暁星十字軍 第三章 390722:ネヴァモア 2004/02/01 23:55:45 (前回までのあらすじ) アースグリムとバケイ率いる暁星十字軍第一軍は ゼロスパイアとゼロアースの構える地へ向かう途中、 偽神の信奉者による攻撃を受けていた。 幻影と傀儡の軍勢がさながら大蛇の如き姿を模して十字軍を襲う。 その頃、教皇庁ではレヴィル枢機卿を中核とする 第二軍が出立の準備を終え、今まさに出陣しようとしていた。 一方遠いフーリュンの地では、 ネヴァモアが一つの決意と思いを胸に、 アルカリスとの面会を果たしていた――。 390724: 参考資料 ネヴァモア 2004/02/01 23:57:15 【第一軍】 ・アースグリム隊……聖職者中心。宗教騎士団的 ・バケイ隊……一般参加者中心。義勇軍的 以上二隊が交戦中です。 【第二軍】 ・レヴィル隊……改造兵中心 ・ガルガード隊……聖騎士中心 ・ショットマイン隊 ・クラディア隊(出発済)……救護・補給部隊 そろそろ出発します。 なお全軍が向かっているのは「ゼロスパイアの居る地」です。 ゼロウォンやゼロミーは諸外国に委ねるという形で 当軍の対象外となっています。 390726: 諸注意 ネヴァモア 2004/02/01 23:58:23 ・対ゼロスパイア、ゼロアース戦を目的としたRPスレッドです。 国家を超えた組織としての活動ができる場を設けてみました。 ・参加資格は一切問いません。 それが当スレに関連したRPの形を取る限り、 いかなるレスも否定しません。 ・自由に行動して下さって結構です。 設定上、教会からの指示等がある事もあるでしょうが、 それに拘束される義務はありません。 ・システムとしての報酬は一切ありません。 RPを楽しむ事に興味の持てない方は さしたる利益を得ないでしょう。 ・単調になりがちなシステム的な突破作業を 想像力で膨らませたいという方の参加は特に歓迎します。 390727: 諸注意 その2 ネヴァモア 2004/02/01 23:59:19 ・外交の間でRPスレを展開することに関しての私の見解は 前スレの最後に記してあります。 但しこの場において議論するつもりはありません。 390728: 本日分。 セバード・C・シェール 2004/02/02 00:01:28 「地上軍は混戦中、空中は正体不明の一撃離脱…やれやれ」 捕捉しにくい敵というやつは頑丈な敵よりやっかいだ。倒しづらいだけでなく、状況把握を困難にさせ、単なる交戦以上の混沌を呼び起こす。 がすっ、と敵の攻撃が舷側の外板を剥ぎ取っていった。一撃一撃は巨大な船を沈めるには不足…小型艦をかばうように戦艦を前に出したのは正解だった。だが、小さな傷でも射撃指揮装置や対地爆弾倉をやられれば非常にまずいことになる。いかにタフな存在にもアキレス腱は存在するのだ。 「ふむ…海兵、10人ほど魔術ライフル装備で上甲板!従兵、私用の増幅装置を…強力な奴を一つ、急げ!」 390729: ま、一緒に楽しみましょうよ。 セバード・C・シェール 2004/02/02 00:02:29 バタバタとあわただしくなる中、露天艦橋へと向かう。…丁度、別の隊の艦が被弾、脱落したところだった。 「教会艦隊装甲艦ニルス・ジュエル中破、速力低下。救難信号を出しています」 「自力で帰れ、と。今ちょっと手が離せません」 そうこうしているうちに指示した海兵が周囲に集まってきた。各々手に爆炎の呪文を封じ込めたライフルを握っている。 「よし、次に我が隊の艦に砲撃指示を。こちらの合図があり次第、指示されたとおりに全力射撃。それぞれの座標は…」 「司令、来ます!」 390730: ・ セバード・C・シェール 2004/02/02 00:02:58 何度目になるか、青い光がこちらへとつっかかってくる。速い…弾幕をたくみにかいくぐり、急速に接近…本艦への直撃コース、か。 「まったく、高速小型で火力は強力って反則ですよ…総員、用意!」 海兵が私の前へ横一列に並び、伏せ撃ちの姿勢をとる。戦艦、駆逐艦も旗艦の横に移動、前方へ向けられる砲門を全て開いた。 「…撃っ」 パッ、と一斉に火を噴く大小の火砲。その全てが…向かってくる光を丁度包み込むように放たれていた。当然、当たらない。…だが。 390734: これを切り抜けたら修理補給が必要ですかね。 セバード・C・シェール 2004/02/02 00:08:04 「逃げられないでしょう?」 少しでも進路をずらせばそこには圧倒的な火力の炎の輪。艦船の対空火器ならともかく、歩兵用ライフルの爆炎の呪文程度では大した傷はできないだろう。…だが、無傷でもあるまい。そこにつけこむ。 「喰らいなさい、豪華なブースト付き…疾風剣」 一般にラ・デルフェスの名前で知られる技だ。習得にはいささかのお金が必要だが、誰でも覚えられる。ただし、使用の際には使用者の攻撃力は大きく減少してしまう。先程従兵に持ってこさせたのはそれを補うためのドーピング…一回限りの戦闘能力増幅器だ。 この敵は、個人戦闘能力では私より強い。だが…直撃を受けては流石に無事ではあるまい。 390736: 逆にここで崩されるときついですね。ゼロ戦に戦力温存できなくなる。 セバード・C・シェール 2004/02/02 00:12:44 それでいい。 要は、こちらの艦隊行動を邪魔されなければいい。敵が回復に戻っている間にこちらはこの戦線を突破してしまえるのだから。 「地上の蛇…援護はちょっと難しいですね。上手く行けばいいんですけど」 まさか爆弾を当たるを幸いにばら撒くわけにも行かない。本当の意味で味方殺しになってしまう。 …この前哨戦、思ったより手間取っているが…援軍の到着はこちらの方が早そうだ。この戦場においては有利な要素は増えつつあるように思える…ティターンが起きるまでは。 390752: 苛立ち。 竜弥 2004/02/02 00:55:45 爆発音が鳴り響く。 昔ならば爆音を聞けば意気揚揚と先陣切って斬り込みをやるくらいは当たり前だった。 だが。 今は違う。 あの【声】がちらつく。 (……クソッタレ!!) ドカン!! 近くにあった壁を殴り付けた。 壁が崩れ掛けた。 (駄目だ……落ち付かない) あの時、問われて 「俺は残る」 ハッキリ決めたはずなのに…… 390753: 恐怖 竜弥 2004/02/02 00:56:09 怯えている。 遠い敵に。 「な、何事ですか!?」 さっきの壁を殴った時に生じた音が、よほど大きかったのだろうか? ゼアの兵士達は慌てて近寄って来た。 「……なんでもねぇ」 彼等の顔も見ずにその場から離れる。 「な、なんだアイツ?」 「ほっておけ、臆病風に吹かれた若造等」 ある程度年の行った兵士が嘲り笑った。 「おかしな司令官だ、あの若造如き、ほっておけば良いのに…こうして客人として迎えるとは」 辺りは嘲笑で溢れ返る。 390754: 唸り 竜弥 2004/02/02 00:56:41 露天艦橋――――― 「喰らいなさい、豪華なブースト付き…疾風剣」 綺麗な型だ。 あの気紛れ技を見事に扱っている。 目に眩い光りが飛び込んで来る。 見えない敵への恐怖 それさえも霞んでしまうほど その光りは眩しかった。 「……セバやん、手貸すぜ」 390755: 緊張 竜弥 2004/02/02 00:57:06 刀を抜いた。 程好い緊張。 この雰囲気がたまらない。 殺気でもない、ただ何処からか力が沸いて来る。 この感じ。 目を瞑り刀を握る手に力を込める。 辺りに風が吹き荒れる。 「さぁ……解放してやるぜ、お前等」 390756: 復帰 竜弥 2004/02/02 00:58:49 精霊達が騒ぎ出す。 「叫べ、轟け、風の怒りを感じろ……九頭・五月雨」 風が吼える感じだった。 艦隊が大きく揺れる。 この技なら当りどころが良ければ、戦闘不能に持ち込める。 悪くてもケガくらい追うだろう。 「技術でも、なんでもない、ただ純粋な力の技だ」 彼は大きく笑った。 別に避けられてもいいや。 久々に鬱憤晴らしが出来たから。 390783: 戦場 ブロウ 2004/02/02 04:12:38 繰り返す斬撃。 連続する爆音。 飛来する銃弾。 月夜の空に響く戦いの音色。 蒼眼の猫はその双剣で音楽を奏でる。 地上では悪夢から覚めた勇者たち。 上空で繰り広げられる現実に瞳を移す。 390784: 幻の蛇 ブロウ 2004/02/02 04:13:10 激しい閃光と爆音・・・その後に残ったものは、無。 幻と戦い、幻に傷を負い・・・混乱する軍。 己が放つ光が強いあまりに、その瞳に移る影は眩しいほどに強く。 しかし、その影をも消し去る激しく強き光。幻の大蛇は消え去る。 上空には現実の戦場。 390785: 現実の空 ブロウ 2004/02/02 04:22:54 狙い済ました銃弾が一点を狙う。さらに追い討ちをかけるように風が襲う。 避けきれず、障壁を張るも左腕を食われる。食われた左腕は大地へと落ちる。 左腕を食われた蒼眼の猫にさらに大きな風が襲う。 風は翼を食いちぎり、翼を失った蒼眼の猫は大地という名の空へと飛んでゆく。 390818: 大いに遅れた:埴輪 ショットマイン 2004/02/02 11:54:00 「さて・・・大分遅れてしまいましたが,そろそろ行きますかね」 そして,私は隊の編成を任せていた副官を呼びつけ準備のほどを確認する. 『魔道隊,準備整いました!』 彼の持ってきた名簿に目を通し,天幕の外にいる部隊員の前に出る. 「これより出陣する!我々の役割は魔道の力を使い,前線にて展開されている各部隊の後方支援をする事である!」 部隊員らの顔は,皆ある強い意志を秘めていた. (良い顔だ,相手は仮にも神を名乗る者,これくらいの覚悟が無ければな) 「ならば・・・行くぞ!」 そして私は,教皇の居る方向に身体をむけ聖句を口にした. (我等に聖神アースの加護を与えたまえ・・・) 390864: 「くく・・・・・」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/02 14:31:12 「今日は、あの村が異教徒だ!!殲滅せよ!!」ゲオルグは号令を掛けた。騎兵の群れは村に殺到しようとした刹那、村から放たれた無数の光線が幾人かの騎士を薙ぎ倒した。 「おろっ本物かい?」 村の中からゼロスパイアの名を唱える魔導師の一団が現れた。 「ぬう、俺の可愛い部下達を殺しやがって・・・・殲滅しろ!!」 数時間後焼け落ちた村にゲオルグはたたずんでいた。 「団長、4分の1がやられました。」 部下が彼に報告した。 「あいつらには運が無かったのさ・・・・」ゲオルグはつぶやいた。 390865: 「黒き騎士団の旗を汚さぬ戦いぶり・・・・」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/02 14:33:36 「貴様らの死、俺は忘れんぞ。」騎兵の群れは、死んだ騎士たちを埋葬し弔うと立ち去った。 390950: 黒の爪痕:くらら クラディア 2004/02/02 18:38:01 「本当ですか?!」 前線への合流まで後わずかと言うところで、先に行かせていた兵から報告を受けた 「あの村は、長くアース教を信仰していた村ですよ?!この十字軍にだって多くの……」 兵が、私の言葉を遮るように言う 「しかし、辛うじて息のあったものは、確にゼロアース討伐の軍が襲ってきたと……」 背に嫌な汗が流れる 「わかりました。隊は村を迂回して進軍を。下手に動揺させることになります、このことは取り急ぎ教皇様にのみ伝えて下さい」 「村は……」 「今は──仕方ありません」 兵が弾かれたように私を見る 予想外の判断ということか だが、今の私は隊を預かるもの それ以外の選択肢などないのだ 390955: ・:くらら クラディア 2004/02/02 18:59:08 「これを教皇様に」 半紙に短く文章を記す 『ゼロアース討伐軍を冠したものに残虐者あり。且は黒の騎士団』 兵は一度こちらに視線を向けると、わかりましたと言い残し来たときと同じように早馬でかけていった 「クラディア様……」 副官が青い顔で何か言いかける 「行きましょう。ここからは集中しなければさらに犠牲を増やすことになりますよ」 はい、と沈んだ声を返した副官を背に、歩みを再開する 「汝らの尊き魂が、アースのもとにあらんことを……」 囁きほどの小さな声で呟くと、ふわりと浮かんだ涙を払った 「見えた、右手前方!バケイ隊です」 声が上がる 「我等に汝らの加護を」 390992: 代行中。 ルティウ 2004/02/02 21:21:48 「うー……」 執務室。 来客用の机と椅子を陣取って、一人呻く。 現在戦闘中の第一軍、行軍の途中に新しい参加者があったと聞いているし、 援軍として出発されたクラディア様の医療部隊がそろそろ合流された頃だろうし… 第二軍はほぼ編成済み。 ならば、訪問者の中でこれから参戦される方は、自然に第三軍へとまわるのだけど。 そこまでは良い。 ぼくが対応することが出来ないのは、 ネヴァモア様に面会を、と求められる方。 そう長いこと出かけられている訳では無いだろうから、 お戻りになられるまでお待ち頂けますか?