長きに渡り事実上の私兵だった以上…反抗する者はいないとめぼしもつけていた。
(確信犯…やっぱり悪党ですねぇ)
「では、各員持ち場について出撃準備。帝国軍の名にかけて遅れをとることは許されません。戦場においては可能な限り損害を受けないよう、かつ最も勇敢であるよう務めること。この矛盾を最大限果たすことを望みます」
無茶苦茶である。だが、その無茶無くして私の目的は果たされない。


 388397: ・ セバード・C・シェール 2004/01/25 23:56:12

ゼロスパイア…ゼロアース勢力の適度な漸減。今後の作戦行動を考えると、ただでさえ戦力不足の帝国艦隊を損耗するのもまずい。だからといって臆病者のそしりを受けるわけにはいかない。
(…まったく。なんでこんな面倒な状況に自分から首を突っ込むんでしょうか、私も)
「総員、かかれ!」
ざっ、と全員の敬礼動作が一つの音に聞こえた。


 388398: ・ セバード・C・シェール 2004/01/25 23:57:50

ずん、と腹に響く離床音を残し、艦隊が抜錨する。空中戦艦3隻に、護衛艦が4隻の標準的な一個戦隊。
真っ青に塗装された彼らは、ゼロスパイア攻撃に向かう艦隊の一角に強引に割り込んで進撃を開始した。
「司令、抗議が殺到してます」
との報告が入る。ただでさえすぐ混乱する隊列を余計に…致命的に混乱させるような行為に、指揮官は怒り心頭だろう。


 388399: 長。 セバード・C・シェール 2004/01/25 23:59:37

「交通整理ご苦労様、行く先はピクニック会場じゃないでしょう。…と返信してください。どうせ出自も目的もばらばらの艦隊、無理に統率を取ろうとする方がほころびますよ。それぐらいなら目的地だけ指示して後は各個に任せた方が効率がいい」
「なるほど、流石は司令。実戦経験『だけ』は豊富ですもんね」
「…だけ、は余計です」
苦く笑って指示を出す。

「帝国空中艦隊…蒼の旋律第22戦隊、前へ!」


 388411: 映画。 竜弥 2004/01/26 01:27:04

無くなった映画館のはずだった。
裏口が空いているらしいが。
管理人は亡くなったのではなかっただろうか?

「幽霊モノの映画でもやるのかね?」
興味は津々だが中々入り辛いものもある。

彼は躊躇した挙句なんとか前に足を進めた。

 388412: 映画。 竜弥 2004/01/26 01:27:17

上映しているのは過去の歴史についてだった。
興味のあったアースノヴァについて見る事にした。
どうやら、未完のまま管理人は逝ってしまったようだが。

「……しかし映画と言うのは一人で見るモノでもないのだろうが」
愚痴る。

見応えはあった。
懐かしい人や、故人、色々な人を見たような気がした。
これが未完であるのは、残念ではあるが―――――

「ん……もうこんな時間か」
彼はいそいそとその場を後にした。

 388417: 遅滞。 竜弥 2004/01/26 01:52:40

彼は第二隊について行くつもりでもなかった。
まとまりのない部隊に居るほど、死に近い場所はない。
戦場を潜り抜けた勘だった。

だからこうして第1、第二部隊を空から見下ろしていた。
(第1隊はともかく……第二隊は下手すりゃ全滅だな)
それも仕方のない事だが。
急遽作り上げられた軍隊。
中には荒くれた傭兵やら、色々いるのだろう。
そんな連中が軍規を守れるはずもない。

……まあ、俺もその一人なんだが。
このまま加わるのを止め、次の隊で行こう。
そう考えた彼は教皇庁に戻ろうと羽を広げようとした。
矢先の事だった。

 388418: 好機。 竜弥 2004/01/26 01:52:59

彼の後ろを巨大な船が飛んで行った。
(………あれま)
暫し唖然とした彼だったが。
(……あの軍旗……ゼアのか?)
懐かしい旗だ。
良く訓練されているのもわかる。
(そりゃまあ、ここまで残って来たヤツ等だもんなぁ…)
予定を変えた。
あの艦隊に入りこんで、暫くはそこで様子を見よう。
何、あの艦隊を指揮するヤツは、知らないヤツでもないしな。

彼は、あの旗を目指し飛び去った。

 388434: 蛮勇 スパイク〓レアフィス 2004/01/26 02:40:09

「ははっ・・・十字軍とはな。」

男は臨時復活したというメイマイスポーツの記事に一通り目を通して苦笑した。

「遠く昔、異次元の世界での十字軍は神による正義と、そして・・・狂気に彩られていたという。ならば今回の戦。俺は狂気の部分を司るとするか。クックックッ・・・。」

 388435: 続く スパイク〓レアフィス 2004/01/26 02:40:38

男は一通り身支度をすると、ペットの呪竜に跨り、こう言った。

「さて、キミの好きな戦場がまってるよ♪目的地はゼロスパイア本拠地。まずは十字軍の皆さんを探しに行こう♪」

答えるかの如く腐った竜はくぐもった声を出す。瞬間、魔術縫合された竜の腐りかけた翼が開き空高く舞い上がった。腐臭と腐肉を撒き散らしながら呪竜とその主人は戦場へと旅立ったのである。
目的は誰にも分からない。

 388724: 思い出、仕事、次にすべき事 ネヴァモア 2004/01/27 01:32:10

「待て、もっと話を……」

ネヴァモアが引き止める間もなく、
呪々ともう一つの影――彼はその名を知っている
――は姿を消した。

(話を……したかったのだが)

誰もいなくなった部屋で、ネヴァモアはその言葉を飲み込んだ。
今は知己だからと言ってのんびり話している暇は無いのだ。
「フェリアスのあの場所」に足を運ぶ暇も。

「しかし意識を飛ばす事はできる。あの懐かしい映画館に」

ならば後ででもきっと見よう。彼はそう思った。

 388725: 、 ネヴァモア 2004/01/27 01:33:13

「第一軍は無事に進んでいるだろうか?」

彼は行軍中の二隊に思念を飛ばし状況を確認する。
同じアース教徒が率いていればこその芸当である。

アースグリム隊には彼は万全の信頼を置いている。
同じ信仰を有する者ばかりで構成される隊だけに、
その統率に関しては彼は自信があった。
問題はそうでないバケイ隊である。
しかし今の所さしたる問題は無いようだ。
いつの間に手配したのか、リーバ率いる団体が加わっている。
加えて懐かしい蒼き旗の戦艦の姿も見える。
いずれも頼もしい味方であった。

 388726: (終) ネヴァモア 2004/01/27 01:34:09

第一軍が出発したが、ここ教皇庁の仕事は終わる事は無い。
続く第二軍の編成や相変わらず続く訪問者の対応で
ネヴァモアはゆっくりお茶を飲む暇も無かった。
そんな中一心に警護を続けるアズライト司祭と、
走り回って手伝いに奔走するルティウ司祭の存在が
静かな心の支えとなってくれている。

第二軍は教会聖職者四名を中核とする、
暁星十字軍の主力となるであろう軍である。
決して疎かにしたり、不備があったりしてはならないのであって、
いきおい仕事も増えざるを得ないのだった。

そして、他に彼にはやらねばならない事があった。
もっと正確に言えば、会わねばならない男がいた。

 388743: 喧騒にまぎれるように:輔 スケェル 2004/01/27 02:35:38

アース教祖が中心となり進めている十字軍を影から
こっそり見ているる男がいる。

「ふむ、暫く眺めていたがアース教というのは人が神になる事を
目的とする向上を身上としている宗教か・・・面白い宗教じゃないか」

男はその場から立ち去りながら一人つぶやいた。

「しかし、ゼロスパイアのあの力。圧倒的だった。私はアースより、むしろゼロスパイアのような強大な力に惹かれてしまう・・・」

「ゼロアース・・・ネバーランドに嵐をおこしてみろ!楽しみにしているぞ!」


笑みを浮かべながら男はどこかへと走り去った・・・


 388829: 御挨拶 ディヴァイン 2004/01/27 12:00:37

「……〜〜〜!」
忙しい折真っ只中の教皇庁に喧騒が走る
「ぁ〜ぅるさい!俺は今は敵じゃねぇってんだろ!!」
激しい物音は教皇の執務室の方へ向かっている様だ…とその喧騒がぴたりと止む

そして男は扉は開いた

黒い石の肌に浮かぶ暗い金の眼…そして巨大な翼を有する男だった
男はネヴァモアを見るなり少し暗い笑みを浮かべながら口を開いた
「よォ…あんたが教皇さんかい…?お初お目にかかる」

ふてぶてしいほど丁寧な礼をした後にやっと男は名乗った
「俺の名はディヴァイン…あんたは俺を知らなくても俺は草薙から聞いて良く知ってるぜ?」

※今同じ間にある探偵物語の後という時間設定のつもりでおりますご了解を

 388834: 用件:石 ディヴァイン 2004/01/27 12:19:07

執務室にある来客用の椅子に(…あるよね?(ヲイ)勝手に座り込む
「改めて自己紹介をしよう、俺の名はディヴァイン、草薙とは旧知であんたの名前も良く聞いてる…今の所刃を交えた数の方が多いと聞くがな」

「それはともかく、俺はカミサマってのを信じない方でね…当然アース、時には一部のガジュウも信じちゃいないが…今顔をのさばらせている奴は信じる、じない以前だ、あれほど俗っぽい自称カミサマは見ててムカつく…かといって俺も挑んだ事はあったが、あの強さは確かに本物だよなぁ(苦笑)」

「癪だけどよ…俺一人じゃ勝てやしねぇ、あんたの信仰とは相容れそうにないが…奴を討つ為に俺の力をあんたに預けに来た」

 388849: 何か…… パジム 2004/01/27 13:12:25

凄く人違いをされている
ような気がする……
名前はともかくとして……
知己……?ふむ……

 388866: 独想 アースグリム 2004/01/27 15:24:23

白を基調とした私の部隊。黒い僧衣を着ている私は、自分の率いる部隊でありながらどこか異質だった。

私(の肉体の主)がまだシニシャ=クストリッツァと名乗っていた頃、この色をまとうことを心に決めたのはいつだっただろうか。

彼であった頃の記憶から探し出す。

「そうか、その頃だったのか・・・」
「? 何かおっしゃいましたか?」
「いいえ」
思わず声に出てしまっていたらしい。隣りにいた兵士に聞きとがめられ、私は赤面した。
首をかしげながらも追及してこない兵士に感謝しつつ、再び記憶に浸る。

北海大戦。倒れ逝く仲間達の中で、「彼」は一度、我らが聖神を呪った。何故救いの手をさしのべないのか、と。

 388869: 、 アースグリム 2004/01/27 15:42:52

与えられたのは罰。生涯をただ信仰のためだけに捧げる義務。終身刑。

与えられたのは称号。アース教会の「正義」の徳目を司る「七使徒」。聖神を疑い、呪った彼にその称号が与えられたのは皮肉であると同時に、これもまた罰であった。

それから。
「彼」は異端審問の主宰として部下を追放、急進的な神滅派ゲリラに身を投じ世を騒がせていた、北海で死んだ副官の婚約者を捕殺。

国内の治安を預かる者として、またアース騎士として、そして七使徒の一人としての義務を忠実に果たしながらもその魂を荒廃させていく。

そしてついには、死者にしか心を開かなくなった。

その頃から、だった。「彼」が黒しか身にまとわなくなったのは。

 388870: 。 アースグリム 2004/01/27 15:52:36

私自身は、彼の持っていた服を無自覚に着ていたにすぎない。そういったことには、あまり頓着しないからだ。一昨年のベルヌーブ王宮舞踏会では白いケープなども身に付けた。

が。

本当は、どこかで気付いていたのかも知れない。
私は、今日この場で黒を身に付けている。

「戦後」は、まだ終わっていないのだ。「私たち」の中で。

そして今、新たに戦いへと赴く。
この率いている兵士の中の何人が生きて故郷の土を踏めるだろうか。

 388873: そして今また アースグリム 2004/01/27 16:14:24

「・・・花でも供えに行こうか」

いくつかの騒乱が重なったこともあるが、かの国がアース教を捨ててから、アースガルズ大教会から戦没者達の眠る墓地は移転した。国教でなくなってから、国の管理が及ばなくなったためだ。例え国を守った英霊達であろうとも、ひとつの特定の宗教を国が援助をするのはおかしい、という論理からであろう。遺族の思いは察して余りあるが仕方あるまい。
さて。
「そろそろ夜だ。野営の準備に入ろう」

それでも現実は動いていく。私は物思いを中断し、現実に戻った。

 388878: 讃美歌:クラ クラディア 2004/01/27 16:52:09

大聖堂に絶え間無く流れる聖歌を聞きながら、私は手にしていた紙を眺めた

教皇様への謁見の後渡されたそれには、十字軍本体の大まかな構成が書かれている

『医療及輸送部隊』

入軍と共に託された部隊だ
戦闘経験の少ないものや、女性も多く配属になるだろう
必然に重圧を感じる

戦争という場にはふさわしくないかもしれないが、けれど誰一人傷付かず、失わないことを望む
無論、前線に立つ同胞を含めて

「主よ我等に汝の御加護を」

讃美歌が最高潮を迎えるのを後ろに、聖堂を出る

準備することがまだ沢山あった

 388896: ヘルハン郊外にて インフェルノ 2004/01/27 18:56:02

さてさて、ヘルハン城壁は・・・まずは順調に削れていると言えるか
所詮は姫のお遊びの一環、難しく考えることもなかろうが、
この調子ではどれだけ掛かるか分からん・・・(溜息

さて、定時連絡が入ったか?
どれどれ・・・ふむ、メイマイの双女神が動き出したか。
メイマイ王家が没落してからなりを潜めていたものが珍しい。
さすがに他の神の軍勢に占領されるを良しとしなかったのかな?