と返すしかない。 よって、訪問者の列は僅かにしか減ることが無い訳で… 390993: 。 ルティウ 2004/02/02 21:22:51 ネヴァモア様とアズライト様が出発されてから少し。 頭を抱える様にして俯きながら、既にめげそうなぼく。 …というか、もうめげた。 そもそも執務代行なんていう大任をぼくがやってていいのか? 自分でもわかってる。 無論良くない…。 指示を受けた時も、レヴィル様やアズライト様が見ている前で、 「ぼくがですかっ!?」と聞き返してしまった。 全く情けない話だが、受けたからにはしっかりやる。 やれなくてもやる気はある… なんとかして… ダメだ。 考えれば考えるほど後ろ向きに… 「うぅ…やっぱり早く帰ってきてください〜…」 半泣きになりながら、ぼくは思わず呟いてしまった。 391026: わずか一騎にここまでてこずるとは… セバード・C・シェール 2004/02/03 00:06:39 「前線突破!」 部隊が歓声に沸く。地上部隊も敵を撃破しつつあるようだ。 敵地上軍の主力を形成していたのはどうやら実体のある幻術。残余の敵は魔術師部隊と装甲騎兵がわずかに半個連隊… 「…時間と、戦力をかなり削られましたね…」 何人かの海兵隊員が血まみれになって倒れている。救護班が医務室に移送するべく応急手当の真っ最中だ。 高空での戦いは、それだけで危険を伴う。加えて、高速機動での交差戦闘、真空波衝撃波といった障害も立ちふさがる。…魔術やそれに類する防護を受けていない兵にはきついだろう。 391030: …毎度なんでこんなに長くなるんだろう? セバード・C・シェール 2004/02/03 00:16:40 先刻まで散々出血と時間の浪費を強いてきた敵は、はるか下の地面に落ちていった。 …高機動でこちらを翻弄するなら、自由に動けないトンネルの中へ放り込む、という策はとっさの考えにしてはうまくいったのだろうか。もっとも、あれだけの相手である。まだ死んだとは断定できない。過去の戦には、もっと凄まじい状況から生還した例もあるのだ。 「竜弥さん、傷はありませんか?」 「ああ、大丈夫だ。久々にスカッとしたぜ。すまなかったな、遅れちまって」 391031: ・ セバード・C・シェール 2004/02/03 00:17:18 敵の止めに手を貸してくれた…あれほどおびえていたのに。 どんな歴戦の猛者でも、戦場の恐怖に取り付かれることはままあること。そして、そんなときはまず待機させる…恐怖に心を縛られたまま前線に出しても無駄に死なせるだけだからだ。 「うちの兵も、先刻からの戦いでだいぶささくれ立っています。何かあったら遠慮なくその辺の士官に」 「ん…ま、いいんじゃないか?気にしてねぇよ」 通路での一件は先程報告を受けている…が、大丈夫だろう。なんといっても彼はあの竜弥である。気を回すのも、かえって侮辱になるだろう。なら、私は自分の仕事をするだけだ。 391036: ・ セバード・C・シェール 2004/02/03 00:20:54 「損害報告、及び再度の行動開始の準備を。2時間後には出発しますよ」 かなり性急だが、一刻を争う以上仕方が無い。戦艦は3隻、ただし各部が損傷しており戦力はかなり落ちている。教導駆逐艦のオベロンに搭載された新型指揮管制装置は健在だが、その高速計算装置で指揮すべき突撃艦隊はオンスロゥに続いてオリビが戦線離脱。オベロンとオファだけではさほどの戦力にはならない。 増援として手配したリューレンカイゼン級戦艦やハンター級駆逐艦の到着を待ちたいところだが… 391037: 戦場の常ではある。故に戦争は災いとなる。 セバード・C・シェール 2004/02/03 00:24:07 「地上ではどさくさにまぎれて暴行略奪も横行しているようです。…ま、この部隊の実情でもあるんでしょうけど…手を打たなくてはまずいんじゃあないでしょうかね」 この「十字軍」は神を名乗る者の討伐であり、私利私欲から来るものではない、とされている。 だが、実際には私のように自陣営が有利になるように参戦する者もいるし、戦場でおいしい汁を吸おうとする者が紛れ込むのはむしろ当然でもあった。だからよいというわけではないが…実際問題、地上部隊に何とかしてもらう以外、この件に関して私は何も出来ない。 391038: ・ セバード・C・シェール 2004/02/03 00:25:10 陸上へ派遣するための海兵隊も足りないし、対地攻撃力もヴァンガードの爆弾倉がやられたおかげで7割に減少した。なにより、それら山賊まがいの部隊を見つけるには捜索のための目が不足している。ワークホースたる駆逐艦が当初の半分では、索敵のみならず、艦隊が独立行動をするには制限が大きい。せいぜい、要請のあったポイントに爆撃を行う程度だろう。 391040: 巨人、起床。 セバード・C・シェール 2004/02/03 00:26:17 「司令、ダメージレポートです。読み上げます…戦艦セリス、要塞砲オムグ1門大破。主砲ボルテクス1基損傷、修復には3時間。戦艦リヴェンジ、一部の区画に亀裂発生。全力発揮可能。巡洋戦艦ヴァンガード…」 「…待った、耳をふさげ、急げ!」 (グァォォォオオオォォォン…) びりびり、と世界が震えた。 否、正確にはそこにある全ての者が身震いをした。 頭に直接響く、地鳴りのような声。 混乱から立ち直りかけていた艦橋は再び喧騒の只中へと逆戻りした。 391041: ねぼすけ。 セバード・C・シェール 2004/02/03 00:28:07 「…フーリュンの方角…起動しましたか。なるほど、醜い巨人です。神様名乗るなら怖さの中にも美しさを追求しても良いんじゃないでしょうか?」 遠く離れていても、そのイメージは戦場に立つ者全ての脳裏に投影されてくる。 巨人が光を放ち、そのたび人が舞い、城が崩れてゆく。 …正直、私だって怖いのだが。指揮官が先頭に立って冷静でいなくては、混乱は悪化するだけだ。虚勢も、使いようである。 391042: ・ セバード・C・シェール 2004/02/03 00:28:59 (…龍と、変わりませんね。あれでは…あの威力では…わざわざ出張る必要も無かったか…ん?) もう一体。マリアンルージュで起き上がった巨人がその光でフーリュンへと砲撃を行った。…距離がどれぐらいあると思っているのだろうか。だが、その光は確実に当たっている。 (…これが後2体。フーリュンには援軍が入っているようですが…戦力バランスは、微妙ですね。ここはこのまま行きましょうか…ゼロスパイアのところへ) 「…司令、あれが…」 「ティターン、でしょうね。陳腐化した龍と違い、今のところ撃破するための有効な手段は無し…ゼロスパイア撃破以外には。ま、進撃続行です…マイクを」 391043: 本日分おしまい。 セバード・C・シェール 2004/02/03 00:29:52 「帝国将兵へ告げる、こちら司令。テーブルの上のカードが2枚表になった。我が隊はこれより前進を再開、後続部隊の前を切り開く。敵通常兵力の歓迎も予想される、警戒怠り無いように。…こちらの手札はいささか目新しさには欠けますが…その分精鋭が揃っています。勝利への進撃を…我々が明日を笑って迎えるために」 再編作業を行いながらの進軍はどうしても速度が落ちる。補給部隊もじき追いつくし…今の第1陣では一握りの奇襲兵力で壊滅しかねないほど統率が乱れている。…動けるところが突出し、バルジを形成して警戒に当たらなくてはならない。第1陣に、今霧散されては困るのだ。 「…やれやれ。困ったものです」 391074: 今、歩む足並み揃いて フェンリル 2004/02/03 03:09:54 「…ツクモさん。それが研究成果か? あっさり壊されたようだが…まぁ、『完成品』なら 回復魔法で治るだろうな」 唐突に声をかける。 続けざまに響くのは飛竜の翼が風を切る音。 一体いつからそこに居たのか、 さらに百を軽く超える騎竜が背後にて翼を翻している。 「とりあえず、牙獣で繋がっているツクモさんには 言うまでもなく分かってる事だろう。 ――シンクレア君。 ティターン起動、その意味、 彼らゼロの思惑全て判断した上で。 改めて答えよう。 ゼロ、その全てを今否定する。」 391076: 今、歩む足並み揃いて・2 フェンリル 2004/02/03 03:19:16 「遅い…と、思うだろうな。 だが、それが人の歩む道。 一人一人が歩む速さは人それぞれ。 同じ速さなど存在しない。 だが、時には違えた道を歩む者達が、同じ道を歩む事もある」 言うと飛竜を転身させ、 背後に控える騎士達に号令をかける。 「この場に控える神滅騎士団総員!世界に散らばる騎士達よ! 我々は十字軍と共闘、共にゼロを討つ! 溜まりに溜まった自らの激情をその刃に乗せて 行く末を汚す者を切り刻め!」 沸き起こる怒号。 さてこの声が聞こえるだろうか。 そしてこの意味が…ネヴァモア、貴方に分かるだろうか。 光を継ぐ者よ。今、闇は汝の刃とならん。 391077: 進軍する十字軍 ブロウ 2004/02/03 03:25:20 ちぎれた左腕から血を撒き散らし、堕ちてゆく。 翼を失った体はなす術もなく地に沈む。 遠い彼の地でティターンが目覚め、戯れに城へ炎を放つ。 勇者たちは新たなる敵へ再び軍を進める。 堕ちた者はすでに土と同じ。広大な大地は数多くの死を抱く。 棺と化した大地を勇者たちは進んでゆく。 幾多の屍を礎に、刻まれてゆく歴史。 それでも勇者たちは進んでゆく。 391078: 堕ちた翼 ブロウ 2004/02/03 03:25:42 軍の通り過ぎた後に残った躯。 細々とか弱い光を放つ命の炎は消えようとしていた。 しかし消え行く光とは対照的に、その内に宿る闇は大きくなりあたりの闇をも巻き込み巨大化してゆく。 右眼の闇が覚醒しようとしていた・・・ 391110: 出陣 ディルザード 2004/02/03 11:39:22 「マイペースってことですかねえ…」 フェンリル団長がシンクレア氏に送る言葉への感想。 独り言が聞こえたのか、団長が睨む、思わず目をそらす。 「そういうニュアンスで言ったわけじゃないです、冗談です、冗談」 視線が外される、喉に詰まった空気を吐き出す、ふぅ。 「とりあえず、私は地上に降りますよ、私は空飛べませんから」 そう言いながら飛竜の背に立ち、重力に身を委ねる。 通常、ありえない高空からの自由落下は、 大地を足で蹴って得られる速度感とはまた異なる趣がある。 「…とりあえず、私以外の血が好きな面子でも待ちますか」 ・ ・ ・ 「何色の血の花が咲くのか」 391137: 合流:くらら クラディア 2004/02/03 12:50:00 眼前に、目的の人物を捉える 馬を操る兵に告げると、じょじょにスピードが緩みやがて停まる 「ありがとうございました。あなたは戻って医療隊の支援を」 「しかし……」 「私は大丈夫ですから」 微笑むと、兵はしぶしぶと去っていく そして、私は目的の人物のもとへかけていった 「バケイさん!遅くなりましたが、医療隊到着しました!」 彼が声に振り向くのが見えた 391141: 建て直し:くらら クラディア 2004/02/03 13:15:32 「後方に控えています。傷度に関わらず、負傷者をすぐにそちらへ」 急がなくてはならない理由がある 「ゼロスパイヤがフーリュンに開戦を。フーリュンは……今頃教皇様がアルカリス様と会談をなさっているはず……」 空気がぴりっとはりつめたことを肌で感じる 「それから、もう一件」 周りに聞こえないよう配慮し、近付いて囁く 「ゼロアース討伐の名で、村が焼き討ちに……。生存者は数人、ですが酷い怪我で恐らくはもう……」 声が震えるのがわかる 結局自分は彼等を見捨てたも同然だ 「まだ指示はありません。判断は任せます。私は私の判断でこちらへ」 早口に言った私を何かが襲う 視界がぐにゃりと揺らいだ 391144: はみだすなぁ:くらら クラディア 2004/02/03 13:29:20 「な……に?声……なん……の」 がくりと膝をつく 頭の中に、外に、音が響く 「てぃ……たーん……、目覚めた……闇が……来る……」 391162: 「くくく・・・・貴様等親子か。」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/03 16:41:35 ゲオルグは、街道上を安全な場所に避難しようとする旅芸人の親子に目をとめて冷ややかに尋ねた。 「な、なんだ、お前達は・・・・」兵士たちに囲まれた旅芸人の父親らしき人間がうろたえながら言った。 「お前らはスパイだ。だが、一人だけ助けてやろう。」 ゲオルグは親子の前に剣を二振り投げ出した。 「貴様らが、殺し合いをして生き残ったほうを助けてやろう・・・・」 「そ・そんな、御無体なことを・・・・私らは唯の旅芸人です・・・・」 「知らん、兵どもがお前らの芸を見たがっておる、命の遣り取りをなあ。」 「お・・・・お許しください!!私の命はどうなっても良いです息子の命だけは。」 391163: 父親は跪いて懇願した。 