メイマイから出る事も無かろうから我らが神とは関わり無いと思うが、
とうとう自然神まで聖神の争いに参戦とは、いやはや混迷なるな。

我らが神がまた変な楽しみを思い浮かべぬと良いが・・・

 388903: 続き インフェルノ 2004/01/27 19:10:20

「ゼロスパイアの目標はフーリュン。
 メイマイにて双女神がゼロアース陣営の邪魔を開始。
 ティターンの起動はまもなく。」

手紙の内容はこれで良しと。
新しく買ったピーピーにでもお使いを頼みますかね。

送るのはアース教団に一通、自然神崇拝者のゼディルにも一通か。

さあおいき我がペット、世界の混迷を深めるために。
アース教団とともにある人々にさらに踊って貰う為に。
自然神の崇める人々に踊りに加わってもらうために。

世界には我らが神の飽くなき遊び場であってもらおう。

・・・ウマリーの古代神やネウガードの魔姫まで動かんだろうな?

 388911: 偵察 シリィ・ムーンフレア 2004/01/27 19:18:11

ピルグリムの盟約に基づき、私はメイマイに降り立ったと言われる【ゼロソード】の偵察に向かった。

離れていても禍々しい気を放つ棺桶…

その傍に、対象は居た…
その時、何かを叫んでいた…
「メイフ…スとマ…スティ!
メイ…奴等の邪魔が…たぞ…
急げ…スパイア!
奴隷…うにでもなる。ティ…の起動が先…」

遠くからで良く聞こえなかったが、メイマイ城に何かあったらしい…
事の確認をしようと、私はその場を離れた…

 388915: 双女神の結界:シリィ シリィ・ムーンフレア 2004/01/27 19:28:57

メイマイ王城付近にたどり着いた時、周囲の異変に気がついた。

(何…この気配…神々しくて…なにか、安らげるような…)

木々の隙間から、メイマイ城が見えた…
それは周囲を八本の光の柱に包まれた姿であった。

(なるほど…双女神様が張った結界か。それで連中も焦ってたのね…)
私は、【伝心の宝珠】を取り出し、相棒に連絡した…

 388926: 巡礼の狩人1:レイズ レイズ 2004/01/27 19:48:39

ヘルハンプール・メイマイ・マリアンルージュ・エジュー

四国に現れた4人の邪神…
奴らの情報を集めるため、同胞【銀貨】に協力を頼んだ。

 388927: 巡礼の狩人2:レイズ レイズ 2004/01/27 19:49:09

それぞれに1名派遣され、俺は【エジュー】に降臨した邪神の調査に向かっていた。

プラティセルバ上空に差し掛かったころ、仲間の一人から通信が入った…

『レイズ!メイマイは、双女神様の結界が張られているわ!連中手出しできなくて、苛ついてるみたいよ!』
「わかった、暫く動向を見張ってくれ」

手短に終え、ふと考え込む。
(双女神の結界?双女神まで出てくるということは、連中…)

(まぁいい、ここで考えててもなにも始まらん。何か鍵になる物を見つけられればいいが…)
そして、一路エジューを目指し飛び続けた…

 389012: VOICI VOILA ヘジャーブ・ハセラン 2004/01/27 23:00:40

「あ〜もうヘトヘトよっ」

熱い紅茶の入った真鍮のカップを手に、私は裸足のまま砂の大地にどさりと座り込んだ。
空には青い月が刀のような細い光を落とし、陣地には松明が赤々と灯されている。

砂漠の夜風にゆらゆら揺れる松明の灯りの下、戦士達は簡単な囃し声や手拍子に合わせてフォルクローレを思い思いに踊る。

私は彼らを離れて眺め、左手で素足にまとわりついた砂を払いながら、熱い紅茶を口に運んだ。
腰掛けた砂の冷たさが、踊り疲れて火照った体にはとても心地よい。

夜になると、踊り、騒ぎ、歌う。
アースの紋章が描かれた天幕がなかったら、今で私が旅で連れだった隊商達と何も変わらない夜そのものだ。


 389025: ∴ ヘジャーブ・ハセラン 2004/01/27 23:24:31

だけど、ここは戦場へ向かう旅団なのだ。
天幕から出てきた黒髪の副官の女性、ミリオラーネの凛とした姿を見てようやくそれを思い起こすぐらいにここは暢気そのものだった。

まず旅立ちからして、近くの山へ初めて行く子供の遠足のようであったのだから。


「こらっ!列に戻れと何度言わせるんですか!」
顔を赤くして、列を整えようと走り回る隊長の姿を横目に、私は欠伸を噛み殺しながら訓戒を待っていた。
先頭の列の乱れを直そうと走れば、最後尾の列が広がり、それを直そうと最後尾に走れば先頭がトイレに行ったきり戻ってこなかったり。
ひたすら整列の為に往復し続けるその姿は、本人が大真面目な分笑いを誘った。

 389032: 行軍:ミリオラーネ ミリオラーネ 2004/01/27 23:57:38

いくら、急編成とはいえ、ここまで乱れるとは。
烏合の衆状態ではいざとなった時が不安であるな。

宿営のたびに訓練することを上申したほうがいいのであろうか?
もっとも、この状態では、通常の訓練ではなく、いわゆる競技会的なイベントを通して、楽しみながらまとまることを学ぶと行ったことから始めねばならぬかもしれぬが。
前途は多難かもしれぬが、一歩一歩進んでいくしかあるまいな。

さてと、バケイ殿の統率の手伝いを致すとしよう。

 389039: ∴ ヘジャーブ・ハセラン 2004/01/28 00:15:43

「・・・なあ、あんた踊り子なんだって?」
トーガをまとった兵士の一人が小声で話しかけてくる。
「そうだよ?なんなら今ちょっと踊って見せようか?」

客の興味には答えてやるのがこの商売でもあったし、整列を開始してから15分以上も経過している。私の暇潰しでもあった。

肩に掛けた織布を空へひらり。

酒場で戦場に向かう兵士の為に踊った曲を小さく口ずさみ、ステップの足音でリズムをとる。

神が言葉で戦への加護を与えるのならば、こうして兵士に勇気を与えるのが私だ。

かくして、教皇猊下の登場にも気づかず踊り続けた私に、本日最大の雷が落ちたのであった。

 389111: 戦闘開始 ブロウ 2004/01/28 05:00:09

ふっくらとした身を浮かべる三日月。
月は満月へと成熟してゆく。
時は、着々と進んでゆく。

信仰厚く、その心は折れることなく。
十字の旗をなびかせる軍勢は衰えることなく進軍してゆく。
それは神に代わりこの世の混沌を切り裂く剣のごとく。

その剣の剣先に一片の羽が舞う。
羽は剣先を逸らす為にとひらひらと。


 389112: 対戦艦 ブロウ 2004/01/28 05:00:51

この雲の先には旗艦が、その下には数多の兵が、進軍をしている。
その軍勢の進路の先、上空に一片の影。


その影はふと、左手を目の前に突き出しその手を握る。
握った手を回転させ拳を縦にする。拳の先は迫り来る戦艦群へと向けられている。
すると虚空を握っていたはずの左手から光と共に三日月状の弓が現れ、同時に右手には光の矢が握られていた。

迷うことなく矢を放つ。
幾多もの矢を放つ。
光の矢は、ただ貫く為だけに飛んでゆく。


 389113: 対地上軍 ブロウ 2004/01/28 05:01:15

大地を進む行軍。
空から見ればそれはまるで大地を這う大蛇の様。
大蛇は土煙をあげ、その牙を突き立てんとうねり進む。

大蛇の進路の先、同じく1匹の大蛇。
それはまるで鏡で移したような、それはまるで生き写しのように、全く同じ大きさの大蛇。
だが、大蛇は動くことなく大地にその身を委ねる。

呼吸すらなく、命すらなく。
しかし明確な意思を持ち、そこに存在する大蛇。
敵意を放ち進む大蛇に毒を打ち込まんと、牙を研ぐ。


その上空、幾多もの光が弧を描く。
大蛇はそれでも身動き一つせず・・・ただ存在する。


 389244: 第三の男:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/28 16:08:24

「・・・というわけで、
我が隊にリーバ氏の率いる部隊が合流する事になりました」
バケイは長い説明を終え、隊員の様子をうかがった。
野営第2夜の天幕。隊員達は一様に黙っている。
「何か質問は?」
バケイは普段とあまりに違う反応をする隊員達に、とまどいを覚えた。
「隊長、いいですか?」
「なんだい?ハセラン」
彼女は立ち上がり、バケイにゆっくり話し始める。
「リーバさんは大陸でも有名な傭兵だし、経験もたくさんある。
 人柄も悪くないと思うわ。 
 だけど私はマリアン国民なの。言ってる意味がわかるかしら?」
バケイの予感は的中していた。
彼女がそんな反応をするのも仕方のない事だ。

 389245: ・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/28 16:08:53

「ハセラン。貴女の言いたい事は良く解ります」
「いいえ、隊長!わかってないわ!」

彼女は語りはじめた。あの日の事を。
それは私も良く知っている出来事だった。
戦争、混乱、すれ違い。
運命のささいなイタズラが人々をもてあそび、翻弄した・・・・

「あなたが隊長だというなら、
 私の気持ちを抑えてまでリーバさんと
 一緒に戦わなきゃ行けない理由を教えて欲しいの」
彼女の目にはうっすら涙が浮かんでいるように見えた。
バケイは意を決し、ゆっくりと話し始めた。

 389246: ・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/28 16:09:27

「ハセラン、私たちは過去に向かってるんじゃない。
 未来に行軍しているんだ。
 私は貴女の気持ちが良く解るし、だから抑えろ、なんて言えない。
 でも、未来への切符は希望でしか買えないんだ。
 少しずつでいい。希望を集めて欲しいんだ・・・・」
「よう!バケイ君。面白そうだから来てみたぞ!」
リーバは天幕に入るなり陽気さ全開でバケイに声を掛けた。
バケイは思った。間が悪過ぎです、リーバ様・・・・

 389247: ・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/28 16:15:03

「いよう!オレの名前はリーバ。傭兵稼業だ。仲良くしてくれ!」
「副官・・・」
「何か?」
「なぜ知らせてくれなかったんですか!」
「予定より相当早いですね。かなり急いだのでは?」
バケイはちらっと外を見る。
荒い息をした馬がごくごくと水を飲んでいた。
「いやあ、思わず急いで来てしまった」
リーバが頭をかきながら、屈託ない笑顔で二人に話しかける。
「後の連中は遅れてやってくる。バケイ君、メシはどこだ?」
バケイは少しめまいを覚えながら、副官に声を掛ける。
「うう。胃が・・・・少し休みます。後は頼みましたよ」
「はっ」
「おっ。大変だな。後で見舞いに行くよ」

 389296: 枢機卿と呼ばれた男 レヴィル 2004/01/28 20:22:39

 ――蒼天に、聖なる神の御旗がそよぐ。

 教皇への面会を求める人間たちが長蛇の列を成す、教会の右手側。ちょっとした広場然とした敷地に、白い僧衣の集団が居並んでいた。
 その総数は三十人余り。おそらくはこれよりゼロスパイア討伐の任を受けるであろうその集団は、軍勢と呼ぶには到底忍びない小規模なものだった。

 だが、特記すべきはその面々の風体である。この大陸においてなお異形と目されるその出で立ちは、誰もが皆身体の一部を機械化し、その体躯を聖職者の衣装で包んでいるといったものだったからだ。各々の手にした得物が擦れ合う金属音と共に、機械の駆動音が鳴り響く。

 389297: 勘違いしたまま突っ走ると レヴィル 2004/01/28 20:24:22

「……枢機卿」

 広場の片隅、教会の壁に背を預け腕を組んでいた男に声がかかる。半人半機の集団を見やる男が視線を動かすと、彼の傍らに長髪の青年が立っていた。魔力増強のための脳改造を施された名残である、前頭部を覆うヘルメットが陽光に煌く。

「何か、問題でも起きたか?」
「いえ、状況はいたって平静です。これならば本日中には兵装を終え、出立までこぎつけるでしょう。……声をかけさせていただいたのは、個人的な興味からです。卿、本日は獣人の姿を取られていないのですね」

 言われた男――レヴィルは短く応えると、青年に聞かせるつもりがあるのか無いのか、さも面倒臭そうに言葉を紡ぎ始めた。

 389298: とんでもないことをする、という レヴィル 2004/01/28 20:26:03

「先日オレが教会に詰めている時、異界の魂が現れた」
「誰が何と言おうが、アレ等は本来この世界にあるまじき異分子。処分されたので?」
「最初は、そのつもりだった。だがその時のヤツは、異界の魂としての力を何一つ持たない脆弱な民だった」

 レヴィルが、視線を空へと移す。

「その時の会話で初めて知ったのだが、異世界チキュウにも我等と同じ肉体を機械化した者――改造人間が存在するらしい。その多くは望まずして施術され、その身を異形へと変えられたらしい」
「……何と、惨い」
「だがその者たちは人に非ずして人の心を捨てず、正義と人間のために戦い続けているというのだ。……正直、感銘を受けた」

 389299: 良い好例 レヴィル 2004/01/28 20:26:34

「素晴らしいことです。我々もかくありたいですね」
「そうだ。そして異界の改造技術は、どうやらこちらよりも数段優れているらしい。日頃は常人形態で余分な消費を押さえ、いざ有事とならば戦闘形態へと移行してこれを撃滅する。実に、理に叶っている」

 あぁそれで、と青年は得心する。先日この枢機卿なる男が強化のための再改造を受けたと耳に挟んでいたのだが、その結果がどうもこの常人形態らしい。

「音声認識と姿勢制御による安全装置解除。惜しむらくは不意を討たれた際には対応が遅れるといった難点があるが、利点はその不利を補って余りある」

 389301: 落ち着け、オレ。 レヴィル 2004/01/28 20:28:21

 そしてレヴィルは己の僧衣を――彼の他には一人しか着る者のいない黒い装束の前を開いて見せた。アンダーウェア代わりの衣服の上に、見慣れないモノがある。

「そして安全装置解除には、こういったベルト型が最適らしい。『カードや携帯は論外。できれば風車、それが不可なら石が必須』とか言っていたな。様式美なのだそうだ」

 前を閉じ、再び腕を組んで空を睨む。

 空は高く、今日もよく晴れている。遠く蠢く戦火はあれど、今この場だけは平穏だった――。

 389340: 空。 竜弥 2004/01/28 23:27:31

綺麗な月じゃねぇか……。

ゼア艦隊ブリッジ。
旧友を迎えるが如く、歓迎してもらえた。
(元は敵同士だったんだがな……不思議なもんだ)
煙草を吹かしながら窓から見える三日月を見ていた。

「久しぶりですね、ルネージュであった以来ですか?」
近づいて来たのはこの艦隊の司令官。
「あー……そうだったな」


確かあの時は病気してたんだったか?
「一時は寝たきりじゃなかったっけか?」
彼は苦笑いを浮かべ
「寝てる場合でもないでしょう」
御互い、笑いあった。

 389341: 動き 竜弥 2004/01/28 23:28:13


月が光った。

何処かで爆発音が聞こえた。

「司令!!護衛艦が!!」

被害は甚大だったらしいが、どうにか墜落は免れたらしい。
しかし相変わらず謎の光りは飛んで来る。
「敵の居場所は何処だ?」
セバードの問い掛けに兵士は
「そ、それが……未だ計算しきれておりません」
「突然の攻撃、まあ動揺もありますか」
彼は一呼吸置く。
「急いで割り出しなさい」

 389342: 月 竜弥 2004/01/28 23:29:06


空中戦か。
光りは時に当りはするものの致命的とまでは言えない。
まあ、当り所が悪ければ別なんだろうが。
「クソッ、割り出しが効かない!!」
喚いたのは計測班の1人だった。
「司令駄目です、正確な割り出しが効きません。攻撃ポイントを変えつつ攻撃してきています」
「参りましたね」
溜息と共に彼は艦長の席に腰掛ける。
「セバやん、俺が出る、敵を叩いて来る」

 389343: 光り 竜弥 2004/01/28 23:29:32

艦隊の【出口】。
地上ならここにタラップでもかかるのだろうが
今は空けたら空へダイブ。

「いいですか?数が多かったら無理せず引き返してください。援軍は要請しておきますので」
「わかってるさ」
セバードが【出口】から距離を置いたのを確認し、ドアを開いた。

空に投げ出される形になった竜弥は、羽を開き、空中での姿勢を整えた。
「序戦か」

艦隊から離れ、彼は光の飛んで来る方向に飛び去った。

 389353: それぞれの任務 ネヴァモア 2004/01/29 00:12:34

メイマイへの双女神の降臨の知らせは
当然の事ながらネヴァモアにも伝わっていた。
いや、伝えられるまでもなく、彼は感じていた。

(自然神が我等に味方するか。
 前のシルフィードの件といい、
 自然神も少しずつ変わりつつあるのかもしれない)

ネヴァモアは基本的に自然神は好かない。
彼の思想は人間中心主義であり、
神もまた人間が進化した存在であると説く。
この立場からすれば自然神などは得体の知れぬ
有象無象の妖怪変化、怪力乱神に過ぎない。
まして自然神の元締めとも言うべき宇宙の意志ネクストが
人間の排除を望んでいるのであれば尚更である。

 389354: 、 ネヴァモア 2004/01/29 00:13:22

しかしそれが人間の味方をするのであれば、
その事自体は彼にとって肯定すべき事であった。
彼にとって自然神とは、人間との間の有用性の問題
――使えるか、否か――で判断されるべき存在なのだ。

それはともかく、メイマイは危機を脱したようだと判断し、
ネヴァモアは一先ず胸を撫で下ろした。
その分戦力を他所に集中できるのは有難かったし、
かつて暮らした国が破壊されていくのは気分の良いものではない。

と、そこへ緊急の連絡が舞い込んできた。

「第一軍が行軍途中で戦闘開始。
 敵は……巨大な蛇?
 ゼロスパイアの同調者によるものと推測されます」

 389355: (終) ネヴァモア 2004/01/29 00:14:19

「フン、偽神に仕える輩も多いらしい。
 この程度の相手に苦戦するならば、
 到底偽神打倒など果たせない。
 第一軍には予定通りの行軍を」

命令ではなく、連絡を受けての返事のようなものである。
既に手元を離れた軍に細かい指図をする訳にもいかない。
指図せずとも上手くやってくれると信ずるからこそ、
アースグリム、バケイ両名に隊を委ねたのである。

「各人が己の任務を全うする。それで良い。
 私には私しかできない任務を。
 レヴィル枢機卿、ルティウ司祭、アズライト司祭をここに」

伝令の者に新たな命令を伝えると、
ネヴァモアは外套を手に取った。

 389481: 夜戦 シンクレア 2004/01/29 18:19:13

「…なんだ?」

…何かが居る。
俺達ではない、何かが。

夜の闇は、佇む者に自分以外の何かがいるような錯覚を覚えさせる。
それは暗闇という、見通しの利かない状況によってヒトの心が呼び出す
恐怖心の表れだ。

しかし、この圧迫感を伴った違和感は錯覚によるものには思えなかった。
まして、これほどの人数で行軍している状況でそんなものを感じるわけはない。

恐怖というよりも、まるで、未知の遺跡の深層に潜っている時のような感覚…

 389482: 2 シンクレア 2004/01/29 18:19:40

その奇妙な感覚の正体は、頭上の戦艦の一隻からの爆光と爆音で明らかとなった。

「攻撃されている!?ゼロスパイアの…」

手の者が来たのか、と、最後まで言葉を続ける事が出来なかった。
切った言葉の代わりにとっさに地に伏せ、冷たい地面に強かに顔を打ちつける。

次の瞬間、巨大な何かが頭上を横切り、周囲に居た何人かの戦士が…
もはや下半身しか残っていなかったが…崩れ落ちる。

土のついた顔を上げると、そこには小山ほどの巨体の大蛇が尾をなびかせ
鎌首を持ち上げたところだった。

 389529: 他人喋らせるのは難しいんですよねぇ(´┐`) シュアリー 2004/01/29 22:17:44

なかなかに楽しい行軍ではあった。
踊り子の踊りは何度見ても飽きなかったし、整えても整えても乱れる隊列を必死に指揮しようとする隊長の姿はなんだか健気ですらあった。

だが。

(・・・尾行が、俺の『領域』内だけでも4組。単独で行動している一人は素人なんだろうが、後は)
どこかの国なり団体なりの諜報機関なのだろう。かなりの訓練を積んでいなければ、ここまでは動けまい。
実際、隊のうち自分以外は尾行に気づいた様子はない。
・・・もっとも、自分と同じように気づかぬふりをしているだけなのかもしれないが。

 389530: ・ シュアリー 2004/01/29 22:19:46

各地にはゼロアースの使徒が次々に現れ、それに対抗するように自然神が。
上で動いているのは『帝国』の艦だそうだ。

『ゼロ』を中心にして世界が動いている。
否応無しに、それを実感させられる旅路だった。





昨夜の事を思い出していた。
野営第2夜。隊長の口から告げられたのは、隊にリーバ氏の傭兵部隊が加わるという事だった。

俺の故郷は過去に数度、呪竜によって滅びかけた。
城は崩れ、多くの人が、同胞が傷つき、死んだ。

死んだのに、



昨日は、何故感じなかったのか。何も。

 389531: 空間を把握する能力。 シュアリー 2004/01/29 22:24:27

展開していた『領域』内に何かを捕らえたのを感じて、意識は夢想から一瞬で現実へと戻った。

少々距離があるが、確かにいる。
ある、といった方が正解なのかもしれない。それには呼吸も無ければ動きもなかった。
だが、この形状と大きさは・・・。
一応万一に備えて、周りにも伝えておこうと口を開く。

「・・・3kmほど先に、何かありますね。気をつけておいた方がいいかもしれません。」
「3km先ぃ?なんでンなことわかんだよ?」
訊いてきたのは傭兵風の男だったが、
「信じるかどうかは、まぁご自由に。気のせいかもしれませんしね。」
質問には答えずに応えた。



どこの馬鹿が自分の能力をベラベラ喋るというのか。

 389532: 攻撃。 シュアリー 2004/01/29 22:25:47

落ちかけていた陽が完全に消え、辺りには砂塵だけが、微かに白い光を帯びていた。
そろそろ今日の行軍を終わりにしようかという雰囲気が、誰ともなく広がり始めた頃だった。


「…なんだ?」
殺気ともつかない圧迫感に誰もが気づき始め、


(すぐ前に・・・さっきのだな。上にも攻撃がいったか)

頭上からの爆音と激しい光。
驚きの声をあげて頭上を見上げる仲間達へ、隊の後方にいた自分は後ろへと跳びながら叫んだ。
「伏せろ!いいから早く!」

目の前を突風が掠め、いくつかの低めの音が響いた。肉と骨が千切れ飛ぶ音。

 389534: ・ シュアリー 2004/01/29 22:27:02

再びの暗黒と静寂に響くのは、いくつかの呻き声だった。


(闇に乗じて・・・か。)

無視界戦闘に、自分以外一体何人が耐え得るのか。




自分の少し右後方に、さっきの男の上半身が寝ている。


彼の血が冷めていくのがわかった。

己の血が醒めていくのがわかった。

 389539: 遅れ気味に:ヴェルン フロ−ヴェル 2004/01/29 22:44:14

「さて・・・友軍は無事・・・ですかね・・・?」

リーバ殿の要請に遅れ気味ながらも、ようやく到着する。

「まあ・・・そう簡単にやられる人達でもないでしょうし・・・」

相手が相手だから厳しい戦いになっているかもしれない。

「バケイ隊のほうに・・・合流するか」

 389542: 冷たい行軍:ミリオラーネ ミリオラーネ 2004/01/29 22:49:41

リーバ殿の傭兵団と共に進む行軍が始まった。
しかし、ギクシャクしているところはどうしてもあらわれてしまっている。

かくいう私自身がリーバ殿に隔意がある。
はじめて参加した領主会議の場で共に全力を尽くそうと誓いあった神谷殿の治めていたマリアンルージュを占領した方と言う思いが強い。
時折、自制が効かずに冷たい視線をリーバ殿やその傭兵団にぶつけてしまう。
そういった冷え切った雰囲気にバケイ司祭は、どう対処すべきか苦慮してしまっているようだ。
申し訳ないと思いつつも、感情を抑えきることも出来ぬ。

 389546: 敵襲:ミリオラーネ ミリオラーネ 2004/01/29 22:58:42

そういった冷たい雰囲気の中で敵襲が行われた。

膨れ上がる殺気に気づき、とっさに身を伏せたものの、それだけでどうなるものでもない。
反撃をするにも相手の戦力を把握せねばならぬ。
身を伏せたままでは、その戦力把握も難しい。

傭兵部隊は早速応戦をはじめたようだ。
己の無力さを噛み締めながら、叫んだ。

「できるだけ身を守りつつ、応戦せよ。
状況把握が不十分で、同士討ちをしかねない状態の者は身を伏せているように。
仲間を惑わせないのも立派な部隊への貢献だ」
我ながら情けない内容ではあるが、最善を図りたいゆえのことだ。

そうしておきながら、応戦の構えに入った。

 389556: 被弾。 セバード・C・シェール 2004/01/29 23:36:49

「殿艦が喰われました!オンスロゥ被弾、大破脱落!」
「数少ない残存艦を…!」
かつての戦争以来、細々と維持再建してきた貴重な艦艇が、伏兵に喰われた。オンスロゥには後退を指示するが、修理補修担当のサービス部隊まで持つかどうか…怪しい。

O級直援艦、残るオベロン、オファ、オリビの3隻が警戒態勢に移る。
だが、敵はこちらの索敵システムに中々引っかからない。
そういう敵には無差別爆撃によるあぶり出しと絨毯爆撃での殲滅が常套手段だが…今、地上には混乱しやすい「友軍」がいる。下手をしたら致命的な混乱…同士討ちを生みかねない。


 389558: ・ セバード・C・シェール 2004/01/29 23:38:14

「セバやん、俺が出る」
どう対処するか思案していると、先刻艦橋に招き入れた旧友が出撃すると言い出した。
「…よろしいのですか?正体不明の敵兵により地上は混乱しています。下手をすれば味方に撃たれますよ。単独で戦果を上げる、という点で貴方と敵は同一です」
「で、他に手はあるのかい?」
…たしかに、彼のいう手が上策であることはわかる…が…
仕方が無い。大体、願っても無い話ではないか…私の利益にかなう。この、感情を除いては。


船底のエアロックにアラームが鳴り響く。航行中の開閉誤作動を防止するための仕掛けだが…手動で解除。


 389560: …ま、たまには人に頼りましょう。 セバード・C・シェール 2004/01/29 23:41:53

「いいですか?数が多かったら無理せず引き返してください。援軍は要請しておきますので」
「わかってるさ」
そういうと、彼は空へと身を躍らせた。そのまま、小さくなり視界から消える。
「…やれやれ。羨ましい」
いろんな意味で、そう思う。今の自分も恵まれているとは思うのだが。
(人の持っているものは良く見えるっていう、アレですかね?私もさもしくなったものです)
「さて…援護です。降下中を狙わせるわけにはいきません…オベロンの展開している煙幕に霊子チャフを混入、敵のカンを混乱。オファ、オリビは本艦とヴァンガードの周囲を引き続き警戒…敵がこれっきりだと思わないように。じきに本命が来ます」