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/03 16:50:25 「お・・・・親父!くそ、俺の命は、どうでもいい親父を助けてくれ!」息子は、息を荒げて懇願した。 「ククク・・・・美しき親子の絆か・・・・・くだらん。」 ゲオルグは、そうつぶやくと剣を振りかぶり息子の首を切り落した。 「ジャック!!!」父親は、涙を流し絶叫した。 「くくカカカカカカ・・・・この爺ぃ泣いてやがる。」 「よくも、よくも、ジャックを!!」父親は地面に突き立った剣を抜きゲオルグに飛び掛ろうとした刹那、ゲオルグの剣が父親の鎖骨を砕き、足の腱を切断した。 391165: 父親は、地面に崩れ落ちのたうち回った。 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/03 16:56:40 「爺ぃ、命だけは助けてやろう。ゲハハハハハハ・・・・」 そう言い放ち、息子の首を乗騎の尻尾に縛り付けた。 「うごおおお、む、息子の首を・・・・」 「馬の尾飾りに、最適だな。さらばだ。」 ゲオルグはそう言い残すと部下たちに出発を命じ立ち去った。 地面に転がり身動きの取れない父親は号泣した。 「こ・・・こんな無道が許されるのか・・・・神よ、神よおお・・・・」 391177: (うっ・・・・このプレッシャー・・・・なんだ) 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/03 17:53:01 (今まで感じたことの無いプレッシャーだ・・・・) ゲオルグは、飛び起きた。 (寝汗が酷いな・・・・) その時、天幕の外からイズモが飛び込んできた。 「団長、シャレになってませんぜ。」 「どうした?」 「巨人が、歩き回ってます。」 「何を、寝ぼけ・・・」 ゲオルグの言葉は、巨人が発したと思われる咆哮に遮られた。 「あわあああ・・・・団長がやり過ぎるから・・・・天罰が・・・・」 「うろたえるな!!ここへ来たわけじゃあるまい。すぐに兵を纏めよ!!」 「はっ」イズモは転げるように天幕を出て行った。 「ティターンか・・・・」ゲオルグは静かにつぶやいた。 391209: うおっと。:てんなな@埴輪 てんなな 2004/02/03 20:34:57 突然足元が揺れる。 治療隊が到着したので、 てんぷらん(使い魔)を集めた直後だった。 「なるほど・・ティターンか・・。」 ゼロスパイアが言っていたティターン。 それらしき物が4つ。 「はぁ〜。あれじゃあかなり役に立たないかな。」 しかし、まだ気づいていなかった。 ゼロスパイアに押された《錆色の印》が変化しかけている事に。 391216: みんな夢の中 ヘジャーブ・ハセラン 2004/02/03 21:12:47 炎。炎。 泣き叫ぶ幼子。瓦礫に潰された母親。 息をするようなたやすさで、街は次々砕けていく。 偽神の兵が、燃え盛る城へ隊列を組み進む。体に刻まれた揃いの印。 殺意なき娘が招く殺戮。 招かれた巨人は踏み潰していく。 その街に暮らした者の思い出も、喜びも、夢も、全て。 燃え盛る城の中の私。 他に生きる者はなく、屍が床を埋める。 突如背中に突き刺さる無数の矢。胸を貫く倭刀。 床に倒れ込む私に振りかざされる大剣。 体に印を刻まれ、その剣を持つ男の鉄仮面の下は、優しかったあの――― 『いやぁぁぁぁぁっ!!!』 391227: 弱っ!? ツクモ 2004/02/03 21:36:33 「不意打ちとは言え、まさか一撃でやられるとは……これは本当に防御を強化せんとのう」 苦心の末の研究成果の余りに無体なやられ方に少し呆然としていると、背後に見知った顔がたくさん。 慌てて何時もの、にこやか笑顔に表情を戻す。 「いやいやフェンリルさん、これは…まあ、ちょっとした手違いってやつですよ。本当はもっと強いのですよ?」 クッ…一目見ただけで未完成品と見抜くとは、伊達に本物と戦ったことはないのう。 391230: ∴ ヘジャーブ・ハセラン 2004/02/03 21:55:07 「うっ・・・はぁ・・・はぁ・・・うっ」 身を起こしうずくまりながら、体に掛けられた毛布を無意識にきつく抱きしめる。夢の恐怖は体に深く滲み渡り、体の震えはしばらく収まりそうもない。がたがたと震える体を抑えようと、自身の腕を強く抱く。 「どうしました!?」 悲鳴を聞きつけたのか、救護兵の女性が私に駆け寄る。 周りを見ると、救護の兵が慌ただしく駆け回り、傷を負った隊員に処置を施している。 蛇を倒した後力尽きた私は、どうやらこの救護隊に助けられたらしい。 391237: ∴ ヘジャーブ・ハセラン 2004/02/03 22:11:32 救護兵の問いかけには答えず、私は野営地の空を見上げる。 私が眠っていたのは、そんなに長くはなかったようだ。 空はまだ藍色で、月もさほどは回っていない。 「・・・大丈夫。ただの夢だった。もう少し休むから、行っていいよ」 空を見上げつつ、私は救護兵に言い行ってもらう。 毛布を頭から被り再び横になるが、眠れるわけもない。 怖かった。最初の呼び声も、夢の中も。 あいつの思念がずっと私の中に残っているのが分かる。あいつが動く度、私の中の使い魔達が悲鳴をあげる。 胸騒ぎが収まらない。 自分の膝と腕を抱え私は毛布の中で体を丸める。 収まらない不安に怯えながら。 391239: 牙獣? ツクモ 2004/02/03 22:13:47 「はて?…何の話ですかのう?」 やれやれ、そんな事までお見通しとは…目敏い方だのう。 「あ、私は寄る所がるので、ちょっと失礼しますな。代わりと言っては何ですけど、アイツを連れてって下さい」 言って空を指差す。 そこにいるのは、虹色の鎧を纏い空に浮かぶ細身の騎士。 「アイツは光騎兵と言いましてな〜。光の無い所ではあんまり力出せないんですけど、それでも闇騎兵よりは役に立つでしょ。何と言っても空飛べますからな」 本当はネヴァモアさんと対戦させたかったけど、まあ仕方無い。 「高速移動を使った一撃離脱戦法が得意なんで、役に立てて下さいな?」 391317: 8・1/2:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/04 02:56:19 歌が聞こえた気がした。 懐かしい、美しい、切ない声だ。 ゆっくりと、ゆっくりと・・・・ バケイは目が覚めた。そしてまず視界に入ってきたのは泥だった。 彼は虚ろな瞳で僅かに微睡んでいたが、 次の瞬間バネ仕掛けの人形のように立ち上がり、周囲を観察した。 (蛇が・・・・薄れている!?) あれほど禍々しい気配を放っていた蛇は、 まるで煙のようにうっすらと闇空に映っている。 「隊長!」 兵士が飛び込んできた。 391320: ・: バケイ・カーロス 2004/02/04 02:57:05 「蛇が・・・・蛇が・・・・」 「落ち着いて。状況を説明して下さい」 バケイは顔の泥をこすり落としながら、兵士に語りかける。 「はっ、先程シュアリー殿が蛇の目玉に矢を命中させたのですが、 直後から蛇の形がぼやけ、攻撃が止み始めたんです!」 「ふむ・・・・」 一体何だったのか。 しかし艦隊からの火力支援もあり、 状況は打開できる目途がついたようだ。 (ショットマイン司教の魔道隊が到着次第、 前衛を交代してもらおう。 蛇が魔道の産物ならば彼の方が適役でしょう・・・・) 「バケイさん!遅くなりましたが、医療隊到着しました!」 白いアースの軍医服に身を包んだ女がバケイに声を掛ける。 391321: ・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/04 02:57:45 「クラディア司教・・・・ッ!」 バケイは安堵の息を漏らした。 なんとか。なんとか緒戦をこなすことが出来たようだ。 だが、この後のクラディアの言葉に、そして出来事に。 バケイは高ぶりを覚えることになる。 「何と酷いことを・・・しかもアースの名を騙るとは・・・・ ティターンが起動し、 未曾有の危機が世界に迫ろうとしている最中に・・・・」 バケイの肩が激しく揺れていた。 「誰か居ませんか!」 「あのう。僕でもいいですか?」 「あなたはリーバ様の・・・・」 傭兵団で見たことのある顔だった。 「はい。てんななって言います」 391323: ・・・:ばけ バケイ・カーロス 2004/02/04 02:58:29 「では、ミリオラーネ副官に伝令をお願いします」 「はい」 「指揮権を一時委譲する。 戦線を維持しつつ、艦隊と協同して敵を殲滅せられたし。 バケイは一旦戦場を離脱。盗賊を懲庸すべく「村」へ急行す。 隊員は持ち場交代後、自由に盗賊を遊撃せるを可。 奮闘を期待する」 てんななはメモを片手に、バケイの難渋な命令を必死に書き取る。 「えーと・・・はい、了解しました!」 「では、頼みましたよ!」 バケイはクラディアの脇を抜け、脱兎の如く駆けだした。 (間に合って下さい・・・・ッ!) 391345: 千里万里を見渡して フェンリル 2004/02/04 03:26:34 「マイペース…、 自分の『脈』も自分のペースで操れたら良いんだけど…な。」 ディルザードの言葉に軽く笑って返すと、 空に佇む光騎兵の傍へと竜を進ませた。 アースノヴァ騎兵、魔導甲冑。かつて左腕を叩き落された記憶は消えていないが、それだけに頼りにしても良い物だろう。 「さて…」 まぶたを閉じる。 実際に眼下に広がっているのはまだ「人の戦」でしかない。 目覚めたティターンの予想外の弱さ ゼロスパイアの醜悪なまでの挑発 傷と刻印 突然復興を語ったアルカリス これらがどう絡み合い、歴史を誘うのか… 「果たして今の俺に、それが見えるかどうか…」 白き小雪の左眼が静かに虚空を見つめる。 391347: 判断の遅さは、時として致命的な損失となる。 アースグリム 2004/02/04 03:28:19 消え去った蛇。 「やはり幻影でしたね」 副官が言う。 「人を殺せる幻影だけどね」 私の部隊の被害は消極的な対応だったこともあり、極めて軽微なものだった。 が。 つくづく悔やまれる。 私の部隊の被害が軽微であるのは、私の判断ミスの証だ。 「バケイ隊の被害は?」 「ただ今照会中です」 彼の部隊にこそ、第一軍の意義があると言うのに、むざむざと矢面に立たせて徒らに兵を損なわせてしまった。 「閣下!」 憮然と各方面からの報告を待っていると、ひとりの兵士が血相を変えて来た。 391354: それは、どこでも、どんな立場でも言える真理。 アースグリム 2004/02/04 03:32:56 一通りの報告を聞く。 「そんな話があるんですか――」 何でも、村をひとつ皆殺しにした集団が居ると言う。 「――まさかと思いますが」 事態の収拾に当たっていた筈がいつの間にか隣に来ていた副官は、報告を受けて考えに沈んでいた私を 嗜めるような目で見てきた。さすがに、良く分かっている。 「話が早くて助かるね」 敢えて、彼が注意を促しているところは無視した。私の答えに彼は、やれやれ、とため息を深くつき、 「猊下からのご命令は如何なさるおつもりですか?」 391359: その報いが、ネタ被りか、と(死 アースグリム 2004/02/04 03:38:17 「私は病状が芳しくなくて、起き上がれないんだよ」 私が「症状は軽微ではあるが」、身体を損ねていることは、猊下に報告済みである。 「――なるほど。それは、私が部隊を代行して率いるしかありませんね、バケイ隊の指揮下の中で」 「徒に無辜の民を傷つけ、アースの御名を貶める者を放置しておいて、世界平和もないでしょう?」 「剣を持たぬ者を剣で傷つけることを外道という――閣下の持論でしたね」 そういう風に言われるのは柄ではないですけどね、と私は応えながら、諜報に長けた者をひとり、先に現地の調査にやった。 「――では、あとはバケイさんと打ち合わせの上、よろしく」 「仰せのままに」 391374: 指揮権を委譲され:ミリオラーネ ミリオラーネ 2004/02/04 05:31:39 てんなな殿が伝令としてやってきた。 バケイ殿の指示を受け取る。 なかなかに実現困難な内容ではあるが、戦場では臨機応変も必要な行為であることは確か。 崩れそうなところに兵の補強をしつつ、余剰となっている兵を後退させ、遊撃のための部隊を編成することとする。 「シュアリー殿、続けてのことで申し訳ないが、別働隊を率いて、盗賊の捜索及び懲罰のために向かってくれないであろうか?賊がどこにいるかもわからぬ以上、空振りもありえるが、先ほど見せていただいた貴殿の気を読む能力に賭けたい。お願いいたす」 シュアリー殿をまっすぐ見詰める。 391395: 空 ディルザード 2004/02/04 10:58:23 体を落下させる直前、団長が笑った気がした。 はて、何かおもしろい事など言っただろうか? 団長の微笑とて、女の其れに違いない。 忘れていた事実に背中に冷めたいモノが走る、読心されたら殴られ… その冷気といらぬ心配も刹那の後の加速によって記憶の外へ。 「気持ち…好い」 思ったことがそのまま紡がれるのは本音の中の本音。 だが、ただ一点は忘れない。 