 389561: ・ セバード・C・シェール 2004/01/29 23:43:20

ズキズキ、と傷がうずく。寝たきりだった代償はそれなりに大きかった。
(…ま、そのぐらいは)
大きなものを失い、かつての失せものを獲得した代償でもある。
…まだ序盤戦に過ぎない。手配した増援だけでは足りなくなる可能性もある。
(あまりつぎ込みすぎても問題なんですが…戦う以上、手抜きはできませんから)
やれやれ。いつの間にかついていた苦笑癖。

「さて…呪龍のリーバ卿に教会の第2軍、第3軍もいるようですが…敵には正体不明のティターン…どうなりますやら」
双方のカードはまだ伏せられたまま。切り札はどちらの手にあるのだろうか。

 389569: コッソリと・・・ ツクモ 2004/01/30 00:36:30

「やあやあ、シンクさんお久しぶりですな〜。元気してました?」

夜戦の混乱に乗じてシンクレアさんの所まで辿り付いた私は、にこやかな笑顔を浮かべて、彼の所に近付く。
・・・しかし、私の笑顔に何か不吉なもの感じるのか、彼は警戒心剥き出しな態度を見せる。

「おっと、勘違いしないで下さいな。別にゼロの味方をする訳ではないですぞ?ただ・・・本番で使う前にコイツ等のテストしておこうと思いましてな」

 389572: ・ ツクモ 2004/01/30 00:38:42

言って一礼し、一歩右に移動する。自分の背後に居るものを見せるためだ。
背後に居るのは、夜の闇と同じ色をした鎧を身に纏い、その手に巨大な剣を持った巨人。私の野望の成果の一つ。

「フェフェフェ、こいつは『闇騎兵』・・・北海で引き上げた書を元に、私が作り上げた魔導兵の記念すべき試作第一号ですよ」

あ〜・・・ここまで完成させるのに苦労したな〜。何度実験に失敗した事か・・・しかし、それも今日報われる。
私はシンクさんに向き直るとにこやかに、そして一方的に告げる。

「さて、それでは少々テストに協力して下さいな?フェフェフェ」

フェフェ・・・実戦訓練開始だ。

 389575: 参陣:卜 塚原卜伝 2004/01/30 00:44:57

「参ったで御座るな・・」

バケイ隊を追って数日、男はそう呟いた。
身なりは羽織袴に大刀、見るからに浪人と思える。

「そろそろ追い着くはずだが・・・!」

血と硝煙の匂い、戦場で馴れた匂い。
耳を澄ませば怒号悲鳴も聞こえてくる。

「あそこか。」

そう呟き、駆ける男に迷いは無かった。

 389582: 遠き地から、祈る ルティウ 2004/01/30 01:00:41

僅かに空いた時間を縫って、久しぶりに書庫に来て見る。
教義はほぼ毎日見ているけど、
過去の資料といったモノは時々しか目を通さないから……

いつもならすぐに読み耽ってしまうのだけど、
流石に今回はそうは行かなかった。

連絡だけは聞いている……
第一軍が既に何者かと戦闘状態にあること。

どうかご無事で……

こう遠く離れて居ては、祈ることくらいしか出来なくて。
まぁ、ぼくの場合はその場に居てもあまり役に立たないのだけど。

 389583: 案じる各地の状況 ルティウ 2004/01/30 01:02:20

ふぅっと息を吐いて、見聞きした情報を頭に浮かべてみる。

「……メイマイはご無事で何よりでしたけど……」

自然神の加護。話に聞いた時は正直驚いたのだけど、
実際に人間を守ってくれている……

そして、攻撃先は変わってフーリュンへ。
今の所は大きな被害にはなっていない様だけど……

「フーリュンもご無事だと良いのですが……」

瓦礫の山も血の海も、もう見たくない。
あんな光景を作り出してしまう行為に、何の意味を見出すのだろう?
見つけられるのは悲しみや後悔ばかり。

消えた筈の印が疼いた気がして、顔を顰めた。

 389584: あの方は、 ルティウ 2004/01/30 01:03:34

「……ルティウ司祭、猊下がお呼びですよ」

「……ぼくを、ですか?わかりました。すぐに伺います」

伝令の方にお礼を言ってから、早足で書庫を出る。

真っ直ぐに執務室へ向かい、
少し緊張しながら扉を軽く叩いた。

「ええっと……司祭、ルティウです。お呼びと伺いまして、参りました」

開かれた扉の向こう……

外套を手にされたネヴァモア様を見て、わかった。

あぁ、あの方に……会いに行かれるのだ、と。

 389650: 眼上の敵:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 03:58:59

陽はフェリアスの海に落ちようとしていた。
隊列はフェリアス近郊で補給部隊との会合を目指し、街道を南に進む。
バケイは隊員達の間を飛び回り、盛んに会話を試みていた。
「ハセラン、明日には補給部隊と合流できるんだ。
 そしたらみんなでリーバの歓迎会をしましょう!
 とっておきのムロマチ酒があるんですよ。美味しいですよ!」
「・・・・どうぞ勝手に」
いつもは陽気な彼女がバケイを冷たくあしらう。
「副官、君も参加しますよね?」
「・・・・ご命令ならば」
手元の手帳から目を離さず、ミリオラーネはつぶやく。
「あははは。と、兎に角みんな来て下さい。ね!」
無理な陽気さが痛々しい。

 389652: ・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 03:59:29

「よお、隊長!」
リーバが自慢の愛馬でバケイに近寄る。
「ああ、丁度リーバの話をしていたところです。
 明日、歓迎会をしようと・・・・」
話を遮り、リーバはバケイに言った。
「どうもおかしい」
「?」
「斥候に仲間をやったんだが、さっぱり帰ってこないんだ」
「ふむ・・・・
 副官、直ちに隊列を止めて下さい。
 それと、シンクレアとシュアリーに出頭するよう伝令を。
 艦隊にも注意の連絡をして下さい」
「はっ」
リーバは馬上から降り、バケイに近づいた。
「これはオレのカンだが。どうも一波乱あるようだ」
「まずいですね・・・・陽が暮れかかっている」

 389655: ・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 03:59:58

薄暮戦闘は攻撃側に圧倒的。兵法の常識だ。
おまけにこちらは統制のとれない隊列。
深縦攻撃を受ければ、ひとたまりもない・・・・
「とりあえず仲間の中で腕の立つヤツを再度斥候に出した」
「解りました。あと、何名か正面で横隊を組み、警戒させて下さい」
「了解っ!ほーら、楽しくなってきたぞ!」
馬上にひらりと戻ると、リーバはたちまち駆けだした。
「隊長、シンクレアとシュアリーを出頭させました」
「ありがとう」
バケイは二人の顔を眺めた。
どうやらリーバのカンは当たっていたようだ。

 389657: ・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 04:00:50

「どうやら事態は解っているようですね」
「ああ、隊長も」
シンクレアが静かにつぶやく。
「決断は早めにされた方がいいですね」
シュアリーはバケイの眼を見据えていった。
「すぐに持ち場へ。副官、隊に接敵警報。戦闘準備を。
 加えて艦隊に支援準備要請」
「はっ!」
うす闇の中、ミリオラーネは駆けだした。
すでに視界はかなり無くなっている。
この状態でリーバの機転がなかったら、大変な事になっていただろう。
バケイは彼の傭兵経験を改めて実感した。

 389658: ・・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 04:01:25

その時だった。
「攻撃されている!?ゼロスパイアの…」
シンクレアが叫んでいる。
凄まじい爆音と共に巨大な竜、いや蛇が現れ、
隊伍に襲いかかってきた。
「くっ!来たかッ!」
バケイはミリオラーネに指示を出す。
「頭上の艦隊に連絡!火力支援要請!攻撃座標は自由!」
信号灯が慌ただしく点滅する。
「できるだけ身を守りつつ、応戦せよ。
 状況把握が不十分で、同士討ちをしかねない状態の者は
 身を伏せているように。
 仲間を惑わせないのも立派な部隊への貢献だ!」
私の意図を察したミリオラーネが隊員達に檄を飛ばす。
隊にとって初めての戦闘だ。
「ここが命の捨て所ですね・・・」

バケイは小さく呟いた。

 389659: ・・・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 04:01:56

頭上の艦隊から曳光弾が上がる。
ぱっ、と広がる光に照らし出された蛇。
肌は黒々とつや光りし、その目は燃えさかる炎のように真っ赤だ。
隊員達はそれぞれの武器や魔法で果敢に敵に挑む。
その瞬間だった。

「なんと・・・ッ!」
頭上の戦闘艦に蛇が襲いかかったかと思うと、
息をのむまもなく激しい炎と煙を吹き出した。
艦隊行動から離脱し、転針する艦。
「一撃でこの破壊力か・・・・・」
双眼鏡にその光景を映しながら、バケイは呟いた。
「隊長!」
リーバがバケイに近づく。

 389660: ・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 04:02:22

「何とも楽しい敵だな!バケイ君に感謝しないと」
噴き出る汗を拭いながら、リーバは実に楽しそうに言う。
バケイは少し唖然とした。
「このまま楽しみたいんだが、それじゃあダメだろうな」
くくくっ、と低く笑いながらバケイを振り向くリーバ。
「でだ。こいつはフローヴェル。オレの仲間だ。
 少し遅刻しやがったんだが、面白いものを見つけたんだ」
「これを見て下さい・・・・」
フローヴェルは黒い塊をバケイに見せた。
「これは?」
「ヤツの目玉に矢を放ってみたんです。
 するとこんなものを眼から落としたんです」
「ふむ・・・何かの魔法触媒のようですね」
「それは『燃油』の塊だわ」
「ハセラン!?」

 389661: ・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 04:03:52

バケイたちが振り返ると、ハセランが微笑みながら立っていた。
「今はほとんど見ないけど、昔は大陸のあちこちで見かけたそうよ」
リーバがハセランに近づく。
「なんで知ってる?」
「儀式の踊りなんかで、よく香と一緒に焚くのよ。
 魔法触媒としては効果も悪いし、
 数も少ないから普通の人は知らないだろうけど」
「そうだとして、なぜヤツの目玉から?」
「恐らく古代の呪術で動いてるからだと思うわ。
 そんな危なっかしいものでモンスターを作る人は
 そういないでしょうからね」
「ハセラン、どういう意味だい?」
バケイは口を開いた。

 389662: ・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 04:04:16

「爆発するのよ。
 一定の温度になったら、よく燃えるようになるの」
「なるほど・・・隊長。これで決まりだな」
リーバが再びバケイに近づく。
「オレが囮になってヤツをおびき寄せる。
 そこに上と下から目玉を一斉攻撃。
 上手く行ったら今日はお開きにして、ゆっくり寝ようや」
「リーバさん、何を言いってるか解ってるの!?」
黙って聞いていたミリオラーネが突然声を上げた。
「上手く誘導するためには蛇の懐に飛び込んで、
 後退しながら攻撃しなければいけないのよ。
 危険すぎる!」
「ミリオラーネさん、久しぶりだな」
「冗談を言ってる場合じゃないわ!」

 389663: ・・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 04:04:47

ミリオラーネがリーバに詰め寄る。
「そういう役目は私がするわ。あなただと・・・・」
「副官!」
バケイの鋭い声が飛び、ミリオラーネは口をつぐんだ。
リーバはきょとんとした後、頭をかきながらゆっくりと話し始める。
「まあ、あんたがオレを信用できないのはよくわかるよ。
 踊り子のあんたもそうらしいね?」
ハセランがリーバをにらみつける。
「こんな状態だから手短に言おう。
 今はオレを信用しなくていい。
 だが、これはオレが適任だ。だからオレがやる。それだけだ。
 なあ、隊長?」
「リーバの言うとおりですね・・・・」
「隊長!?」
ハセランとミリオラーネは同時に叫んだ。

 389665: ・・・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/01/30 04:06:36

「リーバ様の技量があれば可能でしょう。
 危険ですが御願いできますか?」
「なーに。簡単だよ。じゃあ、ちょっと行ってくる」
リーバは馬にまたがると近くにいた傭兵数人を連れ、その場を離れた。
「隊長!」
ミリオラーネがバケイに詰め寄った。
「言いたい事は解りますよ」
「だったら・・・・」
「私はいつも思うんです。
 人に信頼されるって、人を信頼する事じゃないかって。
 私はあなた達も信頼します。ですがリーバも信頼したいのです」
「隊長・・・・」
「今は賭けましょう。リーバに」


闇に輝く巨大な蛇はさらに凶暴な牙を剥く。
だが、夜の下、星はまだ瞬いていた。

 389671: 観測球からの傍観:パジム パジム 2004/01/30 04:30:38

静かな駐屯地の兵舎の
堅い木の椅子に腰掛けた翼ある娘が、
手元に浮かんだ水晶球を眺めて
ぽつりと、つぶやく。

「また蛇が出現したのか……。
前は夏の頃じゃなかったかな。
どうなるんだろう。大変なことに
ならなければいいけれど。
……そういえば、君も変なのよね。
最初、音符の形してなかったっけ?
使い魔だと思ってたんだけど、、、うーん。
もうそろそろ朝が来るわね。
一日の始まりかしら。
明日も見届けましょう」

 389675: 実験対象 シンクレア 2004/01/30 04:40:03

「闇騎兵…炎騎兵の技術を応用したのか?」

隊長達の後を追い、大蛇のほうに接敵しようとした矢先。

思わぬところで、思わぬ相手との再会…などと呑気な事を言っていられるほど
余裕のある状況ではなかったが、彼の連れてきた代物からは
かつてアースノヴァの先兵として猛威を振るったものの面影が見えた。

しかし、こんなものを十字軍の何処に潜ませていたんだろう。
…そもそも、彼は十字軍に加わっていたのだろうか。

「まあ、機能のごたくはいい。戦わせられるんなら喋ってないで、
早いところあの蛇にぶつけてくれ!」

 389676: 2 シンクレア 2004/01/30 04:44:24

疑問符を消して、前方で猛威を振るう大蛇に向き直ろうとするが
周囲の阿鼻叫喚に関わらず、相変わらず真意が読みにくい笑顔を
浮かべたままの彼を見て一歩距離を取る。

十字軍に加わっていたんでなく、最初からこの闇に潜んで待ち伏せていた…?

「…まさか、テストの相手に使うのは俺って言うんじゃないだろうな?」

返答は巨人の剣の一撃だった。


なんとか引き抜いた剣と巨剣が触れ、ガリッと嫌な金属音が鳴り響く。
我ながらあまり上手い受け流し方じゃない。

 389677: 3 シンクレア 2004/01/30 04:44:43

受け流された巨人の剣はそれでも勢いを失わずに地を砕き、
飛び上がった破片がビシビシと身体にぶつかってくる。

一撃流す毎に腕ごと持っていかれそうな衝撃を伝えてくる巨人の剣を防ぎながら、
ツクモさんに怒声を浴びせかける。

「何考えてるんだッ!?ゼロスパイアに魂を売ったんじゃなきゃ、
何をこんなところでくだらない実験を…ッ!」

一瞬前に自分が立っていた場所を巨人の剣が割り、地が揺れる。
が、移動した俺自身は巨人の腰部分の鎧をすれ違い様に斬り飛ばしていた。

「…それほどヒマな状況じゃないんだよッ!」

 389791: 結局その後:バケイ隊編入 ディヴァイン 2004/01/30 13:23:45

あまりにもふてぶてしい態度で再度来た神官達に退場させられてしまった
「…まぁ今回は顔見せだったから名前でも覚えられて貰えれば其れで良いんだけどね…」
其れでも教皇さんからから先行した第一軍のバケイ隊へ行くべしとの指示を貰った

今はその行軍後をツバメのように見える大きな翼を広げて追う

やがて当たりは暮れ始め、その風に何かが混じり始めた
「やっと追い付いて来たのかな…?にしては早速嫌な空気だな…」

その両の手に刃を握り、更に速度を速めた

※蛇さん所行きたいと思います、皆様、よろしくお願いします

 389935: 始動。 竜弥 2004/01/30 20:32:05

(クソッ、ちょろちょろ居場所変えやがって……)
謎の光りを放つモノを追い掛けていた。

(……何処だ?何処にいやがる?)
何度か味方から狙撃されたりもした。

このままでは味方に殺されてしまう……。
(洒落にならんぞ)
早い所ぶっ潰して帰還せねば……。

ドクン
(……?)
心臓が早鐘を打った。
(なんか聞こえる?)

 389936: 祈り。 竜弥 2004/01/30 20:32:38


ワレ……ガウ……
(…………?)
ワレハ……ガウ……

(………まさか)
祈り
何かを目覚めさせる為の……

(こ、殺されるぞ、ここにいたら!!)
祈りでさえ、こんなに強い力を放つ。

つまり
(デカイのが来る!!)

 389937: 動揺。 竜弥 2004/01/30 20:33:43

ゼア艦隊―――――
「逃げろ!!この場所から今すぐ!!」
息切れしつつ悲鳴にも似た叫び声を上げた。
「ど、どうしたのです?」
セバードが慌てて近寄って来る。
「セバやん、ここはマズイ!!デカイのが来る!!」
「デカイ?」
彼は不可解そうに竜弥の顔を伺う。
「ああ……引き上げるんだ!!今すぐ!!まともにやったら皆全滅だ!!」
竜弥は振るえていた。
歯が震える。
止まらない。

 389938: 困惑。 竜弥 2004/01/30 20:34:17

「落ち付きなさい」
セバードはそう言い放つ。
「何が来ると言うのですか?まだ序戦が……」
「そのウチ聞こえる!!いや、もう聞こえてるはずだっ!!」
「……何が聞こえると言うのです」
彼は飽きれ顔をした。
「貴方も年を取りましたか?まだまだ見掛けは若いと言うのに……」

ジョウカ
「!?」
ワレハネガウ、……ノジョウカ

 389939: 混乱 竜弥 2004/01/30 20:35:08

「………何処から!?」
艦内の兵士達にも聞こえたらしい。
「すぐに割り出します!!」
艦内は突然騒がしくなりだした。
「ティターンが目覚めるのでしょうか?」
セバードは少し動揺してるようにも見えた。
「ああ………」

竜弥は真っ青な顔をしていた。
「一旦艦隊を下げよう。何処からが安全圏かわからないが……」

セバードは苦笑いを浮かべた。

 390009: Whisper Low ヘジャーブ・ハセラン 2004/01/30 23:12:42

天幕から出ていくリーバの背中を私はずっと睨んでいた。


隊長、バケイは、「過去ではなく未来に歩め」と私に言った。

だが、私にとってあの出来事はまだ過去ではなく、私自身に決着がつくまでは私に明日は訪れないのだろう。


今私がいるのは軍隊なのだ。それは分かっている。
戦争で生者と死者の運命を分かつのは、理想でも思想でもなく、力だ。そんなのは当然だ。
そして、援軍は何よりもありがたいものだ。言うまでもない。



だが何故、何故よりによって彼なのだ!



 390018: ∴ ヘジャーブ・ハセラン 2004/01/30 23:37:40

そんな盲目的な怒りに囚われていた私は、その気配に気づかなかった。


  目・・・め・・・よ

後頭部にちりちりと焼き付くような嫌な感覚。

何か、いる!

  浄・・・・せ・・

私を呑み込もうとする絶対的な力。震えが、止まらない。顔に汗がどっと噴き出す。
自分を御せない。ミリオラーネが怪訝そうに私を見ている。
「ハセラン?!」

   ・・・出・・・よ!

    『バケモノ・・・・』

  『ばけものだよ・・・』
      『化け物・・・』

私の中で騒ぐ使い魔達。

伝えなきゃ。絶え絶えの息で必死に声を紡ぐ。

「何・・か・・・来る・・!」

そして、私は意識を手放した。


 390032: 返答 ツクモ 2004/01/31 00:14:44

う〜ん、もっと装甲面を強化せんと駄目か・・・。
斬り飛ばされた鎧を眺めながら、そう考えていると、シンクさんの怒声が聞こえてくる。
何でかですと?・・・そんなのは簡単だ。

「『今』なのは、こいつが闇の中が一番性能を発揮するから。『ここ』なのは・・・・・・ここにネヴァモアさんが来るからですよ。彼にも私の造った騎兵と遊んで頂きたいのですよな〜・・・北海では、直接会えませんでしたし」

そのための騎兵もちゃんと用意してありますしのう?・・・まあ、来なければ二対一になるだけだ。

 390058: 教皇庁にて… アズライト=D 2004/01/31 00:35:10

教皇庁の地下にあると言われている鍛錬の間にその姿は在った。

アース教徒であれば誰もが使用できる修練の間と違い、
教会の構成員の内でも一部戦闘に長けた者しか入室をしたくてもできない仕組みとなっている。

その部屋はかつて教会で封印した悪魔や悪霊の類との戦闘を疑似体験できるようになっており、
よくレヴィル枢機卿やガルガード大司教をはじめ武闘派の司教達もよく使用しているようだった。

「破っ!!」
異形の錫杖から伸びる紅い闇を纏った大鎌を振るい最後の悪魔を祓った後大きく息を吐く。

 390061: 、 アズライト=D 2004/01/31 00:36:07

「ふぅ…。まだまだ卿らには及びませんねぇ…。いくつか傷も負ってしまったようですし…ね。」
見れば彼の法衣が少しばかり切り裂かれてしまっているようだった。

そんな自分の未熟さに苦笑を覚えつつも先程受けた報告を思い返す。

本日未明にバケイ隊が所属未明の敵と戦闘状態に突入――。

友軍の安否を気遣うと同時に先日合流したという軍について思いをはべらす。
先日バケイ隊には、あのリーバさんが加わったと聞く。
そして同じ敵を持つ同志として、ゼアの残存艦隊も共に進んでいるようだ。
彼らの武力を以ってすれば並大抵の軍ならば太刀打ちすらも出来ないまま敗れ去る事だろう。

 390062: 、 アズライト=D 2004/01/31 00:36:59

しかし我らの相手はあのゼロスパイアである。
並大抵の軍など歯牙にもかけぬ武力を持ち合わせている事は奴の言動から容易に読み取れる。

しばらくそこでゼロスパイアの動きについて考えを巡らせてみたが、
結局この場でひとりで考えても詮無き事だと考えを改め外の空気を吸いに地上へとあがる。

鍛錬室の扉を内側から開けば煌く陽光が地下へと続く階段に差し込む。
溢れんばかりの光の氾濫に軽く目を細めて遠くを見やると、
教皇庁の前には教皇への面会を求める者のあまりの多さに長蛇の列が出来ているようだ。

 390063: 、 アズライト=D 2004/01/31 00:37:34

「やれやれ…、これではさすがに猊下も身が持ちませんねぇ。」
教皇ネヴァモアの身を案じ軽い軽いため息が漏れた。

その時一人のまだ幼いともとれる信者がアズライトを呼びかけた。
「あっ!アズライト司祭!やっぱりここでしたかっ!」
「やっぱり…とは何やら心外な話ですねぇ…。。。」
「だっていっつもここにいるじゃないですか?」
「まぁ…そうなんですけどね…。。。それより何か私に用があったのではないですか?」
「あ・そーでしたっ!ネヴァモア様がお呼びですよ!」
「わかりました。すぐに向かいます。」

 390065: 運命の歯車 アズライト=D 2004/01/31 00:38:12

彼にそう告げて教皇庁に足取りを向けて歩き始める。
数分の後に執務室の扉の前に彼はいた。
ノックした後に入室の返事を確認し扉を開く。

「司祭アズライト。猊下のお召しにより参上いたしました。」

この世界の運命の歯車はまだ廻り始めたばかりである――。

 390097: ここで崩れては… セバード・C・シェール 2004/01/31 01:27:24

序盤戦…

確かにその通りである。それは、この第1軍が全滅したところで致命的ではないということでもある。
全滅といったところで総兵力の半分は戦闘可能状態で生き残る。指揮系統が壊滅して戦力にならないだけだ。
それらの兵力で第2軍に続く第3軍を編成しても良いだろう。

もちろん、一個軍の全滅は大きな痛手だが…ここで退き、戦線を自主的に崩壊させるほうが痛手になる。


 390099: 弱りましたね、これは。中々容易には行かないものです。 セバード・C・シェール 2004/01/31 01:31:48

先程、出撃した竜弥さんが戻ったのを確認し、迎えて…その矢先に聞こえた、呪詛にも似た祈りの声。地面から響いてくるようなその声は、大地の巨獣ベヘモスのそれよりも聞く者に恐怖を与えるように思えた。…確かに、コレはヤバイものだ。かつて、始めて腐った龍の咆哮を聞いたときも同様の恐怖を感じた…懐かしいが、二度と感じたくは無いものだったのに。
「…これは…ティターンのものですかね?」
彼も歴戦の戦士、並大抵のことで取り乱すはずは無い。本気で危険と感じているのだろう。…だが。


 390102: 戦術での愚行、戦略での愚行 セバード・C・シェール 2004/01/31 01:36:27

「私は…退けません」
「セバやん、何を言ってるんだ!聞こえたろう、あの声を!マジでやばい、ここで死ぬ気か?!」
艦橋がざわめく。皆、あの祈りが聞こえたのだろう。勇敢と無謀を履き違えるような者は一人もいない。…私を含め、ここにいる全員が危険だと信じている。
「司令、我々は戦力温存が…」
「何を言っているんですか」
副官の意見具申をさえぎって、言う。
「いいですか、それは戦略レベルでのお話です。戦術部隊はそのようなことを気にする必要は無い…艦隊のモットーは?」


 390104: ・ セバード・C・シェール 2004/01/31 01:37:52

「はい…見敵必戦です」
「その通り。丁寧に言えば、戦力の過多を問わず目的遂行の為に全力を尽くす。乱暴に言えば、後先考えずに殴りかかれ。…戦力温存とか、そういう調整は戦略に任せればいいんです。戦術部隊は、全力で目の前の敵を叩き潰すことを考えればいい。たしかに、今回の場合投入兵力を決めたのは私です。ですが、戦略のための兵力調整を行った私と今ここにいる戦闘指揮官である私は別」
一端言葉を切って続ける。
「諸卿も帝国兵なら、あの苦闘を生き残った猛者であるはず。敵がティターンだろうが神だろうが何臆することがあるか!諸卿の義務を果たせ、以上!」


 390106: 暴論ではあるのだけれど。 セバード・C・シェール 2004/01/31 01:39:32

言うだけ言うと、振り返って言う。
「竜弥さん、貴方には義務は無い…私たちは踏みとどまって戦線の崩壊を少しでも遅延させます。損害を出す気はありませんが…もしよければ増援要請に飛んでくれませんか?」
さて、どうでるかな?どっちにしても勇気の要る決断になるだろうけど…それについては心配していない。
彼はかつて起きた戦において常に勇気を発露し続けた。…戦場での彼の判断に誤りは無いだろう。ただ、今回は私と判断基準が違っただけ。彼がとどまって戦うのも、一端退いて援軍を率いた騎兵隊として現れるのも、どちらも助かるし。
「愚問…って奴だぜ、それは…」
彼は、わずかな苦笑を浮かべながらそう言った。


 390110: (行間空け損ねた) セバード・C・シェール 2004/01/31 01:43:41

地上からは警告や要請がひっきりなしだ。だが、その全てに答えるためには絶対的に数が無い。

そも、派遣された正規艦隊の数が少なすぎる。戦線に、まともな国力を持った国の兵の姿はほとんど無い。

「…そう、このままではいけないんですよ…もっと投入させなくては」
教会ではない、国家の軍を。


 390116: 被害増加中。…むぅ。 セバード・C・シェール 2004/01/31 01:48:15

「ヴァンガード、被弾!爆弾倉誘爆の危機により切り離し、と艦長からの報告です!」

プレ・カースドラゴン型の巡洋戦艦が被弾した。爆弾が無くなった…ということは対地攻撃の主力を失ったと言うことである。

「…ふむ。他の機能に支障は無いんですね?なら、問題ありません。本艦とリヴェンジを前に出します。オベロンは高度を上げて全周囲警戒、オファとオリビはヴァンガードと組んで地上スレスレに高速飛行。3隻は近接防御砲火の用意を怠り無く。…地上部隊に伝えてください」
一呼吸おいて、電文の内容を告げる。


 390117: ・ セバード・C・シェール 2004/01/31 01:49:58


「強風警報発令…飛ばされても知りません」

地上を衝撃波でなぎ払い、伏兵をあぶりだす。それほどの高速がでるわけではないから、直接の効果はほとんど無いだろうが…不意を付くことは出来る。その間に敵を見つけ、近接砲火で蜂の巣にする。簡略設計の量産型とはいえ、リヴェンジの属するR級戦艦は最新型だ。高速重防御、防御砲火も充実している。護衛艦であるO級駆逐艦も同様だ。

それらの兵力で、本命が来る前に邪魔は片付けなくてはならない。


 390123: ・ セバード・C・シェール 2004/01/31 01:56:53

「ふふ…化け物よ、貴方が何を願うかは知りません…ですが、私にも願うものがあります。突然現れたものに…大切なものを持ち去られるのは、もう十分なんですよ。私の気がすむまで邪魔してあげます」
自分よりはるかに強大な力を持った相手。さきほどの祈りも、身体が震えるほどの恐怖があった。だけど、私はもっと怖いものを知っている。
だから、怖くない。自分の死も。…もっとも、ここで死ぬのはお断りだけど。


…腰に佩いた剣を握る手に汗がにじむ。消えてゆく数多の命、それに報いることは出来るのだろうか?