今私の要る世界は、昨日までの世界であってそうでない。 戦場だ、誰かが死んだり、死なせたりする世界だ。 ま、この規模は久しぶりかもしれないが。 まもなく地表だ…着地したら一気に駆け抜け、敵将の首を狩ろう。 だから…もう少しだけ空に自分を委ねよう。 391424: 伝令。:てんなな てんなな 2004/02/04 14:05:53 起き上がった後、バケイ隊長の声が聞こえる。 「誰か居ませんか!」 役に立てないんじゃないかと思っていた矢先だった。 と言うより、無事な限り行動しないのは意味がない事だ。 「あのう。僕でもいいですか?」 次の隊長の言葉は少しだけ意外だった。 「あなたはリーバ様の・・・・」 ・・知られてたのか。 あまり(と言うよりまったく)活動してないのに、 知られているとは思ってもいなかった。 391425: 早く目的地に行くのは得意。:てんなな てんなな 2004/02/04 14:12:14 「では、ミリオラーネ副官に伝令をお願いします」 副官って言うと・・ああ。あの人か。 来る途中で見た気がする。 「指揮権を一時委譲する。 戦線を維持しつつ、艦隊と協同して敵を殲滅せられたし。 バケイは一旦戦場を離脱。盗賊を懲庸すべく「村」へ急行す。 隊員は持ち場交代後、自由に盗賊を遊撃せるを可。 奮闘を期待する」 なかなか難しい命令だ。 軍隊はやっぱ合いそうにない。 間違わないよう必死でメモを取った。 「えーと・・・はい、了解しました!」 「では、頼みましたよ!」 隊長はそう言った後、大急ぎで駆けていった。 たぶん村に急行したのだろう。 さてと急ぐかな。 391432: するすると。:てんなな てんなな 2004/02/04 14:28:50 僕には足はない。 失ったのではなく、もとからない種族だったりする。 だがその代わり、走るより早い進み方ができる。 僕は草むらを滑っていった。 追いかけてくるてんぷらん(使い魔)に、 バケイ隊長に協力するよう指示し、 副官・・ミリオラーネさんの所へ急ぐ。 391435: そして。:てんなな てんなな 2004/02/04 14:33:01 ほどなくミリオラーネさんを見つける。 そして伝令を伝える。 そして僕は村へ急ぐ。 てんぷらん達は強さはそれなりにあるが、 統制があまり取れていない。 それに今召還しているてんぷらんは12匹。 賊とやらがが何人いるか分からない以上、 もう少し召還しておいた方がいいだろう。 魔力が持つか分からないけれど・・。 391457: 「団長、十字軍の奴らが血相変えて探してますぜ。」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/04 15:52:52 当然である、黒き騎士団は十字軍を名乗って荒らしまわっていたからだ。彼は、薄笑いを浮かべ部下を下がらせた。 天幕の中に、幹部のゼスファが勢いよく飛び込んできた。 「おお・・・・ゼスファ後援の部隊が着いたか。エイクスで発掘したガトリング砲を・・うご!!」 ゼスファの鉄拳が彼を殴り飛ばした。 「貴様ぁ!!なぜだ!」ゼスファは叫んだ。 「く・・・・く俺の顔を!!」地面に転がるゲオルグは呻く様に言った。 「無垢の民を殺す事が、貴方にとっての聖戦なんですか?」 「く・・・」 「このままだと、我等は賊軍に成りますよ!!」 「証拠は無いさ、目撃者は全て処理している。」 「そんな問題ではありません・」 391459: 地 ディルザード 2004/02/04 15:53:35 地表が見えてきた。 着地するために実験段階の飛行呪文を唱える。 まだ、飛ぶことは出来ないが速度自体は落とせる。 ただ、ここで計算にミスがあったことが発覚、ちょっと遅かったようだ。 予想よりも加速して地面にぶつかる。 ドオオォォォン…!! えぐれる地面、それを確認できるということは無事だということ…か? 周囲を見回す…巻き添えは無いようだが… 違う問題がありそうだ、どうやら村のようだがつい先刻襲われた様子。 遠めにまだ燃えている家も見える… ゆっくりと立ち上がり、ひとまず村の中を見回りはじめる。 賊か、怪物か、敵か…近づく宴に思わず頬が緩んだ。 391463: その時、一人の兵士が飛び込んできた。 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/04 16:02:03 「団長!ていへんだ!!」 「どうした。」ゼスファが応えた。 「近在の村々の住人が我が軍を包囲してやす。」 「ち・・・団長が、荒らした村人の生き残りが、伝えたんだろ。団長、どうするつもりだ?」 「ゼスファ・・・・何の為のガトリング砲かね。」 「ま・・・まさか・・・・」 「今、使わずにムザムザ草民の餌食になるつもりかね・・・・くく」 「団長・・・・クソッ」 数時間後、地面には村人の屍の山が築かれた。 391466: 戦闘後に開いた宴に 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/04 17:08:02 一人の隻眼の男が近づいてくるのを黒鎧の兵士が誰何した。その身分を示す証に兵士達は動揺を隠せなかった。 そこに、ゼスファが現れて言った。 「これは、これは十字軍の騎士殿。丁重にお通ししろ。」 彼は、そう言うと隻眼の男を自らの天幕に招きいれた。 391480: 幕間。 シュアリー 2004/02/04 17:46:29 蛇を仕留める事が出来たのは良かったものの、土塊に幻影を重ねたそれに突っ込んだ所為で、ローブの下に着ていた上着まで泥だらけになってしまった。 仕方が無いので、神父から――このような事態に備えて僧衣を3着も持ってきていた彼には、やはり感謝せねばなるまい――僧衣1着を借り受けた。 漆黒に豪奢な銀のラインの入ったそれ(これでも戦闘用に控えめな奴だそうだ)を見ながら、似合わないだろうなと、色々な意味で思った。 長身の彼から預かったそれと小柄な自分の身体が吊りあっていない事には、着た後で気付いたのだが。 391482: ・ シュアリー 2004/02/04 17:47:58 隊の副官に話しかけられたのは、ブーツの奥に潜り込んだ砂を掻きだした後、再び履き直そうとしたときだった。 (・・・盗賊、ね) 彼女の真っ直ぐな視線がこちらに注がれているのを感じつつも、考えを纏める為に、ブーツを不自然ではない程度に時間をかけて履く。 正直、あまり嬉しい依頼ではなかった。 自分の目的を果たす為には、出来るだけ多くの兵と行動しつつ自分からは積極的に動かない事が一番だろうと思われた。 しかし、だからと言って一応の上官からの依頼を無下に断って良いものか。今後の動き易さも考えれば―――― 391484: ・ シュアリー 2004/02/04 17:49:42 ・・・ま、仕方ないか。 視線をブーツから上げつつ、立ち上がって彼女と視線を合わせた。 「了解しました。 では早速、賊の探索に向かおうと思います。 つきましては、そこそこで構わないので腕の立つ兵を・・・いえ、4、5名ほどで構いません。先刻の戦闘による損害と混乱を考えれば、あまりこちらを手薄にするわけにもいかないでしょうし。 それと、足の方をお願いしたい。馬か・・・出来れば飛竜辺りを。」 391537: 村。:てんなな てんなな 2004/02/04 20:51:53 賊とやらがいる村に到着した。 てんぷらん(使い魔)は集まって話をしている。 バケイ隊長が何処にいるか分からないらしい。 こっちが早く着き過ぎた可能性もあるが、 とにかくなにもしないのは無意味だ。 僕は召還魔法を唱える。 もはや慣れているこの魔法に、 そんなに時間は必要としない。 てんぷらんは23匹。 先ほどなにか爆発音が聞こえたのを考えて、 賊が爆弾などを持っている可能性もある。 「賊がいる所を発見し、発見次第包囲。警戒しつつ、 僕に知らせて。」 そして僕はてんぷらんの一匹に、 結界を発生させる本を持たせながら、 そう言った。 391571: 第二軍、行軍風景 レヴィル 2004/02/04 22:56:41 ――その軍勢は雲霞の如く。 打ち鳴らされる軍靴は尽きることなく土埃を巻き上げ、打ち合わされる得物は遠雷に似た響きを発す。 翻る旗は多数。それらはあらゆる顔料を撒き散らされたように色彩に統一は無く、ただ混沌としたうねりを見せるばかり。 頭上を舞う鳥とて、果たしてその群の末を見通せるかどうか。 暁星十字軍、第二軍。先行して出立した部隊を除いても、その総数を知ることは能はずと言われる武人の群の行軍である。 先んじた他部隊、及び第一軍と合流するまで早くとも三日。 さらにその先。合戦の火蓋が切られるそのときまで、歩みを止めることは無し――。 391573: 大義とは:ミリオラーネ ミリオラーネ 2004/02/04 23:27:56 断られても仕方のない要請にシュアリー殿は応じてくださった。 飛竜を出動させるように言われて、制空権のことに少し不安がよぎったが、彼の言うことももっともゆえ、5人の兵士と共に飛竜を編成からはずす。 「くれぐれも無理はせずとも構わぬ。目的は大切であるがまず生き抜くことが肝要。甘いと思われるかもしれぬが、命あってこその大義だと私は思う。無理して命を落としては何にもならぬ上に、大義を実現させることも出来ぬ」 訓辞じみた送り出しの言葉ではあるが、私には他に言う言葉を見つけられなかった。 すべてがうまく行くわけがないとは、わかってはいても、そう願わずにはいられない私がそこにいた・・・・・・ 391576: 帝国軍より伝令来る セバード・C・シェール 2004/02/04 23:43:11 「…本隊が、動いた?」 「はい、帝国軍主力はゼロスパイアの下僕ネウガードに対し攻撃を開始したとのことです。我が第22戦隊の主力も、攻撃拠点の防御に用いられると」 「主力艦隊どころか増援も差し止めですか…ですが、この動きは歓迎するべきなんでしょうね」 たった今届いた通信は、旗艦ライネをはじめとするゼア帝国艦隊主力が出撃、ネウガード攻撃の一角に付いたということと、その攻勢のために私の直率部隊にたいする増援は大幅に規模を縮小するということだった。 391577: 事実上の差し止め。 セバード・C・シェール 2004/02/04 23:44:55 「結局、旧式戦艦のコロッサスにL級駆逐艦のルックダウンとランサーの3隻…なんとも微妙ですね。一応高速工作艦も派遣してくれたみたいですが」 旧式戦艦よりも、手ごろな巡洋艦が欲しかった。汎用艦が無いことによる不便さは先刻痛いほど味わっている。 工作艦の修理でどこまで戦力を回復できるかが鍵になるだろう。 「で、教会軍はこのまま前進、と…一個隊が盗賊の捜索・撃破に派遣ですか。…オンスロゥが応急修理を終えていましたね。援護につけましょう、上空援護が有ると無いとではかなり違います」 391580: ・ セバード・C・シェール 2004/02/04 23:52:31 無論、全力発揮はできないが、敵に制空艦隊がいないなら破損した駆逐艦でも十分である。艦艇と言う名の浮き砲台は火力支援にはもってこいの存在だった。 追い詰められた盗賊たちは、その凶悪さを存分に発揮する恐れがある。本物の教会騎士団を見て恐れをなせば良いが、自暴自棄になられては色々やっかいだ。思わぬ損害を受ける可能性もある。…まぁ、保険である。 「オンスロゥの艦長には現地部隊の指揮下に入るように、と。ただし、特攻等は認めません。…いささか消化不良でしょう、頑張ってきてください」 391581: ・ セバード・C・シェール 2004/02/04 23:56:07 「我が戦隊はこのまま前進、ティターンがさらに凶悪化した上、ゼロアースに迎合する艦隊の出現も予想されます。各艦、警戒を怠り無いように」 傷ついた6隻の艦隊が前進を再開する。中破判定を受けたヴァンガード、オリビ。他の4隻もあちこち破損しており、その戦闘能力は確実に落ちていた。 地上軍も補給を受けたとはいえ、兵もかなり疲弊しているだろう。…ここらで第2陣と交代させなくては早晩戦力としては使い物にならなくなる。 391582: ・ セバード・C・シェール 2004/02/04 23:57:36 巨大な戦力というものは、それだけ消耗も激しい。艦隊なら総力挙げての決戦は2回が限度…小規模な敵との交戦でも5回ぐらいが限度である。まして混戦になると、下手をすれば勝っても再編が必要な場合も多い。これは地上軍も同じである。 だが。流石に名だたる勇士の揃った部隊、全体としての連携は不出来でも、個々の部隊の統率は非常に良く取れている。部隊単位での混乱は最小限だった。 「…ジリ貧は勘弁願いたいですが…幸い、まだ十分に戦えるようですね。さぁて…戦はまだまだこれからですよ…」 391583: 戦場の明日は霧の中。 セバード・C・シェール 2004/02/04 23:58:59 ゼロアース側の戦力も徐々に充実しているようだ。正面戦力で圧倒できるのがいつまで続くかわからない。攻め込めるときに、攻める。 守勢に回り、援軍の到着やネウガードの陥落など状況の好転を待つということもできるのだろうが… 「受身になっては…戦は勝てませんからね」 故に艦隊は、見敵必戦をモットーとする。脅威は取り除けるうちに取り除く。…そうでなくては、いつその脅威に自分が打ち倒されるかわからないから。 391671: 「これで、枢機卿も満足される・・・。」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 10:17:04 「ふふふ・・・法王庁内の権力争いに、あの御方が有利になるんだろ。ま、俺には関係無いがね。御代の方は、頂きますよ。」 ゲオルグは冷めた微笑を浮かべて隻眼の騎士に言った。 「サー、ゲオルグ、報奨は十分に支払おう。でだ、今度は十字軍の補給路を脅かして貰いたい・・・・。」 「そう、来ると思ってな、既に雇った盗賊達をばら蒔いてある・・・・ククク」 「政治の世界に理想は愚者の創造の産物だからな。ああ、もう一つ依頼がある。」 「あん?」 「少年十字軍を潰してくれ。醜悪だ。」 「ああ、宗教的情熱に燃えたガキどもを集めた、あれか?」 391673: 「カール、少し休もうよ。」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 10:23:40 金髪であどけなさの残る少年は肩で息を切らしながら言った。 「ヨーヘン、みんな、少し休もう。」 カールと呼ばれた少年は、少年十字軍のメンバー達に休息するように指示を出した。 少年達はネヴァモアの演説に感動し、各地から集まってきた。当初法王庁は、彼らの存在を煙たがった。しかし、宣伝に使えるという事で、彼らに医療隊としての役割を与えていたのだった。 連日の強行軍で、全員が徒歩である少年十字軍は、本隊から落伍してしまったのだ。そこに、悲劇が訪れる。 391674: ヨーヘンは、気恥ずかしそうに 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 10:25:36 茂みに入り、用を足し始めた。その時であった。休息する少年達の頭上に無数の矢が降りそそいだ。 391675: 「ゲハハハハハア!!!ガキどもを踏み潰せ!!!」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 10:29:31 森の中から突出した、黒鎧の騎士達が雄叫びを上げながら少年達に突入した。少年達は、その勢いに圧倒され身動きができなかった。 子供達は次々と膾の様に刻まれ死んでいった。 「団長、動くものは誰も居なくなりました。」 「そうか・・・・・引き上げだ。」 黒鎧の騎士達は立ち去っていった。 391676: ヨーヘンは、ヨロヨロと茂みから這い出した。 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 10:31:51 彼の目の前に、先程まで談笑していた少年少女達の骸が転がっていた。 「ああああああ!!!みんなー!!」少年の絶叫が、森にこだました。 391684: 私は流れを止めるのは嫌いな性質 ディルザード 2004/02/05 11:15:16 響き渡るまだ明らかに幼い悲鳴。 耳に優しくない、目に優しくない、普通ならば。 「ここまでついてきて今更だが…貴方は一つ勘違いしているかもしれない」 引き返す黒の集団の中、それを率いているであろう人物に語りかける。 だが、彼はこちらに振り返りはしない、それでも、構わない。 「私は確かに今回の十字軍に参加しているが、騎士じゃない」 動揺してか、ようやくこちらに振り返ってくれた。 「まして、アース教など…勘弁して欲しいな、正してくれないか?」 ますます、といったところか?いい表情になってきた。 「その勘違いのおかげで面白い話は聴くことが出来ました、サンクス」 391688: だから流れとして受け取ってくれたまえ ディルザード 2004/02/05 11:22:58 柄じゃないが、おどけた調子で微笑んでみせる。 安い挑発…自分でもそう思う。 「アースのガキがいくら死のうと知った事じゃない、むしろ歓迎」 やばい、ノッてきたらしい。 湧き上がる言葉を溢れる勢いそのままに吐き出している。 「遠くが五月蝿い、『賊』を探しているんだろうな。 私としては、『賊』扱いは勘弁なので、君の言う『騎士』になろう」 すうっと、剣を抜き放つ…さて、自己紹介だ。 「神滅騎士団ランシュバイクが一神滅『騎士』ディルザード、参る。 覚悟しな、『賊』のみ・な・さ・ま…ククク」 391692: 「ふふ・・・愚かな奴よ。俺を切りたいのなら切れば良い。」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 11:45:10 「ふふ・・・愚かな奴よ。俺を切りたいのなら切れば良い。」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 11:43:46 New! 「だが、俺の話を聞くのも一興じゃないかね?」 ゲオルグの傍に立つ青い長髪の騎士と黒い長髪の騎士が剣を抜いて立ちはだかった。 「紹介しよう、斬りこみ隊長のイズモとゼスファだ、二人とも手練(てだれ)の騎士でな。」 391693: 「ま、話を聞けよ。」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 11:46:59 「俺達は、今回、ある依頼を受けていてな・・・・お前が俺の騎士団を目の敵に、するのは構わんが・・・・貴殿が賊として追われることになるぞ・・・・クククク・・・・」 391697: 「まあ、殺し合いですか」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 11:57:48 「みなさん・・・・武器を引きましょう。」 「リンレー殿か。」ゲオルグは呻く様に言った。 「今回は、団長も悪いですよ。ディルザード様ですか、今回は引いて貰えませんか?もちろん、お引きにならなくても結構ですけれども、私を含めて、これだけの手練相手に貴方も無事に逃れることは不可能ですよ。」着物姿の闇エルフは、屈託の無い笑みをもらした。 391716: 出発間際 アースグリム 2004/02/05 13:33:41 「バケイさんも出てったって?」 「はい。代理の方がすでに指揮権を引き継がれたそうで」 「――単身で出てどうなるって言うんだ。本職は、ジャーナリストだろうに」 「最低限の護身はできるでしょう。戦場を駆けるジャーナリストでいらっしゃいますし――閣下も閣下で、そんな軽装で出られるおつもりですか?」 「探索、捕獲、処分――この手順の中に、鎧、盾が必要な箇所があるかい?」 「武器は?」 「無手だと思ってもらえれば、もうけものですよ。賊、と呼ぶのも汚らわしい連中の血など、私の剣にふさわしくありませんし、まともな戦闘をする気もないですからね。この程度の武器が丁度良いのですよ」 391717: 勝手に作られた組織が壊滅。やりきれないなぁ。 アースグリム 2004/02/05 13:38:21 ――そんな副官とのやりとりの後、私は出発し、唯一持った『武器』で、この辺りに存在する生き物の気配を探索し続けていた。先に出発させていた斥候からの報告を受けて、場所を絞り込み、再度探索。 「この辺りか」 数本飛ばした『それ』に、ひとつの明確な反応。次々に死んでいくものがある、と『それ』は教えてくれた。 「すまない、間に合わなかったか――」 つまり、私たちは再発の恐れのある事件をきっちり見事に再発させてしまった、というわけだ。 間の抜けた話だ。しかも、身内で。 391719: 、 アースグリム 2004/02/05 13:39:11 位置は、少年兵の集団の辺り。 『少年十字軍』などと、まだ剣を持つには幼すぎる彼等の結成に、私を含め上位聖職者陣は反対だったが、志願者の数が尋常ではなく、信徒たちの願いに遂に折れた形で結成されてしまっていた。 『認めねば、黙ってでも彼らは行くだろう』 そして、その保護者に私はなっていたわけなのだが。 彼らには、我が隊の一番後方を担ってもらっていた。徒に矢面に立たせることを避ける為だった。その為、私の隊の本隊からは少し離れている。 それが、裏目に出た形だった。情けない。今回はやること為すこと皆裏目に出ているようだ。 391721: 、 アースグリム 2004/02/05 13:40:59 賊の首魁の名が、『それ』から振動となって伝わってきた。 『暗黒騎士ゲオルグ』 「なんだ、組織Sの一員じゃないか」 思わず声に出る。まさかと思うが、ゼロスパイアの軍門に降ったというネウガード国王の差し金か? 私は、連れてきた斥候の兵士に本隊に戻るように言い、このことを大々的に宣伝するように言った。 『村を焼きつくし、殺しつくし、奪いつくしたという蛮行に 及んだのは我が十字軍に非ず。 首魁は暗黒騎士ゲオルグ。 聖神兵団ネウガードに仕え、国王が盟主である「組織S」の一員である』 391722: たまには、直接的でない動きもしてみましょうか。 アースグリム 2004/02/05 13:42:07 「首領の名だけで宜しいので?」 「余計な敵まで作りたくないですからね」 限りなく黒に近い灰色でも、黒ではない限り言わない方が良いこともある。 何より、今はかの者の存在を知らしめることが必要なのであり、宣伝するのは事実だけで良い。 「――以上から、暁星十字軍は無関係である」 と導き出せる材料さえあれば。 「それに、これで、関与していることが知られて困るところがどう対応してくるか、それを見ることで『敵』の力量も測れますからね」 動きを封じられれば重畳。表に出て来てくれれば完璧。 そう思いながら、私は兵士と別れ、その場所へと向かった。 各方面に放った『それ』を手元に戻しながら。 391730: ―幕間―その後の本隊の動き。 アースグリム 2004/02/05 13:52:44 「よく知らせてくれた。クラディア司教もいらっしゃることだし、早速対応に当たろう」 アースグリムと別れてから数刻。兵士は本隊に戻り、主命を果たしていた。 その報は瞬く間に第一軍に広まり、兵士達は名を騙られ、自分たちの名誉を傷つけられ、首領とその一党に激しい憤りを感じたようだった。 特にアース教徒で構成されるアースグリムの本隊では、 「賊、直ちに討つべし」 との声が大いに盛り上がった。 391732: 。 アースグリム 2004/02/05 13:55:20 が、 「我等ネバーランドの民の敵は、このような小物ではない。 諸君の剣は、ゼロスパイアに対してのみ向けるように。 このような悲劇を繰り返さぬために、この怒りを、悲しみを、 私たちはただ目的の為にだけ注ごう。余計な戦いは、聖神も、 我々も、教会も望んではいない。ここは私を信用してほしい。 具体的な方針は、私の副官が知っている。彼の言葉を、 私の言葉と思うように」 このアースグリムからの文のため、大きな混乱は起こらなかった。 391740: 「ククク・・・・はぁーはっは。」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 14:31:10 「そうか、そうか。下らん廻し文だな。」ゲオルグは紙切れをプイとゼスファに渡した。 「団長、潮時だ兵を下げましょう。」 「ふむ、潮時か・・・・・確かにな。補給も十分でないし本国が攻撃されているという情報もあるしな。ゼロスの首を横合いから取りたかったんだが・・・・」 「団長!!未練がましいですぞ。ディルザードが増援を連れてくればやばいです。」 391767: 置き土産 ディルザード 2004/02/05 16:45:18 『これだけの手練相手に貴方も無事に逃れる事は不可能ですよ。』 確かに、私の方が数の面で圧倒的に劣っている。 このままなら。 とは言っても私は増援を呼べるほど高い地位にも無い。 ひとまず、剣を鞘へと戻す。 『解っていただけましたか』 「やり方を変える…それだけだ」 懐からマッチを取り出し点火する。 『今更、火責めですか?芸が無いどころか、無謀ですよ』 「…私は退こう、目的は君らじゃない」 マッチに異変が起きる、急激に燃え上がり、ゲオルグの一団を取り囲んだ。 うねる炎が姿を変え、十数頭にも及ぶ狼の群れとなった。 「足止めで十分、私も急ぐのでね」 391768: 「十字軍に使いを出せ!!」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 17:11:30 「我に敵意無しとな、我らは邪教の輩を狩っていたに過ぎん。 仮に我が軍の行動に関して異論を挟むのなら、挑むが良いだろう。しかし、我が軍と戦い貴重な邪神討伐の兵力を損耗させるのか、我が軍を黙認しゼロアースの連中と戦うのか、どちらが特か考えたまえ。我が軍は貴族出身者も多い、たかだか身分の低い村人の為に犠牲を出すつもりかね?よく考えたまえ。」 391769: 「兵を展開しろ・・・・鋒矢の陣を執るぞ!!」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/05 17:22:56 彼の号令の元、騎兵、歩兵、銃兵、砲兵がそれぞれ陣を固めた。 