まったく…気楽にはなれない。

 390124: またスレ立て代えを願い出る狂信者 インフェルノ 2004/01/31 02:03:01

「教皇様、敵主力はメイマイからウマリーに移動、
 ティターンもそろそろ起動する模様で御座います。
 そろそろ我々もこの場より前線近くに移動しては如何でしょう?」

さー正体がばれる前に戦略的転進
ネウガードまで走って帰るか
ハイヨーひよこ虫(ぱからんんぱからん)

 390251: 参戦:【闇乃武】 ハオ=ヴァリイス 2004/01/31 12:04:53

「ほほー・・・あーれが十字軍かぁ・・・」
ボクは自分の所属する団から、知り合いが参戦してる勢力について知った。聞けば、リーバさん率いる久陽の面々と、在野連合の同士達も参戦してるそうな。これは興味深いな、とばかりに自分の任されてる仕事をほっぽりだして早速偵察にきてみた。勿論、後で御頭からされるであろうキツイお仕置きが待ってるのも忘れて・・・。

「ふむふむ、リーバさんの他にもフローヴェルさん達もいたのか。へぇ・・・こーりゃ懐かしい顔ぶれだ事・・・あっ」

透き通るような朱の眼に力を注ぎ、遥か前方、約数キロメートル先に見える人影をみつけた。



 390254: 弐:【闇乃武】 ハオ=ヴァリイス 2004/01/31 12:15:50

「ありゃヘジャーブさん…マリアンにいた女だな…あのヒトも参戦してるってか」

今となってはどーでもいい過去が脳裏を霞む。

「まっ、いっか」

けろっと軽く空を見上げる。
流れるような蒼い風にゆらゆらと雲がなびくように浮かんでいる。

「あんなちっちぇ事…いつまでも引きづっても仕方ないか」

自分に言い聞かせるように、ゴロンとその場に寝転がる。
柄にも無く、深く考え込んでしまったボクはその場で約半刻寝こけてしまった。
そして、慌てて起きて屯所に戻ったが、時既に遅し。
賊内の鬼のような存在の御頭、呂布奉先から尻百叩きと夕飯取りあげという、成長期の少年に深く突き刺さるお仕置きを食らったのだった…。

 390266: 牙の産声 ブロウ 2004/01/31 12:27:34

ティターン起動の産声・・・戦場はその声に凍りつく。

隙が見えた。
戦力に圧倒的不利なこの状況、逃すわけには行かない。

降下を始める艦隊・・・群からはぐれた草食動物の仔・・・絶好の標的だった。
迷わず降下する艦の頭上へと突進する蒼い光。
その左手には白い剣、右手には黒い剣が握られ、艦を沈めようと迫る。

 390324: 出遅れ気味:アースグリム アースグリム 2004/01/31 15:05:13

「大蛇?」
報告を受けてしばらく考えると、私は行軍を止め、先行させていた斥候部隊に、もう少し観察の上詳しい報告を持ってくるように指示した。

「それで、襲ってくるわけでもない、というわけか」
斥候部隊を率いていた私の副官――ジャピトス時代から補佐し続けてくれている彼は、今回もどこでどう手を回したものか、気づけば私の副官に収まっていた――は、やれやれ、と言った風情で報告を続けた。

「はい、ただ、私達の進軍予定路を塞ぐようにいますので、排除か、迂回しか選択肢がありません」
「もうひとつあるね。見世物にして、活動資金を――」
「閣下」
「冗談だよ――で、どう思う?」

 390325: 、 アースグリム 2004/01/31 15:05:41

「罠、という可能性について、ですか?」
「そう」
物分りの良い部下についてもらえて、私は幸せだ。

「罠、ということになりますと、何者かが、私達の行軍情報を知り、その上であのようなものを居座らせたことになります――」
「――その可能性は、否定できない?」

「勿論否定はできません。が、私的には有り得ないと考えています」
「それは分かる」
副官と私の結論は、同じものであった。

 390326: 、 アースグリム 2004/01/31 15:06:02

「いかに私達が気勢をあげようとも、かの者らに、物の数とされている訳がないからね」
いかに群れようが、所詮人間――彼らはきっとそう思っているだろう。つまり、罠、などと私たちを試したり、弄んだりする理由がないのだ。罠など、自分と「近い力量」と考えている存在に対して、または自分自身が罠を作ることを生きがい、自己表現としている存在でなければ、必要ではない。

まして、力を誇示して心理的な同様を誘うタイプのものであれば。

「待った」
「はい?」
「ゼロスパイア一党の罠と考えるから、迷ってしまったんだ」
迂闊。それに気づき、私は、思わず拳でひざを叩いた。

 390328: 、 アースグリム 2004/01/31 15:07:00

なんといったか、あの一党を支持する団体が居たでしょう」
「あ!」
やられた、と心から思った。となると、あの大蛇を出現させた目的は――
「――しまった。看破するつもりで罠にすっかりはまってしまったかもしれないぞ。バケイ隊は?」
「すでに交戦しているようです」

空中で爆音。時すでに遅し。

 390329: 。 アースグリム 2004/01/31 15:07:30

「――指揮系統の整備を、次回の課題にしましょうか」
「次があればね」
私は、憮然として言った。

「さて、出遅れましたが各員に連絡。
 総員結界を張ること。
 《聖弾陣》にて、『障害』を浄化、消滅せしめる。
 あれは、物理的に「破壊」ものではないと思われる。
 ただ、祓い、浄化せよ」

「了解」
復唱し、副官は去っていった。

やれやれ。とんだ緒戦だ。

 390337: 援護:くらら クラディア 2004/01/31 15:44:04

教皇庁に戦闘開始の第一報が入る
開戦はバケイ隊
よりによってか……と唇を噛む

「白聖隊を……集合させます」

〈白聖隊〉教会聖職者の内、特に支援技術に秀でたものを集めた隊で、魔術を持って戦闘員の援護を行う
実際の戦闘経験がないものが多いが、何より彼らの知識は逸脱したものがある

「それから、一般志願者でこちらに配属になった方を直ぐに」

助祭に告げると、私は白い衣を手にとった

アースグリム隊ならば問題はない
だが、個性の強いバケイ隊のこと、ただでは済まないという嫌な気配がした

「クラディア隊、先発隊援護に向かいます」

 390340: 出立:くらら クラディア 2004/01/31 16:17:38

白い衣服を纏った一団が整然と並ぶ
赤い十字の紋章をつけているのが一般の医療従事者を中心とした戦場医療部隊
若い青年が中心の搬送隊
そして、その背に教会の紋章を背負う白聖隊

数は多くないが、それでも信頼を得るだけの力はあるだろう

「初めに言います。あなたがたは決して死んではなりません。傷付いた時は、深追いせず退却してください」

きっぱりと言う
守るための隊が守られるのでは意味がない

「それから……私たちは偽りの神との戦いを冠してはいます。でも、それに捕われる必要はありません。どうか、あなたたちの大切なものを守るために尽力してください」

 390347: 宣誓:くらら クラディア 2004/01/31 16:29:54

「目標は先発部隊バケイ隊後方」

唇を結ぶ
噛み締めるように願いを込めて言う

「我等と我が同胞に聖神アースの御加護を」

どうか、誰一人失わんことを…

 390492: 召喚と レヴィル 2004/01/31 23:35:09

 例え我等は二度とこの地を踏めずとも、我等が御霊は聖なる神の下に在り――。

 教皇から召喚の命を受け、執務室に向かうレヴィルへと送られた言葉を反芻し、彼は歩みを進める。
 その聖句を紡いだのは彼の束ねる部隊。改造人間である彼を創造するために行われた、度重なる人体実験の被験者たちが集められた部隊の一人だ。

 恐らく、彼等は今度の戦で死ぬ気なのだろう。異形と成り果ててまで世界を愛しつづける彼等は、そのためならばどんな代価でも払うつもりなのだから。

 390493: 決意と レヴィル 2004/01/31 23:35:32

 そしてそれは、自分も同じだった。

(……戯け。己の全ては神に捧げたものと、覚悟はとうに決まったものではなかったか)

 どこか、心の中で死を恐れる自己を叱咤する。先刻耳朶を打った聖句と誇りを汚すわけにはいかない。

「――猊下。レヴィル、ただいま参上いたしました――」

 そして僧衣の男は、二度と己が手で開かれることが無いかも知れない扉を開け放った。

 390504: 訪問 ネヴァモア 2004/02/01 00:24:02

ネヴァモアは教皇庁を離れ、
馬に乗って人影少ない小道を進んでいた。

レヴィル枢機卿には第二軍の指揮官を命じた。
準備ができ次第、一軍に合流せよと指示を出してある。
第二軍は質・数からして十字軍の主力となる軍だけに、
最も信頼する片腕の一人に指揮を命ずるのは当然の帰結であった。

その間教皇代理として訪問者等の対応をするのは
見る者に幼さを感じさせずにはいられない外見のルティウ司祭。
彼が応接室で大汗をかきつつ頑張っていると思うと、
ネヴァモアは申し訳なさと同時に
微笑ましさを感じずにはいられなかった。

 390505: 、 ネヴァモア 2004/02/01 00:24:49

馬上で彼は目を閉じて意識を遠いフェリアスの地に飛ばし、
思いがけない旧友が告げてくれた映画館を訪れていた。
アースノヴァ大戦を記録した映画を見るためである。
意識だけ飛ばしているがゆえに、自分の目で直接見るのとは
比較にならない程曖昧な映像しか伝わってこないが、
それでも彼にとって過去を想起するにはそれで十分であった。

そんな彼をアズライト司祭が警護を務める。
周囲を鋭い視線で監視する彼の様子には
些かの気の緩みも感じられない。
だからこそネヴァモアは安心して少人数で、
意識を他所に飛ばしつつという無防備な状態で歩む事ができるのだ。

 390507: 、 ネヴァモア 2004/02/01 00:25:34

ネヴァモアは歴史を見ていた。
アースノヴァを、アースノヴァの過ちを見ていた。
更に過去の自分を、過去の自分の過ちを見ていた。
それはこれから会わんとする男に自分の思いを伝えるためには、
どうしても必要な事であった。

「猊下、そろそろ目的地ではありませんか」

アズライトの言葉にネヴァモアは我に返った。
司祭の示した先には一軒の農場があった。

「聞いた所によればあの家に間違いない筈。行きましょう」

 390510: (終) ネヴァモア 2004/02/01 00:26:23

一見するとごくありふれた風情の農場の門を潜り、
ネヴァモアは家の戸を叩いた。
すると出てきたのは屈強な体格をした男である。

「突然失礼します。アルカリス殿はご在宅でしょうか?」

どうやら似たような訪問者を飽きる程経験してきたらしく、
彼は言い慣れた口調で、「居るが、会うかどうかは彼次第」
といった旨をネヴァモアに告げた。
瞳は訪問者を見定めるかのようにじっと注がれている。

面会が叶わぬ可能性にアズライトが不安な顔を見せる。
が、ネヴァモアは平然としたものだった。

「アルカリス殿にこうお伝えください。
 あなたに会いたがっている男がいる。
 彼の名はユリアーヌ、と」

 390517: 白翼の紋章1 ガルガード 2004/02/01 00:31:12

未だ、何も手を打とうとしない自分達の上官に不満を覚えたのだろう。
一人の騎士が話しかけてきた。

「我等は、動かないのですか?」
「連中は動いていない。標的が何処かも分からぬのに、皆で動く訳にも行くまいよ。」
「は?ですが・・・。」
「フーリュンは余興に過ぎないのだろう。」