「十字軍の奴等来ますかね?」 「さあな・・・・・。」 「兵数は向こうの方が多いですぜ。」 「約5倍か・・・・・おい、お前等の命をくれ!!」 「おおー!!」兵士達は喊声をあげた。 391781: ん?:てんなな てんなな 2004/02/05 18:33:42 火が上がっている。 いや、よくよく見れば、火の狼の群れがいる。 てんぷらん(使い魔)達がそこに集まり始める。 「なるほど。誰かが戦闘を始めている訳か。」 坂道をすべりながら、そうつぶやいた。 391798: 自らの罪の業火に焼かれるが良い。 アースグリム 2004/02/05 19:14:12 「・・・鈍感なのか馬鹿なのか」 口に出してからどちらでもいい、と思った。 距離的には十字軍本隊に肉迫しているのに、逃げようともせず、今更、 「敵意なし」と投降したところで自分達が助かると思っているのだろうか。 私の武器は、「糸」。 人の目に見えぬほどに細く、金属など簡単に斬れてしまうほどに鋭く硬い糸。 もう、彼らの部隊を糸は補足していて、私の合図ひとつで全員の体をバラバラに切り刻むこともできたし、彼らの会話は、糸の振動を通して筒抜けだった。 391801: 、 アースグリム 2004/02/05 19:33:59 では何故そうしないのか。 理由は簡単で、私は無駄な殺しはしない主義だからだ。 「十分逃げる時間は与えました。やれやれ、こうも鈍感だと、手応えが無さ過ぎですね」 できれば逃げて、黒幕の存在を暴きたかったが、時間にも限度がある。こんな小物に時間を割いたりする方が無駄だ。 「死んだ方がマシ、と思うでしょうけど」 私は、契約している火の精霊を糸の上で走らせた。 391805: 。 アースグリム 2004/02/05 19:45:29 「その糸は決して解けない。そうですね、ゼロスパイアくらい強ければ分かりませんが。 悔い改めなさい。そうすれば、解いてあげます」 糸を走る炎は彼らの体には決して燃え移らず、ただその凄まじい熱で彼らを炙った。見れば、あまりの熱にすでに発狂している者も居る。 「はじめまして。正真正銘のアース教徒、アースグリムと言います」 誰も聞いていないねは承知で私はそう言って炎に苦しみ悶える彼らを観察した。 391854: あぅ、ウ゛ィーさんありです:くらら クラディア 2004/02/05 22:37:39 「それで、その子はどこに!?」 連絡を受け、私は急いで医療隊のテントへ向かった 「こちらです。ただ、酷く混乱していて手の施しようが……」 ばさりと入り口のホロを捲ると、中から若い叫び声が聞こえてきた 「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!皆が!皆がぁぁぁぁ!」 「クラディア様!」 数人の医療兵が体を押さえつけているものの、その力は少年とは思えないほどだった 「あなたね……、名前は?」 「司教様!助けて!皆を助けて!殺される!僕も!僕も死ぬんだっ!!」 ぱぁんと乾いた音がして、少年が何事だろうと目をしばたかせた 彼の頬と同じ痛みが私の右手にもあった 391860: 微妙に私の管轄かと思い冷や汗ながしてました:くらら クラディア 2004/02/05 22:51:30 「落ち着きなさい。ここはもう安全です」 微笑みながら優しく少年の体を抱き締める ゆっくりと力が抜け、代わりに彼の頬を涙が伝う 「名前を言えますか?」 「ヨー……ヘン」 「ヨーヘン、ですね。ここは十字軍本体の医療隊駐屯地です。ここに居る全員があなたを守るから、安心して下さい」 「みん……なは?」 問われて、静かに首を横に振る 彼もそれ以上何も言うことはなかった 「女性の看護医を……できれば彼の母親と同じくらいの年の付き添いを必ず置いてください。何かあったら連絡を」 兵に言い残し、その場を後にする 噛み締めた唇から仄かに鉄の味がした 391867: 嫌な役をすみません:くらら クラディア 2004/02/05 23:11:58 そこに、一通の文が届けられる 「いまさらこんなことがわかったところで、失われたものは戻らないわ!」 水差しが床で弾ける 「だから私は反対したわ!未来のあるものを危険に晒すなんてっ!」 肩で息を整える うろたえる兵に短く謝罪すると、言った 「ごめんなさい……。そぅ、バケイさんとアースグリムさんが向かったのね……。では、副官のミリオラーネさんに伝言を。2軍本体が出発したと連絡が入っています。今は一刻も早く隊を建て直し、本戦に控えてくださいと。賊討伐は心配ありません。我々は我々の役目を果たしましょう」 まるで自分自身に言うように言葉を放つと、深く椅子に腰かけた 391916: 夢 竜弥 2004/02/06 00:48:49 ここは何処だ? 俺は何を見ている? 「お前なら……」 誰の声だ? 「私を受け入れて」 ……わからない。 画面が突然変わる。 刀と槍を交わらせる男二人。 片方は黒い衣服に見を包み刀を振り回す 片方は…… 「ゼロスパイア……」 391917: 追憶 竜弥 2004/02/06 00:49:19 そうか、夢か。 あの時の夢。 御互いの得物を振り回し、戦い続ける。 まるで無限のように時を忘れて。 しかし、それも長くは続かなかった。 刀を持つ男の動きは遅くなってきたのだ。 そして、偽神は槍で男の刀を弾き飛ばした。 「……まだまだっ!!」 391918: 敗北 竜弥 2004/02/06 00:49:56 男は刀を拾わず、ただ目の前の敵に向かう。 拳を握り締め。 偽神の顔に、叩き付ける為に。 拳を繰り出し、敵の顔を完全に捉えたつもりだった。 偽神は槍を薙ぎ払い、柄の部分で男を地面に叩き付けた。 「ふん…」 まるで余裕の顔だ。 男の方は笑みを浮かべていた。 「悔いはねぇ……お前と戦えたのだから」 391919: 目覚め 竜弥 2004/02/06 00:50:36 ハッと、目を覚ました。 「夢……」 辺りを見渡せば寝室だった。 あれからどれいくらい意識を失ったのか。 そして何故俺はここに居るのか―――――― 「気が付きましたか?」 セバードだった。 「……俺は、確か、ヤツの所に」 そう、乗り込んでやられた。 尽く。 無残に。 「貴方は右目についたのですね……」 セバードは少し暗い顔をして言った。 「……刻印」 そうか、どうりで右目が見えないわけだ。 391921: 刻印 竜弥 2004/02/06 00:51:15 彼の右目の辺りは刺青でも彫られた如く、豹変していた。 「2度と開けないな、これでは」 別段困るわけでもないが、これで余り人に見せられた顔じゃなくなったのは確かだ。 「貴方なら、その顔でも平気でしょう?」 セバードは苦笑した。 「まあな」 心読んでるのかよ。 相変わらず鋭い男だ。 「どうして俺を助けれた?」 その辺りの疑問も浮かんだ。 「貴方が飛び出した後我々もその後を追いました、もっとも追い付くのには時間が掛かりましたが」 391922: 分身 竜弥 2004/02/06 00:51:50 どうやら俺を回収後、すぐに安全圏への離脱をしたらしい。 当然と言えば当然か、先の序戦で結構の被害も出た。 すぐには偽神との戦闘も行なえない、か。 そして彼が気を失ってから、どのような事が起きたか等、色々話しを聞いた。 ティターンは新の力を発揮し始めた。 「終盤だな……」 よろよろと立ち上がり、刀を探す。 「ここに有りますよ、貴方の分身は」 セバードから刀を受け取る。 「有難う」 391923: 輩 竜弥 2004/02/06 00:52:20 下では何か揉め事が起きているらしい。 聞いた話しには、虐殺。 子供も皆殺しにされ掛けた。 (何時でも訳の分らない輩は出るのだな) もっとも、自分もその1人なのかも知れないが。 彼は久々の煙草を吸う為に、喫煙室に向かった。 391986: 扉が フェンリル 2004/02/06 04:01:34 ――今、開く。 集え、英霊の護り手。 「…!!」 突然頭に響いた声に体を震わせる。 「…主よ…、まさか、目覚めるのか? ゼロアースがそれに値すると?」 …ただ多くは語るまい、自分もそれの『一部』 神を倒す為の物。 「…神滅騎士団全軍転進。十字軍への挨拶は果たした、 我々はこれより『聖地』へ向かう。 魔導戦艦エルシェバイク全速! 各員は全力でそれに付き従え!」 『ディルザード。君も用事が済み次第、同行しろ。 人同士の小競り合いに構っている時間はあまり無い』 号令と念話を同時に行いつつ、表情を険しくする。 どうやら、止まっていた歯車が大きく動き始めたようだ… 392001: 伝令が来たか:ミリオラーネ ミリオラーネ 2004/02/06 07:36:47 伝令に謝辞を述べ、クラディア殿の文を読む。 第二軍本体が出発し、賊討伐の心配は要らぬゆえ、本戦に備えよか。 無駄働きをさせてしまっているシュアリー殿にはどう謝るか・・・・・・ シュアリー殿への再合流を要請する伝令を出した後、 「今から、再編成を行う。 戦線維持を行っている部隊を除いて、点呼と負傷した人数と程度の報告を行っていただきたい。 戦える人数の少ない部隊は解散し他の部隊と合流することになろうが、それが、生き残る道であるゆえ、協力して行っていただきたい。」 人にはそれぞれ役割がある。 今の私の役割を果たさねば、無駄死にする兵士が増えるのみ。全力で行くだけだ。 392013: 時間切れ ディルザード 2004/02/06 10:24:47 団長の声が届く。 そして、自分の獣とは明らかに違う使い魔の類も姿を現した。 「じゃ、私はここで退かせてもらうよ、次に会うときは楽しもう」 遠くに十字軍の音が聞こえる。 それに呼応して一団が陣を構える、それも多勢に有効な陣と見える。 ふぅ、私の声は届いていないか… 「炎狼アイゼンと眷属よ、賊討ちを手伝ってやれ」 『御意、我が支配者の命のままに』 森林に狼の声が通りわたる。 同時に私は戦域から離脱するべく、一気に加速する。 軽い自慢だが… 私は馬よりは早いぞ。 392022: 戦況把握:くらら クラディア 2004/02/06 10:55:35 賊討伐は教会聖職者を中心に、精鋭部隊が向かった 本体も既に合流に向け出発済み 先発隊も、大きな被害は免れたようだ ここに運ばれる兵達の目にはまだ、鋭気が宿っている ──しかし、 二体のティターンが起動し、世界がぞくぞくと動き出す 神滅が身を返し『聖地』に向かったとも聞く 「そして、船……ですか……」 幾人かの兵の体に現れた烙印もまた、高度な聖魔法をもってしても消えることはなかった 「アースグリム隊が補給路を絶たれています。こちらから救援物資と人員を。それと、一度隊長と戦況確認がしたい旨、お伝え下さい」 まだ、世界は動き出したばかりか、それとも…… 392025: 「いやあ、随分部下が死んじまったな。」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/06 11:30:24 ゲオルグは、多くの部下の死に慄く事無くつぶやいた。 「あんたわ!!」彼の無神経な発言にゼスファが喰ってかかった。 「よし!!実験をしよう。リンレー頼む。」 「ハイ・・・・大地の精霊よ、悪夢のごとき妖魔の王ルドーラの誠実なる僕たる数多の妖魔たちよ、眼下の兵士達に真なる力を与えたまえ。」彼女の呪文に数人の兵士達が呻き声をあげて倒れた・・・・次の瞬間倒れた兵士たちが起き上がり阿修羅の如く奮戦を始めた。その戦いぶりは人間離れしていた。 「素手で甲冑を・・・・」 392027: その異様さ凶漢さは十字軍の兵士達を戦慄とさせた。 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/06 11:36:13 「ああなっちゃうと元に戻せないのよね。」術師のリンレーはつぶやいた。 なんと兵士たちは妖魔と融合させられてしまったのだ。やがて、戦闘は混乱状態となった。 あまりの事に呆然とするイズモ隊長にゲオルグは指示を出した。 「ガトリング砲を、あの糞どもにぶっ放してやれ!!」 連発される銃弾は十字軍の兵士達をなぎ倒した。 戦闘は、黒の騎士団有利に進み始めたと思われた。 392028: 「あ・・・・制御できない。」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/06 11:39:07 リンレーは、ボソッとつぶやいた。魔獣と化した兵士達が敵味方関係なく虐殺を始めたのだ・・・・ もはや、両軍とも戦闘所では無くなってしまい、両軍ともに潰走状態となった。 392030: 近隣の村々に魔獣と化した兵士達が暴れだした。 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/06 11:43:02 まさに地獄絵図であった。さらに魔力の暴走により多くの動植物、罪のない村人まで魔獣と融合し、取り返しの付かない騒乱状態となった。 392032: 「こ・・・こんな筈では・・・・」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/06 11:53:26 ゲオルグは事の大きさに驚愕した。この魔獣が世界に溢れ出せば俺は世界を破滅させた悪党になってしまう。しかも、兵力が半減したので、この状態を沈静させることができない。 さらに悪い事に、魔獣に混乱した十字軍、黒き騎士団両軍の陣営にゼロアース軍が総攻撃をかけ始めたのだ。 392042: 壱 ブロウ 2004/02/06 12:26:07 満月。 戦場跡に転がる無数の残骸。 無数の亡き骸の中の一つ・・・左腕の欠けた躯。 月光のもと、一つの影がその躯へと降り立った。 欠けた左腕に漆黒の粒子が集まり・・・形をなした。 傷ついていたはずの体の傷も癒えてゆく。 392044: 弐 ブロウ 2004/02/06 12:29:10 何か・・・声が聞こえた。 「ブロウ。貴様ごときを助けてやるとは・・・私も落ちぶれたものだ。」 何だ・・・誰だ・・・? 貧血による朦朧とする意識と体をおおう心地よさから、うまく意識が繋がらない。 夢からめざめる間際の間隔に似ている。 声は構わず続けた。 「・・・罪を背負う気であらば、その更なる覚悟を示せ。 聖神ゼロアース降臨と共に、貴様の罪は償いへと変わるであろう。」 そう言い終えると、声は去っていった。 何か言おうと意識をはっきりさせようとしたが、体が言うことが聞かず・・・再び夢の中へと落ちていった。 392045: 参 ブロウ 2004/02/06 12:30:24 ふと、目を覚ます。 意識が途切れる前と同じ場所。だた、そこはもうすでに戦場ではなくただの荒涼とした大地が広がるだけの場所に変わっていた。空に浮かぶ月も満月へと成熟していた。 気がついたように体を触る。失ったはずの左腕は元通りにそこに在った。傷も完全に癒えている。 あの声は・・・あの声の主が助けてくれたのだろうか? ぼんやりと月を眺め、まだぼぉっとする頭で答えの出ぬ思いを走らせていた。 しばらく経っただろうか・・・ようやく意識がはっきりとしてきて状況を判断する冷静さが戻ってきた。 よほど疲れていたのか、その時になってようやく今起きている事の重大さに気がついた。 「覚悟・・・か・・・」 392050: Tにゃん リンス・ハウハ 2004/02/06 12:36:37 旅は好きにゃん… ゆるせにゃい男を殺しにきたにゃ〜 誰とはいわにゃいけれどぉ みんなしってるよねぇ〜 392052: Uにゃんでウチだけ リンス・ハウハ 2004/02/06 12:38:42 マトにかけたにょ?☆ いいよ ウチの雷覇で 切っちゃうからね〜 392101: 情報と予測 アースグリム 2004/02/06 15:42:28 「本隊までは無理だったか」 炎に炙られ苦悶に呻く者の中に、ゲオルグらしき人物を見つけられず、アースグリムは自分の技量に失望を覚えた。 実戦で使うのは二度目である妖糸。少しは上手く使えるようになったかと思えば、この有様。 「・・・ということは、今頃は本隊とぶつかっているかな」 捕捉できなかった理由を考えれば導きだせる回答。余分な糸を回収した為状況は掴み切れないが・・・ 「人物を読み違えてなければ、大丈夫だろうな」 アースグリムは、村の焼かれた跡から、ゲオルグの人物を分析し、本隊と接触した場合の行動を予測し、本隊の副官に伝令を出していた。 392109: 「リンレーすまないな・・・・相手に術師がいるようだな」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/06 15:52:19 「あの程度の術なら何とかなりますよ・・・・糸が一杯あったけどね。」 「ふむ・・・・苦し紛れに妖魔と人間の合成をしたが・・・・予想外の結果だ・・・・十字軍と揉めている場合ではないかもしれん・・・」 「でも、合成した人間や動物は元に戻せないよ。」 「ふむ・・・・・」 392112: ゲオルグさーん、そろそろこれ見て自分の行動について考えてくださいねぇ アースグリム 2004/02/06 15:57:35 「猪突猛進」 それがアースグリムの出した彼の人物像の結論だった。 「何かしら奇を衒った上で突撃をかけてくることは間違いないから、少々負けて見せれば自己陶酔に浸り、自分を見失って勝った気にでもなるだろう。それを逆手にとり、陣形を鶴翼にとり、彼らに中央を譲り渡してから包囲して殲滅すればいい。 兵力はこちらが五倍に近いのだから、落ち着いて手順を踏めば、負けることはない。 バケイ隊の手を煩わせるな」 「本当に、自分以外に見えてないのですね」 アースグリムの副官は、手紙の中で指示された通り動けてしまうことに半ば呆れていた。 392113: 黒騎士達は 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/06 16:01:38 陣形を整え、魔獣の群れを突破し一路北へ向かっていた。 途中、十字軍の動向を探るため多くの斥候を放っていた。 「凄え数の難民ですぜ!!」斥候の1人が報告した。 そんな彼に斬りかかろうと1人の少年が短刀を抜いて切りかかろうとした。 「俺はカール!!みんなの仇だ!!」 見覚えのある少年十字軍の服装であった。幹部のアリス嬢が彼を素手で抱きしめ抑えた。 「アリス・・・・どういう事だ?ガキどもは全部殺せと言ったはずだぞ。」 392114: 「もう、これ以上はやめてください」 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/06 16:05:35 「ふふふ・・・・ははははぁ・・・・・良いだろう。もう潮時だ兵を引くにもな。おいガキ!!強くなって俺様を殺しに来い!!そうすれば俺が殺してやるぜ!!」 392115: 殲滅、まではしませんけど、勝手に組織は作ってくれるわ、不愉快の極み アースグリム 2004/02/06 16:07:44 「あの魔獣には、手を焼きそうですが・・・」 普段、巨大な牙獣の力や魔法弾の中戦っているアース騎士があんな飛び道具でどうにかなると思っているのだろうか。 確かに一時は意表を付かれ、混乱したが、後はアースグリムの指示どおりに動くだけで良かった。むしろ混乱したことで予定より上手く行きそうな勢いだ。 「あの魔獣とて、フェンリルより力があるわけではない」 手を焼いてはいるが混戦の中、ゲオルグの本隊と魔獣は、完全に分断していた。 392118: じゃ、さ〜消えてよもう♪ リンス・ハウハ 2004/02/06 16:13:23 なんでそしきえすのヒトがいるのかにゃあ〜? RPまで嫌がらせなんてぇ徹底してるにゃ〜☆ もううしなうものもニャイしアンタにゃんかもう怖くないにゃ♪ といぅ事で一太刀〜浴びせるニャ〜♪ 悪漢かくごぉ〜♪ 392120: 逃げれると思わないで下さい。せいぜい晒し者になってもらいますよ? アースグリム 2004/02/06 16:15:58 「今だ、攻勢に転じよ。人間の戦さのやり方を連中に教えてやれ。魔獣はそのまま逃がすなよ」 魔獣の動きを完全に封じ、ゲオルグの本隊が中心まで突破してきたのを見計らい、副官は声をあげた。 アースグリム隊は、一気にゲオルグの本隊を、間断のない波が地面を削るように、撫斬りにし、包囲しつつ、少しづつ、その半径を狭めていった。 392125: 結末がつまらんので書き直す 暗黒騎士ゲオルグ 2004/02/06 16:33:18 ゲオルグの本隊は壊滅した。兵は皆殺しにされた。 しかし、幹部連中は血路を開きからくも逃げ延び本国に帰りついた・・・・彼は自らの受け持ちである中継点の砦に帰り 岡田殿相手に博打をする日常に戻った。 壊滅した部隊の残余が集まってきているが回復には時間が掛かるようだ・・・・ 「ま、次の戦の準備をするさ・・・・・」 黒騎士の暴虐の小咄はこれで終わり 392126: ん〜:てんなな てんなな 2004/02/06 16:38:43 「移動したか・・。」 既に賊は見当たらない。 よく分からない獣の首を5匹がかりで刎ねただけだ。 「無駄足だな。戻るか。」 獣の首で賞金かなにかもらえないかと少し期待しつつ、 バケイ隊の列目指して進んだ。 392128: いや、組織Sとか、その辺はどーでも良いので、もうちょっと周り見て下さい、マヂで。 アースグリム 2004/02/06 16:58:26 強大な力の前に、人ひとりの力は小さいものだ。 だが、その力も団結することで集めれば、決して小さなものでは無くなる。 「良い経験にはなりましたかね」 アースグリムの副官は、黒をどんどんと輪の中心に向かって染めていく白い軍を見ながら、ふと呟いた。 呟いてから思った。 最初、復讐に燃えていた自分達の隊は、明らかに冷静さを欠いていた。 だが、今回、大きな混乱もなく、隊は冷静に機能した。 アースグリムからの手紙。ひとつの封筒に、戦うことを諫めるようなメッセージと戦いになったときの対処、相反する内容。 そこまで考えて、副官は溜め息をついた。つかずにはいられなかった。 392137: 一足遅めの到着。 シュアリー 2004/02/06 17:13:26 羽音が響く。 流石に馬と翼竜ではスピードが違う。 視界に映る景色が流れるように変わり、自分を中心に『領域』も移動してゆく。 そして、『感じた』。 人の群れ。数や装備の様子を当てにするならば、おそらくは間違いないだろう。 だが、その動き方がおかしい。 なにより周りに人外のモノが多すぎる。これは。 (・・・戦闘か。先客が居たのか?) 疑問は、すぐに解けることとなった。 392139: 自分のコントロール下以外を動かすのはほどほどに。 シュアリー 2004/02/06 17:15:42 黒を基調にした服装。 その集団を一人の神父が糸のようなもので絡め、動きを封じている。 あれはもう一つの隊の、名をアースグリムといったか。 以前、どこかで見たときの彼は、確か剣を得物としていたような気がしたが・・・。 何にせよ、こちらに来たのは正解だったようだ。 自分が制止するより早く、共に来た隊のそこそこの手練れたちは加勢のために降下していってしまった。 (部外者が少しばかり多い。下も押されているようじゃないし、様子を見てからの方がと思ったんだが) まぁ、はっきり言えば彼らの事などどうでも良かったのだが。 392140: つかRP目的じゃない方は他所でどうぞ。 シュアリー 2004/02/06 17:18:01 下では戦況が変わって、村中に醜悪な生き物が溢れかえっていた。 が、やはり加勢するまでも無い。 アース騎士、流石に鍛えられている。 混成かつ急場しのぎ的な構成のためイマイチ纏まりの無いバケイ隊と違い、集団としての纏まりもある。 包囲され、逃げ場を失った賊たちは、結局。 とりあえず、自分も下へ降りて一度顔を見せておく事にした。 流石に戦闘の直後、降下してきた自分に彼らも警戒したようだったが、自分の僧衣を見ると、一応仲間だと思ってくれたようだった。あの神父にはもう一度感謝せねばなるまい。 副隊長からの伝令が到着したのは、その少し後のことだった。 392189: ――ベルヌーブ:フォーカス フォーカス 2004/02/06 20:00:00 「ゼロソード標的をディアルゴに変更」 「ゼロウォンが友邦エレジへと攻撃変更」 「ゼロミーはしばしフーリュンに留まっている模様」 次々に入ってくる情報に地図の上の旗を動かし、戦況を確認する。 今回は戦線が非常に多く、状況把握も一苦労だ。 「此処までの多数の戦線はことぶき大戦以来ですか…。最近は戦力集中策が常道となっていましたからね」 体がうずく。 戦場に立ちたいとの思いはある。 が、戦士たちが戦える環境を整えるのも一つの仕事 「で、十字軍のほうはどうなってます?」 392190: 十字軍と教皇の動向:フォーカス フォーカス 2004/02/06 20:00:40 「聖俗2隊に分かれた第一軍はどうやらゼロアースに味方する一派との抗戦で混乱中。第二軍と合流し、体制を整えている模様です」 報告を聞きながら、手渡された十字軍参加者の名簿に目を通す。 「何処まで纏め上げられるか…ですね。なまじ強い力を持つものが多いだけに個人行動で空中分解というのは避けたいですが…まぁ、教皇が動けば大丈夫でしょう」 「その教皇ですが、ジャピトスを離れ、フーリュンに向かった模様ですが、行き先までは…」 「フーリュン?個別行動とは彼らしく… そうか!!アルカリスと接触するつもりか」 392191: 神滅騎士団の動向:フォーカス フォーカス 2004/02/06 20:01:26 「よもや再びアースノヴァの尖兵として立つことはないとは思いますが…ネヴァモアさんの行動をしっかりと把握しておくように」 指示を伝えるために報告者が下がると別の報告者が進み出る。 「神滅騎士団ですが、十字軍と合流後、再び別行動を取っています」 「別行動?まぁ、元々両者が協力すること自体珍しいですが、敢えて別に行動する必要もないし、アース教会の持つストーンカの遺産、フェンリルさんの牙獣や神滅騎士たちの力、互いに力量を知り尽くしているから効果的な連携が期待できると思ったのですが… 先に進んだか、それとも…」 思考を巡らし、あることに気づく。 