あの距離で、しかも戦意が著しく低い奴隷国で攻め込み国を落とす事など不可能。
連中とて、その程度分からない訳ではあるまい。

故に、余興。
ただ、遊んでいるのだ、連中は。

「ならば我等は。」
「“ティターン” そういったか、連中の従者は。」

 390518: 白翼の紋章2 ガルガード 2004/02/01 00:32:39

ネバーランドで見られる星座の一つであり、異界の神話を納めた書物に登場する、巨神の名。
この地に現れるとされる同じ名のモノが巨神とは限らないが。

「それが現れた時こそが、我等の真なる戦いだ。」

振り返る。
数は100程度。
自分と同じ白い鎧を纏い、その上に聖衣を纏う騎士の群れ。
神罰を代行し、聖神の守護を司る。
教会聖堂騎士。自分の手足。そして刃となり盾となる。

「さて、諸卿。準備は宜しいか?」

穏やかに笑い、続けよう。

「嵐は、もうすぐそこまで来ている。」

 390521: 合流:リーバ リ―バ 2004/02/01 00:59:04

「うへ、少々遅刻してしまったが、ようやく追いついたみたいだな。」
一人つぶやく。

それにしても、眼前に広がる戦士達のなんと多い事だろう。此処までアース信仰が色濃く残っているとはお世辞にも考えにくい。現に眼前に見える大軍は蟻の行列よりも無秩序である。
恐らくは、必要に駆られて受け入れただけなのかも知れない。


「まあ、神様や他人への配慮など坊主に任せて、俺等はやるべき事をするのみ、か」

軍の先頭に見知った顔を見かけ、笑いかける。

「チト遅くなったが、仲間引き連れて来たぞ。さあ、俺達は何をすれば良い?」


 390522: 連れて来られた団員レス:マテリコ マテリコ 2004/02/01 00:59:17

「マテリコ、遊びにいこうぜ」
「はーい、で、今回は何ですか?」

暇をもてあまし気味な生活が続いていたのと、団長の「遊び」への誘いはいつも面白いのとで2つ返事で付いていく。

ただ、武器持参で来いとのことなので少し嫌な予感はしてたのだが。

そして行く途中事情を聞き、嫌な予感が的中(鬱
逃げ出そうとするのを無理やり引きずられてやっと到着した。

が、思ったより多くの人数が集まってることに安心し、いや、恐らく人数ではなく、そこにいる顔ぶれにだろう。

「この人たちとなら・・・」
深呼吸して、戦況を把握するため、辺りを見回す。

 390525: 合流:セーウィアス セーウィアス 2004/02/01 01:09:56

目の前の大軍は、雑多な集団に見えつつ、同じ目的を持つもの同士の連帯が感じられた。
けれど、それ故に。
不安から呟きが漏れる。

「ゼロアースがまだ何者なのかも分かっていないはず・・・。
彼らが僕等を滅ぼそうと言っている以上、戦うのは止むを得ないとしても。
僕等まで彼等を滅ぼそうと言うの必要があるのか・・・?」

傍らの知己と目が合う。
咎める目ではない。面白がるような表情が浮かんでる。
釣られて、つい言葉が続いた。

「僕は、彼等と解り合うことができるなら、その方が良いと思ってるんだ」

面白がる表情が、笑いを堪える苦しげな表情に変わっていた。

 390532: お知らせ ネヴァモア 2004/02/01 01:50:08

では明日辺り次スレを立てることとします。
それまでは当スレをご利用ください。
なお次スレを立てる際に初代のスレ(「暁星十字軍」)
は削除します。悪しからず。

 390534: 大混戦:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 01:52:53

勝手にしやがれ!
バケイはカトラスを振り乱しながら心の中で毒づく。
作戦は決まったものの、支援が全く期待出そうもない。
上空の艦隊は大きく航跡を乱し、退避行動に全力を挙げている。
隊員達はおのおの必死に戦いを挑んでいるが、
手近な遮蔽物を背に防御を強いられ、戦力集中がおぼつかない。
大蛇は確かに一匹だ。
だが一撃の効力が大きすぎる。
某氏の白猫でもいい。
兵力になりさえすれば・・・・・

 390536: ・:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 01:53:38

その刹那。
シンクレアの大声が戦場に響く。
「…まさか、テストの相手に使うのは、
 俺って言うんじゃないだろうな?」
鈍色に光る鎧。
5ヤードはあろうかという身の丈。
見た事もない人間、いや。異形の兵士が彼に襲いかかっていた。
シンクレアは何やら大声で叫ぶと、それを見事に二の胴で断ち切る。
だが、新手の兵士がさらにシンクレアに襲いかかる。
「…それほどヒマな状況じゃないんだよッ!」
シンクレアの額に迫る兵士の剣が風を切る。
その時。
シンクレアは驚いた。
流し受けするはずだった剣に全く重みを感じない。
だが異形の兵士は膝をつき、背面に反り返ろうとしている・・・・

 390537: ・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 01:54:14

「や。間に合ったでござるな」
兵士が崩れ落ち、
その代わりに見えてきたのはザンバラ頭の浪人だった。
シンクレアは戦闘の興奮を浪人姿の男にぶつけ、いきり立つ。
「俺一人で倒せた敵を、後ろから斬るなんて・・・邪魔するな!」
「面目ない」
浪人はやけにのんびり頭を下げた。
「運動の前には準備体操。母方の伝来でしてな。
 貴殿のお邪魔ならば申し訳ないのう」
浪人はゆっくりと髭をさすった。
その仕草にシンクレアは敵意すら覚える。
「くっ・・・この!」
シンクレアは剣を剥き浪人を向いて下ろす!

 390538: ・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 01:56:51

浪人の背後で異形の兵士が崩れ落ちた。
「・・・・」
浪人は髭をさする右手をゆっくりと降ろし、柄に添えた。
「父の教えだ。急に運動を止めると体に悪いそうだ」
シンクレアは目も合わさず静かに話す。
浪人は表情を変え、穏やかに口を開いた。
「拙者、ツェンバー仕官。姓を塚原、名を卜伝。一剣士でござる」
「シンクレア。しがないトレジャーハンターだ」
「なかなか」
「あなたこそ」
笑い声が夕闇に響く。
「塚原さん。本当ならここで一杯と行きたいところだが」
「卜伝で結構でござる。シンクレア殿」
「『殿』はいらないよ。卜伝」
「では、シンクレア」
「ああ、背中は任せた」
「承知!」

 390541: 夜は二度ベルを鳴らす:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 01:58:40

リーバが大蛇の正面の躍り出る。
「このフニャ○○野郎!リーバのケツでも舐めやがれ!」
身の丈はあろうかというリーバの剣は、
その名をワンダバ・マジェスティック。
「お前みたいなカス芸人専用の剣だぜ!ありがたく舞台に上がりな!」
その殺気を感じたのか。
大蛇はリーバに炎を集中させる。
「どうした、マザ○○!そんな芸じゃ客は笑わねえぜ!」
大蛇はゆっくりと攻撃の方向を変え、谷間に移動しはじめた。
それを遠くで見つめるミリオラーネ。
「副官様!」
「ああ、シュアリーか。ご苦労様」
すり傷だらけのシュアリーがミリオラーネの前で立っている。
「来てもらったのは他でもないの」

 390542: ・:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 01:59:25

ミリオラーネはシュアリーに
鉄弓と先の膨らんだ「やじり」のついた矢を渡す。
「あなたの腕を見込んでのお願いよ。
 ヤツの瞳、ど真ん中にこれを当てて頂戴」
「・・・・」
シュアリーは絶句した。
「お願いできるかしら?」
「急に言われても・・・・」
「ああ、ごめんなさいね。シュアリー。正確に言うわ」
ミリオラーネはシュアリーの瞳を力強く見つめ、力を込めて言った。

「大蛇の瞳をこの矢で射抜きなさい。命令です」

 390543: ・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 01:59:53

「昔からそうだったんです・・・・」
シュアリーは伏せていた目をあげて言った。
「命令が聞けないの?」
「いいえ。勝つための命令なら聞きます」
「今は戦闘中なの。解るでしょう?」
「理由じゃないの!」
背後で大蛇の咆哮が聞こえる。
「どうして・・・誰も私の声を聞いてくれないの?
 私は機械じゃない。陽気な私だけが私じゃない!」
ミリオラーネは眼を閉じた。
「なぜ?なぜ!?どうして私の事を否定するの!?」
シュアリーの涙が、頬を伝う。

 390544: ・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 02:00:28

戦闘騒音があたりを包んでいた。
「ごめんなさい、シュアリー」
騒音を断ち切ったのはミリオラーネだった。
「焦っていたわ。私が。でも、本心じゃないの」
シュアリーは涙を流していた。
だが、その瞳はミリオラーネから外れない。
「あなたの力が必要なの。お願い。力を貸して頂戴。
 私の為に命令するんじゃないの」
シュアリーは深くこうべを垂れた。
「ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・・」
「あなたの繰弓術が必要なの。そうよね、ハセラン」
物陰からハセランが現れた。

 390546: ・・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 02:01:05

「ハセラン・・・・」
右手に包帯を巻いたハセランが、
シュアリーの背後からゆっくりと歩いてくる。
「シュアリー。私の魔力とあなたの技術が必要なのよ」
シュアリーの涙が白髪に移り、きらめく。
「大蛇の瞳に引火させるの。
 そうすれば大蛇はたちまち炎に包まれ、
 私たちはこれ以上の犠牲を出さなくて済むわ・・・・」
「私が最初から言っていれば・・・・」
「いいえ、ミリオラーネ様」
シュアリーが言葉を引き取った。
「私、やります。必ず成功させます。
 どこかで失敗を怖がっていたの。私。
 でも、必ず成功させます」
シュアリーは笑顔で言った。
「みんなのために!」

 390547: ・・・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 02:01:35

「おい!そんな陣地じゃオ○マだって通すぞ!」
髭の男が叱咤する。
「ヨシフ、進捗具合はどうだい?」
「隊長か・・・・」
バケイは辺りを見回す。
短時間で構築したとは思えない、見事な陣地だ。
ヨシフジュガシヴィリは自慢げにバケイに説明する。
「私の国は、防御陣地にかけては世界一だと思っている。
 ・・・・私の経験が全てここにあるよ」
「頼もしいですね。
 こちらも最善の手は尽くしているところです」
「期待を裏切らないで欲しいね」
それは運命の仕事さ。バケイは心の中で呟いた。

星は明るく瞬きだしている。
かろうじて、その輝きは天空にあった。

 390548: というわけで:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/01 02:02:56

読者諸君、暁星十字軍の活躍に刮目、躍如せよ!
次スレに続く!


 390592: ホントは蛇じゃなかったのになぁこいつ(´┐`) シュアリー 2004/02/01 10:07:46

隊長たちが何やら議論を交わしている間に、隊の前方の兵達が次々と吹き飛ばされていく様子を、他人のように見ていた。

先ほど申請されていた艦隊への支援要請。
上も同時に攻撃されている。この混乱した状況では。

(下手すりゃすぐに全滅だな。・・・やはり、にわか軍隊じゃこの程度か)

議論の結果が出たのか、リーバと数名の傭兵が、馬で前方へ向かっていった。


横方では次々と現れる乱入者のうちの一組と、シンクレアが交戦を始めていた。
夜闇で彼の姿はほとんど見えなかったが、やたらとでかい数人のうちの一人を、彼が危なげなく倒したのを『感じて』、とりあえず意識を蛇の方に集中することにした。

 390593: それは呪詛であり賛美歌。 シュアリー 2004/02/01 10:10:24

そのときだった。


静かだが、強く深く響く祈りの声。
波動のように渡る呼び声。


後ろで踊り子の女が倒れた。

感受性が高い者には耐えられないのだろう。
無理も無い。





これは、世界を呪う歌なのだから。

 390594: というか何で俺が泣いているのか(苦笑 シュアリー 2004/02/01 10:13:23

副官からの呼び声を聞いて、彼女の元へ。
話を聞けば、要するにあの大蛇の目を弓で射抜け、ということらしい。

何故自分が選ばれたのか良くわからなかったのだが、
「わかりました。私がやりましょう、皆のために。」
作り笑顔を浮かべて、とりあえず引き受けた。

このままでは本当に全滅しかねない。
それでは、自分がわざわざこんなところにまで潜り込んだ意味が無くなってしまう。


渡された矢をしっかりと握り、弓を捨てるように置いて、大蛇の元へと駆け出した。

使い慣れない武器など、命中するはずも無い。

確実に仕留めるためには。

 390595: ・ シュアリー 2004/02/01 10:19:53

先程から懸命に蛇の気を引き続けていた傭兵達の間をすり抜け、滑るように敵へ切迫する。
左から払われた尾を低めに飛んで避わした。
風圧で身に纏っていたローブが千切れ飛ぶ。

「『噛ませよ 砂を』!」
着地に重ねるように拘束の呪文を唱え、
わらわらと地面から生えた暗黒の鎖が、蛇を標本のように繋ぎ止めた。

身を捩って逃れようとする大蛇へ歩み寄り
憎悪に似た眼差しで見上げるそれに、
迷わず鏃をねじ込んだ。

 390602: 次スレは ラッセラン 2004/02/01 11:11:08

団体の間に移した方がいいんじゃない?
国家に関係してないし、メンバーも固定化しているみたいだし。

外交の間に立てる必要のないスレは、ほかのふさわしい掲示板にたてるべきだと思うよ♪

 390635: 参戦 其の参:【闇乃武】H・V ハオ=ヴァリイス 2004/02/01 14:50:53

先日、仕事をサボって十字軍の偵察にいったのを誰かに見られたらしく、尻百叩きと夕飯なしの罰の後、追い討ちをかけるように御頭直々に説教を食らった。
「ぁー…眠い…御頭の説教長いんだよなぁ…真面目過ぎなんだよ、だからフケてみえ…おっと」