392192: ルニカ・・:フォーカス フォーカス 2004/02/06 20:01:50 ショットマインに以前送ってもらったストーンカの文献によるとルニカとは天空に上った神を滅ぼすための遺跡らしい。 「神を滅ぼす…即ち、神滅か。 神滅騎士団の行方とルニカの船の動向を探りなさい」 「はっ!!」 指示を受けて散っていく部下を見送りながら独白する。 「文献で読んだルニカとガッツオに現われたものが同じとは限らない。しかし…数カ国がかりでも揺るがないティターンを倒すための鍵がある可能性大きい」 その鍵を見つけることがこの戦の帰趨を決めるのかもしれない。 392219: ふむ。 セバード・C・シェール 2004/02/06 21:24:16 「オンスロゥは問題無し、と報告してきたんですね?」 「はっ、賊はリビングデッドなどを使った奇策で抵抗、双方にカタストロフをもたらし全滅。・・・近隣一体は死の大地となったそうです」 「賊は倒したとはいえ・・・酷い話ですね」 二つの意味で。 一つはそのまま、凄惨な傷跡に。 もう一つは、その事件を一言で片付けてしまう自分。 戦力を持つ武人として許せないという感情はあるが・・・惨状を見すぎたらしい。 帝国崩壊から今まで。私の参加した戦のほとんどがそうだった。 正視に耐えない。そんな光景に慣れてしまっていた。 392230: 手向け セバード・C・シェール 2004/02/06 21:44:21 「はい、貴方の分身です」 竜弥さんに、彼が無くした刀を渡す。 偶然回収できた業物だ。 「片目・・・私たちのところなら治せるかもしれませんけど・・・こちらに来るつもりはないでしょう?」 わかりきったこと。 今の自分の境遇、やっていることに自覚が無いわけがない。 私が間違っているとは思わない。だが、限定された正義であることは確かだから。 ゆえに、再会は嬉しい。 昔を思いだし、今を確認できる。 (わがままを言えば・・・) この場にいて欲しかった人がいた。 頭を振り、意識を戻す。 392237: ・ セバード・C・シェール 2004/02/06 21:56:12 私の、今の状況は微妙だ。 本隊が本格的に動きだし、少しでも多くの戦力を欲していること。 そして、私自身、体がまた不調になりつつあること。 「まずくすると・・・引き上げですかね。その時は・・・頼みますよ」 打算とは別に。 友人や知り合いには死んで欲しくはない。 故に、健闘を誓う。 私もとどまれる限りはここで戦おうか。 392413: ジャビトス郊外 フェルディア 2004/02/07 07:03:09 ジャビトスの郊外。巨大な塔を思わせる岩山から、ジャビトスの城址を眺める。 ふむる、そろそろ第二陣が動くか。 この砂漠の地で戦うのは何年ぶりかね。 さて、久しぶりに幻帝の砂漠の民が、幻影城の側で会うというのに、こんな形で会う事になろうとは…。 男は日差しよけにまとっていた厚手のマントを脱ぎ捨て、ゼロアースに向けて行軍する軍勢の中軍に向かって切り込む。 久しぶりだなぁ!ショットん、ガルやん!あんまり多くの兵団がゼロアースの元に言ってもらっても困るんでな、しばらく付き合ってもらおうぞ! さて、少数の手勢で、どこまで足止めできることやら。 392426: ランシュバイク:魔導戦艦エルシェバイク ニコラス・ブルー 2004/02/07 10:59:07 「教会と共闘とは…気に入らないが、な」 エルシェバイクに降り立つ青い影がひとつ。 北海の戦い以来、隠遁していたランシュバイクが一人、 魔族と深緑エルフのハーフ、ニコラス・ブルーである。 此度の戦、我らの真の敵であるアース相手でないが、 フェンリル様がゼロアース討伐の命を出すのなら、 久しく、暴れてみるのもいいだろう。 身体もなまっていたところだ。 ニコラスは薄く笑うと、ゆっくりと歩き出した。 まずは久方ぶりの挨拶をせねばなるまい。 古き王にして、ランシュバイクの長、フェンリル様に。 「ニコラス・ブルー。召集に従い、馳せ参じました」 392447: うわぁ〜ん中々書く暇無い〜(号泣):石魔獣 ディヴァイン 2004/02/07 13:10:27 おっとり刀で先行していたバケイ隊に追いつく 「数が少ねぇな…?」 予想していたよりも人が少ない様に思えた 着くのが遅かった俺はバケイ隊が蛇と戦っていた事も賊の出現で隊を分けられた事も知らないのだ 「とりあえず挨拶する人は誰になるのかな…?」 辺りを見まわし適当な人間を捕まえて隊長さんの居場所を聞く 「バケイ隊長さんって…何処に居るんだ?」 やっとこさ参戦です 392477: 謎の男 ジェラニイ 2004/02/07 17:13:31 上空を悠然と飛行する魔導戦艦エルシェバイク。 太陽の日差しを遮り、大地に巨大な影を落としていた。 その影の中で、頭からすっぽりと漆黒のローブを被った人物がエルシェバイクを見上げていた。 「久々に世に出てみれば随分と色々起こっているものだな…デスジェラニイもゼロスパイアとやらの仕業か…。」 彼は静かに目を閉じた。 「未だ我が業は完成しないが…どうやらそうも言っていられないか。」 392479: … ラルディス・ラブド 2004/02/07 17:57:17 戦場 修羅蔓延るその闇の中から一人身を起こす。 その身を返り血に染め、漂う呪怨の魂を喰らいその身を癒す。 ゼロアースに挑み傷ついたその身を。 右の手の甲に刻まれた敗者の刻印 しかしそれもまた…己への戒め。強くある為の屈辱の印。 ふと空を仰ぐとエルシュバイクが空を進む。 『あの場所』を目指して。 「…」 恐慌し狂ったように切りかかってくる敗残兵達を切り捨て影に身を翻す。 「…行くか…」 392720: 思案:くらら クラディア 2004/02/08 16:50:41 ルニカの船…… 神を滅ぼす超兵器 アルカリスから、神石を受けとったものが向かうというその力は、あまりに強大で計り知れない 教皇様がアルカリスとの会合を望んだのは、彼等の国の復興のためと聞く 「本当は、私は反対なのですがね……」 「え?何がですか?」 不思議そうに首を傾げた軍医になんでも無いと告げ、宙を仰ぐ アース教会の教えで、唯一異論があるとすれば、俗に黒派と呼ばれる派閥の存在だった それはつまり、神敵滅殺を信条に構成された部隊や、その思想そのものを指すのだが、彼国はまさに、それの象徴と見えてならないのだ 例え、その信仰心に偽りが無いにしても しかし―― 392758: :くらら クラディア 2004/02/08 21:21:10 自分達がアースを信仰するのと同じように、他神信仰者や無神論者、反神の意を持つ者にも、確固たる意思があるのだと思う そして、それも当然だと思うのだ けれど、だからこそ、相入れないから敵対するなど、悲しいではないか そして、その為に誰かが傷付け合うなど…… 守るための戦いでも、滅ぼす為の戦いでも、流れる血と涙は同じものなのだから 剣は二度と持たないと、遥か以前に誓った しかし、自分は今、戦場に立っている そして、この場で自分に刃が向かったとき、剣を持たずに居られるかどうかは自信がなかった 392760: すごいタイムラグは気にしちゃいけない:くらら クラディア 2004/02/08 21:32:42 武器を捨て、ともに分かり合える世界は、所詮理想に過ぎないのか…… だが、誰か一人くらいその浅はかな願いに身を尽すのも良いだろう そのために私は《慈愛》を受けたのだから どんなに自分が傷付いても、愛することと信じることを棄てたくはない それが私の《聖義》なのだから 「だから、負けられないですね」 そう、剣は無くとも戦うのだ 私たちは私たちのやり方で 392761: 第一陣・第二陣、合流 レヴィル 2004/02/08 21:35:11 ――十字軍第一陣・第二陣合流後、野営地。 何処かしこから響いてくる笑声に紛れて、火の粉が爆ぜる。 焚き火を囲むようにして座るのは、今回の十字軍を企画した、教会の主だった面々である。アルカリスの面会へと旅立った教皇と、留守中の教会を預かる司祭の顔こそ見えないが、どうやらその他は全員集まっているようだった。 合流を祝しての酒宴を言い出したのは、皆から枢機卿と呼ばれている男である。酒でも呑まぬかとはた迷惑にも引っ張ってきておいてこの男、『下戸ゆえに呑めぬ』と先ほどから自分は一滴も酒を口にしていない。 392762: その、野営地にて レヴィル 2004/02/08 21:35:37 話題は、最初は十字軍のこれからの方針についてだった。大陣営となったこれらの指揮権は誰に委ねるだの、教皇が合流した暁にはどうするだの、そういったことが矢継ぎ早に決められていった。 その後は単なる談笑となった。主だった内容は彼等が以前暮らした国のこと。その国の最後の王を中心として様々な思い出話が花開いた。パンダだの薔薇だの味噌だの埴輪だの、まぁ話題には事欠かない。 そして、その酒宴も半ばを過ぎる頃。結局勧められるのを断りきれずにアルコールを口にした男が、グラスから顔を上げて一言漏らす。 392763: 了 レヴィル 2004/02/08 21:35:55 その場の皆が凝固する。信じられないものを見たといった感じで、各々が己の所作を凍らせた。 「――あぁ、本当に楽しかった」 笑っている。 男が、心の底から楽しそうに、笑っていたのだ。 392764: そして気が付く:くらら クラディア 2004/02/08 21:47:14 「はっ!そうよ……何故気が付かなかったの……何てこと……大変だわ!」 突然の叫びに、見回りの兵が振り向いた 「船……ルニカの船……神を滅ぼす力……神滅……転身……」 思いあたった考えに、背筋が凍る 「神は、ゼロアースだけではないわ……その力を彼等が手にすれば……」 北海対戦の二の舞いになる 「副官に伝言をお願いします。しばらく離れます。ここの指示は任せます、と」 転移魔法で先回りは出来るだろう だが、私一人でどうなるのか それでも 「行くしかないですね」 命をかけて 392802: 使徒降臨 ネヴァモア 2004/02/09 00:58:52 ネヴァモアがアルカリスとの会合を果たしてから 一時間程経ったであろうか。 護衛に同行していたアズライト司祭は、 二人だけで話したいとのネヴァモアの要望もあり、 屋敷の外でじっと立ち尽くしていた。 家主には居間でお茶でも飲んで待つよう進められたが、 彼はそんな呑気な気分になれなかった。 寧ろこうして外で不審者に目を光らせる任務に励んでいた方が 頭に浮かんでくる数々の不安を忘れられて良い。 アズライトはそう思って自ら外へ出たのだった。 尤も今の所この人里離れた農場の近辺に人影は見られない。 ただ枯葉が風に乗っていずこへと飛び去っていくばかりである。 392803: 、 ネヴァモア 2004/02/09 00:59:40 そうしていると、子供が家の前の道を通りがかった。 子供の眼には随分妙な光景に写ったことだろう。 何の変哲も無い農園の屋敷の玄関先に、 物騒な大鎌を携えた男が無表情に立ち尽くしているのだから。 あまり妙に思われるのも家主に迷惑だと思い、 アズライトはにっこり微笑んで見せた。 すると一瞬子供はびっくりした様子を見せたが、 すぐに同じような微笑みを返すと、足早に去っていった。 と、丁度子供が去ったのと入れ替わるように、 後ろの扉が開いてネヴァモアが姿を見せた。 392805: 、 ネヴァモア 2004/02/09 01:00:23 「どうかしましたか?」 アズライトの微笑みを見てネヴァモアが不思議そうに問う。 「あ、いえ、何も。 話し合いの結果は如何でしたか……?」 するとネヴァモアは懐から小さな石を取り出して アズライトの眼前にかざして見せた。 「彼は私の思いを聞いてくれましたよ。 この石を託してくれました。 『ルニカの船』に誘うという、この石を」 それは一筋の光をも反射しないかのように思われる、 見つめていると吸い込まれていきそうな程に黒い石だった。 そのどす黒さは見る者に不安を掻き立てた。 あたかも希望の光さえも発さないかの如くであったから。 392806: 。 ネヴァモア 2004/02/09 01:01:36 「それが我々の力となるのでしょうか……」 アズライトが少々不審そうに尋ねる。 しかしネヴァモアは答えない。 考えてみればアルカリスがこの期に及んで 役に立たない道具などを教皇に手渡す筈が無い。 自分のあまりの愚問に返答しなかったのだろうか。 アズライトがネヴァモアの顔を覗き込む。 そうではなかった。彼は何かを感じ、立ち尽くしていたのだ。 「猊下?」 「感じる。西方の地、恐らくガッツオだろう。 この感覚はまさしくアースに近しい存在のもの。 司祭、急ぎ帰還します」 そう言ってネヴァモアは馬に飛び乗った。 「使徒は降り立った!」 392807: お知らせ ネヴァモア 2004/02/09 01:03:44 では明日辺り次スレを立てることとします。 それまでは当スレをご利用ください。 なお次スレを立てる際に「暁星十字軍 第二章」は削除します。 悪しからず。 | ||