十字軍の駐留地点を目指し、歩きながら愚痴っているうち、一個師団が泊まっている駐留地点に到達した。

「ありゃマテリコさん。相変わらず抜けた顔つきだなぁ」
我ながらとても失礼な事を言っているが、事実である。

「なんだ?騒がしいなぁ…どぉれ、ちょちいってみっかなー」
寝ぼけた眼を見開き、満面の笑顔で戦場を一陣の風の如く駆ける。
彼は風のように走り抜けていった。


 390656: 十字軍の陣営を眺めて・・・・・ 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/01 17:17:28

「愚かな奴等よ・・・・所詮ゼロスは、使い走りだろ。それに奴等のいうゼロアースの降臨もティターンの起動も為されておらん・・・・。」
黒い鎧の男は側の苔むした石に腰掛た。 
「この様な所でムザムザ軍を展開し消耗している・・・・愚かじゃな。天魔の残党どもが蠢動し始めておる、この様な所でお祭り騒ぎとは・・・・」


 390657: 背後からもう一人の黒鎧の男が現れ、ゲオルグに尋ねた。 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/01 17:23:46

「団長は、どうされるのですか。」
「イズモ殿か・・・・・・様子見だな。人の嘆き、苦しみ、恐怖が満ち満ちた戦場こそが俺の生甲斐だからな。ま、ゼロスが弱った所を横合いから殴りつけてやれば良い。それまで静観だな。それよりも、天魔残党の監視をせねばな。」
やがて、二人は騎乗の人となり立ち去った。

 390663: やがて二人の影は、街道にたむろする黒鎧の一団の中に消えた。 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/01 18:06:27

「団長、この先の村の男どもは人夫に挑発され、女、子供、しかいやせんぜ。」
随分前に派遣した斥候が戻りゲオルグに報告した。
「そうか・・・・では、その村はゼロス信者の村だ!!野郎ども鋭気を養うぜ!!」
黒い旗を掲げた黒鎧の一団が村落目指し突入して行った!!
「はっはー、異教徒どもを皆殺しにしろ!!」
阿鼻叫喚の響く村の広場の馬上のゲオルグの前に村の長老らしき老人が現れ一枚の紙切れを差し出しひれ伏した。

 390664: 紙切れには・・・・ 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/01 18:16:07

「村に対する協力を感謝する十字軍の手紙であった。」
「おおお・・・この村は、十字軍の村だったのか・・・・それは、すまん、神罰が落ちるなこりゃあ・・・・おい爺ぃ、あの世で神に伝えてくれや、俺が悪人だって事をな!!」
「ひいいいい・・・・」老人の悲鳴にならない声が聞こえた後、爺ぃの首は地面に落ちた。
焼け落ち動くものがいなくなった村を黒鎧の一団は立ち去った。

 390682: ふわぁ〜:てんなな@埴輪 てんなな 2004/02/01 20:32:42

「遅刻遅刻〜。」

少し見渡して、戦場でのんきな声を上げたのを少し後悔しつつ、
戦っているバケイ隊(らしい)に合流した。

もともとここに来たのは、
「働けおまいら(・∀・)」と団長が、
ここの話をしていた。

一応暇だったので、
適当に荷物をまとめてやって来たのだった。

 390683: 続いた(゜д゜;) :てんなな てんなな 2004/02/01 20:33:42

「さてと・・、武器が壊れた人とかは言って下さいね?
 多少持ってきてあるので。」

たいして戦力にならない僕にできる事は、
たぶんこれくらいだろう。

あの攻撃では得意のカウンターも、
引き連れて来たてんぷらん(使い魔)も無駄そうだ。
いや、てんぷらんは役に立つかな。

振り向いて遊んでいるてんぷらんに、
「そこ。遊んでるんじゃない。ケガしてる人の治療をやれ。」

てんぷらん達は慌てて治療道具を持って駆け出した。
焼け石に水かも知れないが、まあないよりゃマシって所か。

 390689: 古歌 ヘジャーブ・ハセラン 2004/02/01 21:29:01

『あまり時間がない・・・急がなくては・・・』
一騎の馬が蛇へ全力で駈けていく。
私は、馬を手操る兵士に抱えられ、支えられながらその馬に乗り、蛇へと向かった。

のたうち回る蛇を睨む。眼に鏃を突き立てられ、呪縛から逃れようとのたうちまわる巨大な蛇。

苦悶の叫びと共に吐かれた火球が空へ消え、地面を抉る。

  ―ドォンッ!―

1時の方向、至近に火球が落ちる。

「うわっ!」
兵士は手綱を引き、左へ避ける。衝撃で飛び散る土くれが降り懸かってくる。
兵士のとっさの機転がなければ、私は馬と彼ごと火球に灼かれていただろう。


 390695: ∴ ヘジャーブ・ハセラン 2004/02/01 21:45:00

「平気か?ヘジャーブ」
「ああ。それよりも、もうすぐ奴の領域に入る。気をつけて」


・・・ズキン!


「・・・くぅっ!」
兵士に気取られないように声を殺して呻く。
頭が・・・割れるように痛い。

あの時、大きな何かの囁きが私を飲み込んだ。

それが何を言おうとしたのかを私は覚えていない。

覚えているのは、異質な力の奔流。捕らえられた自分。使い魔達の悲鳴。

その次の刹那、フェリアスの乾いた大地の上に私は倒れていた。
倒れた私を心配するバケイとミリオラーネを振り切り、私は馬の操作を手近の騎兵に頼み、蛇への接近を試みる。


 390698: ∴ ヘジャーブ・ハセラン 2004/02/01 22:01:48

あの力に毒されたのか、体は石のように重く、呼吸も熱病にかかったかのように重い。馬の操作は彼に全て任せて私は、霞がかかったようにはっきりとしない意識を集中させる。


『おいで、生まれざる子。素敵なダンスの時間よ』

左腕に刻んだ紋様が薄く光り、きらきらと光の粒子が紋様の周りに集まる。

『あなたの相手はあの子よ。思う存分踊っておいで』

束縛も引きちぎらんばかりに必死にのたうち回る蛇。束縛の軋みは大きく、この一撃を外せば、束縛は外れ、この隊に壊滅的なダメージが来るだろう。

『激しく、楽しく踊っておいで。飽きたら壊して捨てておいで』

左の拳を握りしめる。


 390701: ∴ ヘジャーブ・ハセラン 2004/02/01 22:19:57

拳に電光が踊り、パチパチと空気に音がはぜる。
夜目でも蛇の鱗がはっきりと見えるぐらいに接近をした。首もとの束縛は既に解け、残った片目でこちらを認識する。
兵士の腕から力を振り絞って身を起こし、馬の鬣を掴み身を乗り出す。

蛇の口から、これ程なく大きな火球が私へ吐き出される。

馬は蛇の胴を蹴り上げ、それを避け高く空へ舞う。

眼下に残された黄色の蛇の目と、シュアリーが渾身の力で突き立てた鏃が見える。

「さあ出ておいで!生まれざる子、クイックシルバー!」



 390703: ∴ ヘジャーブ・ハセラン 2004/02/01 22:32:30

上空から拳を鏃に向けて振り下ろす。
紫の電光を纏った妖艶な狂女が、鏃をめがけて飛んで行く。

右目に雷電の狂女の熱い抱擁を受け、蛇はいよいよあらん限りの力で暴れる。

火球は絶え間なく吐き出され、不運な兵士や聖神を崇める者に作られた木偶は炎に飲まれた。


雷電が一層激しく光ったかと思われたその瞬間。
轟音と共に蛇の目から爆炎が吹き出した。


閃光。爆発。炎上。


炎から逃れごうごうと燃える蛇と炎を見る。

「なんとか・・・なった・・・」

ふっと気が抜けたのか、ぺたんと馬上の兵士の腕の中に倒れ込むと、すぐに眠気が私を襲った。

急に訪れた睡魔に抗う力もなく、私は眠りにつく――――。

 390713: 外交の間でRPスレを展開する事に関して ネヴァモア 2004/02/01 23:43:03

では次スレを立てることにしますが、
ラッセラン氏より外交の間には不適切との指摘を受けました。
RPスレを展開する上で避けて通れぬ問題であり、
何らかの見解を示すのがスレマスとしての責務だと思います。
よって以下に見解を記します。

なお当スレ及び次スレにおいては
この件に関する議論を行うつもりはありません。
それは議論の間等で行うべきことであるからです。

 390714: 1.当スレの位置付け ネヴァモア 2004/02/01 23:44:23

まず当スレが如何なるものか考えねばなりません。
結論から申しますと、

「危機に瀕した世界に対しての団結呼びかけ」

であります。
初代スレの冒頭演説をご覧いただければ
容易に理解していただける事と思います。
その目的の一環としてRPが行われている訳です。

国家とは世界の内に属す存在ですから、
世界に向けた呼びかけは当然国家に向けた呼びかけでもあります。
よって当スレは「団体→国家」という意味を有します。

 390715: 2.想定される批判 ネヴァモア 2004/02/01 23:45:39

「団体→国家」スレが外交の間に立つのは
在野テロ集団の宣戦布告等を筆頭に、
KOCの歴史上ごくありふれた事です。
当スレもその系譜に位置するもので、
慣習を大きく逸脱したものではありません。
また、「団体→国家」スレを立てる適当な場所となると、
それはやはり外交の間以外には考えられません。

さて、ここで一つの批判が考えられます。
外交の間は「国家→国家」というスレのみが許され、
「団体→国家」スレは許されないのではないか? という批判です。

外交の間の注意書き
「国家のアピールや宣言、国と国との交流を行う場所です」

を見れば、その通りという気もします。

 390716: 3.注意書きはあくまで例示的列挙である ネヴァモア 2004/02/01 23:46:49

しかし私はこうした見解を否定します。
上注意書きはあくまで例示的列挙であって、
文面に無いものは一切許されないという
限定的列挙を意図したものではないと解すべきです。

何故なら、多様な内容が考えられるスレというものを
網羅的に分類することは非常に困難です。
仮に各種掲示板の注意書きを限定的列挙と解し、
そこに記述されていない類のスレを一切認めないとすれば、
多くのスレが行き場を失いKOCが混乱するのは明らかです。

種々の無用で不毛な混乱を招きかねないのを承知で
限定的列挙と解すのは穏当ではありません。

 390717: 4.IFの行動に見る裏付け ネヴァモア 2004/02/01 23:48:01

IFの行動も上見解を裏付けます。
ゼロスパイアが最初に立てたスレを想起して下さい。

ゼロスパイアは当時は国を持たぬ一個人に過ぎませんでした。
その個人が、世界を挑発するためのスレ、
つまり「個人→国家」スレを外交の間に立てた。
これ即ちIFの判断では「個人→国家」スレも
外交の間において許容されるという事の表れです。
そして「個人→国家」が許されるならば
「団体→国家」も許されるのは言うまでもありません。



これらの理由から、私は当スレが外交の間で続行されるのは
全く問題無いと考える次第です。

 390718: 結びとして ネヴァモア 2004/02/01 23:49:34

私の見解は以上ですが、蛇足ながら若干の遺憾と
今後あるべき外交の間の展望などを述べてみたいと思います。

まず私が遺憾なのは、かかる指摘をされたラッセラン氏が過去に、


【大聖堂オフ恒例】じゃあ、始めましょうか。恒例のアレ。
『外交の事の家庭教師になってくださいっ☆』
|・)コッソリ


等のスレに何の批判も無く書き込んでいるという事です
(イッパイアッテナ氏のサイト(仮称)調べ)。

私のスレを外交の間に不適切と批判しておきながら、
大聖堂オフに際して盛り上がったり、
個人がこっそり壁から覗いているようなスレに無批判というのは、
些か納得致しかねます。

 390719: 補足 ネヴァモア 2004/02/01 23:51:03

注)

誤解の生じないよう申し添えておきますが、
自分の「暁星十字軍」スレは外交の間に適切で、
上に挙げた3つのスレは不適切
――などと主張するものではありません。
私はどれも外交の間に許されて良いスレと考えます。

ただ国家との関連の度合いという観点で考えると、
上3スレは当スレよりも関連は薄いと言わざるを得ません。
にも関わらずこれらには無批判であることに
異議を呈しているだけに過ぎません。

 390720: (終) ネヴァモア 2004/02/01 23:52:29

とは言え私はラッセラン氏を批判しようと望むものではありません。
寧ろ氏のように外交の間の使用法に敏感でありながらも
上のような矛盾に満ちた対応を取ってしまう点に、
この大聖堂というものの性質を看て取るべきと思います。

適切なスレを適切な掲示板へ。
一言で言うのは簡単でしょうが、
いざ実行するとなると様々な困難が生じるのです。

ではどうするか?
私はそこに排除の論理ではなく、
寛容の論理を用いるべきだと考えます。
さもなくば我々はスレの分類に追われる事になるでしょうし、
大聖堂はそれを許さぬ程逼迫してはいない筈です。

 390795: 一応反論 ラッセラン 2004/02/02 05:54:21

コッソリスレは、ヘルハンプールという特定国家への呼びかけスレだし、家庭教師スレは、国と国の関わりの説明を求めるスレだったはず。
いずれも国があってのスレになっていたと思う。
もう一つは内容覚えてないからなんともいえないけど^^;仮称は引っ越し中で、暫く携帯オンリーなのでみられないし(これはPLが原因なので本当にごめんなさい)

このスレは国への呼びかけにも見えないから、移ることを提案したんだけど、主観的に呼びかけていたのね^^;
気づかなかったよ♪

内容的にはおもしろいから読者やっているからこそ、正しい場所でやってほしかったんだけどね♪

 390842: このスレも一応……。 村雨響二 2004/02/02 13:44:55 Sage

聖神ゼロアースというNPC国家相手の呼びかけ、という意味では、国相手だとは思うのだがな……。

あー、これ以上はアースか伝言でやった方がいいぞ、間違ってもこれ以上ネヴァモアさんのほうのスレでやったら、スレ潰しの荒らしと大差ないからな……。


……さて、烙印も押されたことだし、何かRPのネタでも考えるか……?
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